12月26日中国新聞 天風録 冬が来たより
すっぽり寒気に覆われた日本列島。きのう広島市中心部の気温は4・5度までしか上がらなかった。雪がちらつき、平和記念公園の池にはうっすら氷が張った。中国山地からは大雪の便りも。凛(りん)とした空気に、思わず体をすくめた方もおられよう
「きっぱりと冬が来た/八つ手の白い花も消え/公孫樹(いちょう)の木も箒(ほうき)になった」。高村光太郎の詩が浮かんでくる。「冬の詩人」と呼ばれる光太郎。冬をテーマにした作品を数多く書き残している
続く一節に冬の厳しさをなぞらえた言葉がある。「きりきりともみ込むような」「草木に背かれ、虫類に逃げられる」「刃物のような」…。マイナスのイメージを思い付く限り並べ立てているようにも見える
この一年を振り返る恒例の十大ニュースが本紙に載った。国内では「中国漁船衝突」がトップ。次いで「民主の参院選大敗」「証拠改ざんで検察の威信失墜」の順だった。希望とか信頼といった言葉はすっかり色あせ、枯れ果ててしまった感がある。こちらもいてついた冬景色に違いない
「冬よ、冬よ/躍れ、叫べ、僕の手を握れ」。光太郎の別の詩にある。ひるまず向き合い、生き抜く糧にしてやろう。したたかな心意気には脱帽だ。そういえば、冬来たりなば春遠からじ、という言葉もある。
以上
公園の冬
綺麗だった紅葉も!
すっぽり寒気に覆われた日本列島。きのう広島市中心部の気温は4・5度までしか上がらなかった。雪がちらつき、平和記念公園の池にはうっすら氷が張った。中国山地からは大雪の便りも。凛(りん)とした空気に、思わず体をすくめた方もおられよう
「きっぱりと冬が来た/八つ手の白い花も消え/公孫樹(いちょう)の木も箒(ほうき)になった」。高村光太郎の詩が浮かんでくる。「冬の詩人」と呼ばれる光太郎。冬をテーマにした作品を数多く書き残している
続く一節に冬の厳しさをなぞらえた言葉がある。「きりきりともみ込むような」「草木に背かれ、虫類に逃げられる」「刃物のような」…。マイナスのイメージを思い付く限り並べ立てているようにも見える
この一年を振り返る恒例の十大ニュースが本紙に載った。国内では「中国漁船衝突」がトップ。次いで「民主の参院選大敗」「証拠改ざんで検察の威信失墜」の順だった。希望とか信頼といった言葉はすっかり色あせ、枯れ果ててしまった感がある。こちらもいてついた冬景色に違いない
「冬よ、冬よ/躍れ、叫べ、僕の手を握れ」。光太郎の別の詩にある。ひるまず向き合い、生き抜く糧にしてやろう。したたかな心意気には脱帽だ。そういえば、冬来たりなば春遠からじ、という言葉もある。
以上
公園の冬
綺麗だった紅葉も!