つれづれなるままに

今、もっとも関心のある出来事を備忘録としてつづります。2005年から。

教科書の不具合への指摘

2009-05-07 | 教育
『学び合い』をしているとおもしろいことに子どもは気づく。

「天気図の等圧線の引かれ方」について,子どもから指摘を受けた。

子ども:先生,教科書のp4の図2で,観測地点では998.0(hPa)の観測地点があるのに,998(hPa)の等圧線が,その上を通らずに離れた位置を通っているのはどうしてなの?
わたし:それはね,うーん。確かにそうだな~。いいことに気づいたね。

と,いうやりとりを昨年度の3学期,2年生とした。教科書をじっくりと読み込み,等圧線の引き方を教科書のやり方でやってみて,図2で確かめようとしたところ,このような気づきとなった。
その頃,T社の教科書会社の方が見えられたので,このことを伝えたところ,4月に入ってA4,1枚で質問に対する回答を郵送していただいた。以下は引用である。長いけど,よろしく。

**************引用開始***************
ご指摘をいただいた図で,998.0(hPa)を観測した観測点を998(hPa)の等圧線が通っていない理由について,ご説明申し上げます。

当該の図では,中学生の学習内容に適した,広範囲の気圧配置を反映した等圧線の引き方をしているため,998.0(hPa)を観測した観測点から998(hPa)の等圧線が離れた位置を通っております。気象庁の先生に確認を取りましたところ,実際の気象庁業務でも同様であるとのご回答を頂戴しております。
 どのような場合でも,等圧線は滑らかな曲線になるように引きますが,天気図を作成する目的によって,等圧線の引き方は若干変わります。具体的に申し上げますと,局所的な気象現象を取り扱う際には,観測点のデータを重視して詳細に等圧線を引きますが,天気の移り変わりなどの広範囲の気象現象を取り扱う際には,広範囲の観測点のデータをもとにしながら,全体が滑らかな曲線になるように考慮して等圧線を引きます。そのため個々の観測点のデータと等圧線の位置が一致しないことも起こります。
 当該の図は,天気の移り変わりなど広範囲の気象現象についての学習の入り口にあたります。データを元に等圧線を引かせる実習を行う場面であれば,観測点のデータを比例配分して詳細に等圧線を引かせますが,その場合は,非常に複雑な図となります。そのような詳細で複雑な図よりも当該の学習に適した図であるということで,広範囲の気圧配置図をもとに作成した図版を掲載いたしました。
 以上のような理由から,当該の図版では,個々の観測点のデータをもとにして,広範囲の気圧配置を考慮した滑らかな曲線で等圧線を引いております。
************引用終了*****************

さて,これを読んでどう思います?
まず,この教科書において,この図は,p4なんです。
単元はじめの等圧線を初めて知り,引き方を知った子どもです。
ここまで深い内容を子どもにとらえさせるのでしょうか?
今,等圧線の引き方を理解した子どもが,
引き方がおかしいと指摘するような,例示をする方がおかしいと思います。
よって,T出版の考え方は,子どもには合っていないと思うのですが,いかが?

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2 コメント

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Unknown (OB1989)
2009-05-15 05:36:49
その編集者集団はN研に行くべきだと思います。
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Unknown (kiri)
2009-05-15 07:39:44
ハハハは…。その通りですね。しかし,子どもは本当に有能です。
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