銀の匙かげん

後味よい 究極ハッピーエンドをめざす
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ぼちぼちと 備忘メモとして

日の名残り   ジェームズ・アイヴォリー

2010-01-18 | 映画
古本屋で見つけた カズオ・イシグロの原作本。久しぶりに、ジェームズ・アイヴォリーの「日の名残り」。 英国名門屋敷の主人に仕えた、執事の恋、人生を描いた作品。
たまには、落ち着いた大人の恋愛映画鑑賞です。

   
1993年
原題 : Remains of the Day
監督:ジェームズ・.アイヴォリー
脚本:ルース・プラヴァー・ジャブヴァーラ
原作:カズオ・イシグロ
音楽:リチャード・トンプソン、ジャームズ・フォックス
アンソニー・ホプキンス
エマ・トンプソン
ジェームズ・フォックス
クリストファー・リーブ
ヒュー・グラント
ベン・チャップリン

まるで屋敷の一部のような執事・アンソニー・ホプキンスと、彼に仄かに恋心を寄せるメイドのエマ・トンプソン。滑稽でじれったい二人の絡み、切ない恋。子供っぽい大人の純愛なのでしょうか?
本の題を探り部屋の隅で向き合う二人、父の死を告げるシルエット、格調ある愛情シーンで、読書しているような不思議な間を感じる。
事が起こったわけでもない、中途半端な気持ちも、役者(脇役も)の素晴らしい演技によって、余韻のある深みのある恋愛として残るからすごい。決して美男美女でない主役の二人。「アンソニー・ホプキンスが老け過ぎてる?」と言いたい文句も遮断させる位の、演技のお手本のような作品。

The Remains of the Day (1993) Trailer


脇役としての執事が話の主人公なら、映画の脇役陣がこの作品の執事だ。
この映画の匂いを最初に嗅いだような、屋敷の主人ジェームズ・フォックスが登場する、きつね狩りシーン。この人いいなあ!!!門構えのよい映画に入る観客になったようです。
この主人の人間性が、ただの忠実な執事だけに終わらせていない。
この話の底にある、伝統、生き方、民族、階級、ナチスに利用される貴族・・

スーパーマン・クリストファー・リーヴの圧倒する姿。顔が怖くて駄目だったが、太ーい芯の入った精神と肉体、こんなに気品のある人だったのかと・・・
つるつる肌のヒュー・グラント、ベン・チャップリンの若さと色っぽさ、ピーター・ボーガンの背中の表情。
脇役の存在感がこの映画を、格調高く成功させている。

かつては、自分の感情を遮断することで終わらせた関係。それが二人向き合った時、現実を受け入れるという形を選んだ事。郷愁でない、決して後ろ向きではない結末がいい。

丁寧なつくりが、じっくり鑑賞するに値するのだと・・・

「モーリス」のDVDが再販されるらしい。レンタルではとんでもない人数待ち、しかも中古品も3万とかの驚きの値段だったので、あきらめていた。傍に置いてきちんと日本語字幕で観たかったから嬉しい情報だ。


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