銀の匙かげん

後味よい 究極ハッピーエンドをめざす
これまで観た好みの映画のことなど 
ぼちぼちと 備忘メモとして

ジャック・レモン  「モリー先生との火曜日」

2009-08-23 | 映画
今日は23日、「父との日曜日」
昔楽しんだ、二人共通のお気に入りジャック・レモンで・・・


ジャック・レモンの遺作となったテレビドラマ 「モリー先生との火曜日」
図書館でみつけた原作本

 
1999 米
原題: TUESDAYS WITH MORRIE
監督 ミック・ジャクソン
脚本 トーマス・リックマン
原作 ミッチ・アルボム
ジャック・レモン
ハンク・アザリア
キャロライン・アーロン
ボニー・バートレット

スポーツコラムニストとして活躍するミッチ・アルボムは、日々多忙で自分を見失いがち。偶然みたテレビで、恩師モリー教授のインタビユー姿が・・・
16年ぶりの再会から始まる二人の授業・「最後の講義」。テーマは、愛、家族、老いの恐怖、許し、そして死などについて。ミッチ・アルボム の書いた実話本をドラマ化した作品。

  ジャック・レモンとハンク・アザリア

  モリー先生と作者ミッチ・アルボム

実際のモリー先生は、ジャック・レモンよりも小柄だったようだが、伝わる雰囲気はとても似ている。本もドラマも、誰かの日めくりカレンダーのように、すべてが痛ーく突き刺さる ありがたい言葉でいっぱい。
病気に対する、理想とも思える周囲の環境、モリーの人間味、人生の教訓など。
スネ系のあまのじゃく体質にも、その体をくぐった言葉は押しつけなく響いてくる。もうジャック・レモンとモリーの境界はなく、演技をこえた存在感(年輪・徳)がそこにはある。

中学生のころ会ったALSの女の子の事を思い出した。当時は病名も、治療方法も今のように知られてなく、世間の理解もない時でした。映画つながりでの応援活動の場、健康に見えた彼女の突然の告白、びっくりしてかける言葉もなく、向かっていく時間の速度の違いに、考え込んでしまった。次の日から期末テストだという日曜日の集まり。
その後に作られたありのまま舎の映画。


一緒に観てたジョンフォードの西部劇、黒沢、チャップリン、ボブホープ、ジャックレモン、ウォルター・マッソーなどコメディ物。ニュートラルでユーモアのセンスがあった人、父。子供のくせに、悪役のリチャードウィッドマーク好きだった私を 変な子扱いせず面白がってくれた。役にない、素顔の知的な側面を教えてくれたりとか、物知りで、切り口がユニークな物の見方、雰囲気もジャックレモンと似てたような。
『翆峯』のお茶を飲みながら また語り合いたいよ・・・

ジャックレモンの素晴らしい幕引きとともに。

折角だから、今を生きる私たちに、モリー先生からコーチを
「愛と結婚について、相手を尊重しなければ、トラブルが起こる。妥協を知らなければ、トラブルが起こる。ふたりの間のことを率直に話さなければトラブルが起こる。人生の価値観が共通でなければトラブルが起こる。価値観が同じであること。そしてその価値観の中でも最大なものは、自分の結婚が大事なものだという信念を」  原作本より      イターイ

Morrie: Lessons On Living (with Ted Koppel) -2




『ホット』 する  親子でカフェ

2009-08-22 | 旅行

過日、ありすぎる日常を離れて、何もない里山のひとときへ 「薪の音」     
帰り道、母の閃きで「薪の里」に・・・予約はしてないので、まずは駐車場と場所確認ね、と。
だけど、なかなかタイミングが難しくなってきた親子、ダメもとでお願いしてみる。
玄関でお出迎え

誰も出てこない、掃除機の音が!!!!
貴重なものがいっぱいあるのに・・・のんびりしてる。
こんな安全な環境とは 真逆な所?で暮らしてる私には いろんな心配が湧き上がるのです。情けない。
予約してないうえ、今日はお休みモードだとか・・・遠くから来たのでお茶だけでも頂けないかしらと おばちゃん発揮。 
  嬉しいOKだ。

突然なのに、チョコレートケーキをわざわざ焼いてくれた!
焼きたてのケーキは香ばしく、中からとろ~り温かいチョコ。もてなしをも感じる味わいで、しばし暑さと喧噪を忘れる。『ほっと』する時間と空間。


窓から見える丘の上の学校? 戦争中は軍の演習場だったらしい。それから通学路だった昔話、まだ続いている幼なじみの話などなど 雰囲気が変わるとお互い優しい会話になり、和やかな時間をすごせる。
自然な山里には、私たちがが生きている時間とは別な 崇高な『とき』が存在するようだ。どんどん離れて汚れていく身を 浄化してくれているようで ありがたい。

80歳を過ぎてから始めたボケ防止の為の「書き方」、興味のある記事を書き写したノートも 何冊になったのでしょう。

最近は珍しい?手書き文字。ノートに書かれた区切られた記事は 短くて読みやすく、面白い。書かれた文字の様子で その時の気持も伝わってくるしね。最近は書かない日が多くなったと嘆いているけど、無限ノート、またくださいな。達筆な文字を眺めるのも嬉しいし、ここにも崇高な時間があるから・・・・

今日は 好奇心旺盛な母の閃きに感謝。弾ける会話もOKだから、次世代をひきつれ 次回は予約をいれて ランチをね。お互い元気で『Dancing Cherry』との楽しみな会話も 待ち受けですよ。

「薪の里」の皆様
わがままなお願いに気持ちよく応じてくださり、ありがとうございました。


                風景画像 「薪の音」館主の日記より


ピーター・チャン 「ラブソング」

2009-08-17 | 映画
「ラブソング」 あまりに直球すぎて気恥ずかしい邦題。原題の『甜蜜蜜』はテレサ・テンの歌の題名とか、なので昭和ど真ん中世代には、ストレートに入ってきてしまう。映画全体が古いメロドラマへのオマージュのようで、どこか懐かしさを感じる。

1996年、香港
原題『甜蜜蜜』
監督ピーター・チャン
脚本アイヴィ・ホー
マギー・チャン
レオン・ライ

大陸に婚約者を残し、香港に出稼ぎにきた青年シウクワン(レオン・ライ)と、広州から来たレイキウ(マギー・チャン)が、偶然出会い、お互い魅かれあいながらも別れ、10年後にアメリカで再会するまでを描いたラブストーリー。

大陸顔?のレオン・ライが、素朴で優柔不断、そして憎めないまっすぐな田舎青年を 地で演じているかのよう。
自転車に乗る若々しい姿が 清々しく輝いている。
マギー・チャンは 逞しくどこか儚い感じが素敵だ。ケチをつけたくなるが、この人の突き抜けた魅力は何なんだろう。猫顔の表情の変化? 役柄もそうだが、どうしても年上に見えてしまう落ち着き。中国の女優、色は違うが コン・リーとマギー・チャン、この二人の『女の迫力』はすごい。いつ観ても圧倒される。

私には、猥雑でどこか得体の知れない都市・香港。そこを舞台とするラブストーリー、怖濃い系? 裏切ってくれます。
中国返還を前に大陸から移動する人、また海外へ出て行く人。まさに、出会いと別れが繰り返されてる場所だ。中国本土で人気のテレサ・テンと彼女の突然の死、切ないながらも温もりを感じる声とストーリー。うまいなあ ピーター・チャン。

慕情のウィリアムホールデンの存在、英会話講師クリストファー・ドイル、やくざのエリック・ツァンなど 脇役のエピソードが さらりと温かい。偽物?ミッキーに笑い泣かされるとは・・・
同志とレオン・ライを呼ぶマギー。クレジットカードやATM、ポケベル、マクドナルドに驚くレオン・ライなど、変化する香港をわかり易く伝えてくれる。経験のある驚きで 共感してしまうのです。
1996年の作品なのに、それよりずーっと古い感じがしてしまうのは何故なのだろう。時代がそれだけ急速に変化したということかなあ。自分が生きてきた時間、その時代、今更ながら考えてしまう。

マギー側からみた最後の列車のシーンは、二人の強い運命のつながりを象徴する、すてきなラスト。(ラストシーンの中でも秀逸では?)そこに流れるテレサテンとレオンライの『甜蜜蜜』、うなづいてしまいます。
レトロ感と若々しさが、良い具合にマッチしているお気に入りの映画。

再会の場面でのマギーの表情

ブロークン・イングリッシュ  メルヴィル・プポー

2009-08-06 | 映画

監督・脚本ゾエ・カサヴェテス
パーカー・ポージー
メルヴィル・プポー
ジーナ・ローランズ

BROKEN ENGLISH Trailer Japanese


少し前までは勝ち組・負け組。最近は、アラサー・アラフォーと持ち上げられる、婚カツ女性たち。そんなすこし大人の女性達への、可愛らし過ぎない夢物語。
(男性はどう表現されてるのかなあ?これも男女格差あり?)

ホテルで働くノラ・ワイルダー(パーカー・ポージー)は、恋愛に失敗して傷つくのが怖い30代独身。恋愛相手に対しても距離をおいたり、情緒不安定になったりする。同僚のホームパーティーで、年下のフランス人、ジュリアン(メルヴィル・プポー)と出会い、すぐに惹かれあうが・・・。

2日間の出会いで、あっさり仕事を辞め、将来の約束さえない年下男を追いかけついていく、キャリアのある女性。
魅力は感じても、不安定な年上女性をすぐに好きになり、連れて行こうとする男性。唐突な展開や、空港への電車の中での偶然の再会のラストなど、いかにも作り話なのだけれど、映画だからと甘ーく許してしまう。
似たような作品が多い中でも、成功している理由は、新鮮な相性の二人のキャスティングのおかげでしょう。恵まれた環境と才能での監督、納得です。

Vネックのただの白シャツ、カンカン帽にジャケットだけで、格好良い。おっとり優しい物腰や話し方のメルヴィル・プポー。ラマンの時の気弱な男の子が、こんなに素敵になってる!と感激。米映画にこれからどんどん進出かな?元気になる発見、楽しみ。
ナチュラルで、その表情にどんどん吸い込まれてしまうパーカー・ポージー。結構壺の女優さんです。

映画の中だけでもロマンチックな幻想に浸りたい、軽ーくセンスのいい時間を・・・ぎすぎすした気持ちがリラックスする眺めの良い映画でした。

素敵に繋がってるDNA、ゾエ・カサヴェテス。次の作品も注目したくなるデビュー作。