つれづれなるままに

今、もっとも関心のある出来事を備忘録としてつづります。2005年から。

今宵の赤褐色の月を見よう

2011-12-10 | 理科教育

今宵は,皆既月食。

こんな質問が学校現場から寄せられた。

「皆既月食で,月が赤く見えるのは,屈折が原因とありますが」
「いや,違うようですよ」
「プリズムのように,赤くなる前に様々な色が見えるんでしょうか」
「だから違いますよ。」
「屈折ではない証拠に,七色の月が見えないことを確認しましょ。」

と,言ったけど,半影の月は見たことないんだよね。
本影が赤くなるから,半影は,・・・・

あー,楽しみです。


S大の図書館

2011-02-24 | 理科教育
私の勤めるところでは,個人研究を提出しなければならない。
これが現場だと実践報告に近い形のレポートを研究のまとめとして出すが,
ここではそうではないらしい。

昨年のレポートを見ると,本当に個人の研究になっている。

これは好都合だ(大手ふって先行研究を調査できる)と言うことで,
あたためていたデータをエクセルに取り込んだり
先行研究を引っ張ってプリントアウトしたりしている。

それでも,引用文献でどうしても手に入らないものがある。
論文情報ナビゲータというのがあり,
それを使って検索をかけ,
置いている図書館をあたったりした。

よく考えれば,私が今いるところは,
S大の本部があるところではないか。
と,言うことで,
出てくる出てくる。

本日の午後は,明日前期試験だというのに
ノコノコとS大の図書館へ出向く。
普段だったら「そんなところへどうしていくのだ」と,言われちゃいそうだが,
今はみんな,この個人研究にかかっているので,何も言われない。

文献ゲット。

J大理科教育の「理科教育研究誌」の第2号を見たら,
S大のM先生(OB1989)の研究を発見。
なんとアブストラクトが英語だった。すごいなぁ~。

明日前期試験だそうで,
明らかに受験生という感じの親子連れが下見をしていた。
しかし,今は親が受検についてくるんですね。
すごい世の中になったものだ。

今年度初めての授業参観

2010-11-21 | 理科教育
今年度初めての授業参観する機会がありました。
本県最南端に位置する中学校での理科授業です。

とってもすてきなのは,この地域の理科の委員会メンバーが,
みな『学び合い』を理解していた上での授業だったことです。
それでも今回見た授業は,
遠慮がちにやっていたこともあり
従来の授業との折衷型になってはいました。

授業での子どもはすばらしい,
子どもとの関係性の中で真理を追究していくその姿がすばらしい。
課題は,とっても難しい,しかし,それをいとも簡単に見抜き,説明にはいりました。

そこに待っていたのが,素朴概念でした。
従来豆電球が光るのは,単に電子がフィラメントを通過することで起こっています。
さらに,なぜ通過すれば光るのかを説明できる教師はいないでしょう。
小学校では,このとき電流が+極と-極から出てぶつかり合うことで光る,とか,
電流がエネルギーによって使われるので光る,とか,
様々な議論を踏まえて電流の無機を測定したり,電流の大きさを測定することで,
この概念を払拭しようとします。
実際,このときはこれで理解された状態になるのですが,
中学1年生でこの概念が,払拭された状態になっているのかを確かめると,
さにあらずかなりの人数の子どもは,元の概念に戻っているのです。
だからこそ,素朴概念は強固なのです。

中学では,この部分を2年の電流単元で行います。
小学校同様な手続きで,素朴概念を打破しようとします。
実際テストをするとなくなったように思われますが,
実際はなくなっておりません。
時に,この素朴概念が顔をのぞかせます。
中学校の理科では,顔をのぞかせる機械はほとんどありませんが・・・・

さて,公開された授業は,イオンの単元です。
電解質の水溶液では,電流が流れて豆電球が光り,
非電解質の水溶液では,電流は流れません。
では,この光る仕組みを考えるそんな授業でした。

課題に『豆電球が光る仕組みを・・・』とかかれていました。
子どもは,電解質の水溶液中での電極付近のイオンと電子の交換は完璧に説明をしました。
また,電子が流れることもきちんと説明しました。
しかし,豆電球が光る仕組みになると,電流ぶつかり説が頭を出し始めました。
すごいことです。
新しい知識と素朴概念の有効をはかるために,
この子らは,新教育課程で抜けた部分となっている,金属柱の自由電子を本から持ってきたことで,
イオンから発生し移動している電子とこの自由電子を一緒の物と考えず,別物と考えました。
そして,この電子と自由電子がぶつかり説や
自由電子を電流の正体とかいていることから,電流と電子のぶつかり説が
すごい勢いで伝搬しました。

結果,課題を達成した上で,光る仕組みは素朴概念で説明しようとしました。

この授業の子どもの思考のすごさです。

時事には,このぶつかり切に異を唱える子どもが出てきたことで,
素朴概念説は身を引いたそうです。
素朴概念説を唱える子どものうち多少の子どもは,この出来事で打破されたことでしょう。

この授業から示唆されることは,
このような子ども自身の解決することによって,
素朴概念が公の場に披露され,それを子ども自身が打ち崩すことができたのです。
そして,大部分の授業では,このようなことが起こらず,うわべの知識で通り過ぎていくわけです。
いや,私も昨年この部分をやりましたが,
素朴概念を持ちだしたのは,私でした。
子どもからはこういうことは出てきませんでした。出てこないような課題設定だったのです。

見事な授業でした。

力のはたらき(1年第1時)

2009-10-24 | 理科教育
M先生のブログに「力のはたらき」がのっていました。
私も先週ここをやりました,私の目標設定を紹介します。

力がはたらいている物体の様子から,はたらいている力を3つに分け,教室内で物体にはたらく力を説明できる。

です。
この目標提示後,
手がボールを支える(持ち上げる)図を板書し,
力を文章で表す方法を説明(計3分)しました。
その後,教室内ではたらいている力を物体に着目し見つけていきました。
何が何にはたらく力
というフレーズもしっかり使ってくれていますし,
3つの現象は教えたわけではありませんが,
教科書から3つの現象の言葉を持ってきて
物体にはたらく力を振り分けてもいました。
とてもすんなりいったつもりです。

次時は,
接してはたらく力と離れてはたらく力をみつけるというねらいの元,
第1時で見つけた力は,
接してはたらく力であることを確認しながら,
重力や磁力について考えることがねらいです。

離れてはたらく力の例として磁石と重力が教科書で書かれていますが,
資料集から探した子は,
静電気による電気の力を取り上げ,
ストローによって蛇口から出る水が曲がることを確かめる実験をしたり,
その実験を見ていた子が、
下敷きを頭にやれば髪の毛が逆立つじゃん,
ということを想起する会話をしたりしていました。

ここで大切なことは,
第1時での学習内容である,
見えない力を物体の3つの現象を当てはめることで
この離れてはたらく力も第1時で取り上げた接してはたらく力と同様に力であると考えてよいことを理解することだと思います。

子どもは離れてはたらく力でも,
必ず3つの現象に当てはめて考えていました。
つまり,第1時がきちんと定着していると考えてよいと評価しました。

ちなみに静電気によって蛇口から出た水が変化した現象を
子どもは3つの現象のどれに当てはめたでしょうか?
答えは,内緒です。
想像して下さい。

記録タイマーに変わるもの 2

2009-04-23 | 理科教育
かれこれもう15年ほど前になるか
大阪にある教育センターへ派遣されてITの講習会に参加したことがある。
そこで触ったパソコンソフトに
斜面を下る台車をビデオに撮り,それをパソコンに取り込み,
ちょうどストロボ発光装置を使った連続写真のようなものが,
パソコン画面上に描かれ,
マウスで台車の同一部分をクリックしていくと
連続写真の横にあるグラフに
座標としてドットが出てくるというものであった。
なかなかおもしろかったが,
まだビデオがアナログであり,パソコンに取り込むのが大変であったり,
解像度が悪く,台車の同一部分をクリックしたつもりだが,誤差が大きかったり,
勝手にグラフができたので,
そのグラフの意味が理解できないだろうなと感じたりした。

最近は,ビデオの解像度も上がり,同様なソフトはきっとあると思う。
しかし,もっと簡単な方法は,テレビ画面に透明なシートを貼って
台車の一部分をマークしたシートから,移動距離を出すという方法。
これは子どもたちは結構簡単に一定時間における移動距離を導いていた。
パソコンを無理に使わなくても結果が出るので,
いろいろなところで紹介されている。
たとえば
http://kjd.edu-ctr.pref.kanagawa.jp/it2007/H19itkatuyou05-06.pdf

パソコンを使った計測システムで,計測自体をパソコンにやらせ
グラフ化までしてしまうシステムも実用化されている。
たとえば
http://www.mars.dti.ne.jp/~stamio/motion.pdf

いろいろある中で,記録タイマーに変わる手軽なものは,
ビデオでとり,テレビ画面にシートを貼るタイプだろうな。
これと手一人がテレビ画面を占有している時間を考えると,
10班あれば,大変な数のテレビ画面が必要だ。
今のように液晶になっていれば,強く押しつけて書くことができないし。
ガラスを液晶の前に置くなど手間がいるな-。

こういうことを考えると,単純な記録タイマーは素晴らしいな。