
今日は朝から、世界遺産アユタヤ観光に出かけるとのこと。朝6時にホテルを出て、チャオプラヤー河を渡り、対岸にある船着場でピックアップしてもらうとのこと。日本でネット予約したとのことで、予定時刻を10分過ぎても現れない。
タイ時間か?と思って不安になっていたら、船着場の前のホテルに車が待っていたようで、この辺の行き違いは怖い。何しろ現地のピックアップの人との連絡方法がないのだから。
ウェンディーツアーという会社の日本語ツアーで、参加者は私達の他に神奈川県から来たという2人の若い女性とやはり神奈川から来たという若い男性が一緒に回ることになった。ピックアップの車から市内のホテルの前に停っていたツアー会社のハイエースに乗り換え、ツアーがスタートした。
Mr.ユッタナーという日本語が堪能なガイドが今日の日程について説明してくれた。バンコクからアユタヤまでは約80kmの道のりだが、まずはじめに途中にあるタイ王室の夏用宮殿であるバンパイン宮殿を見学するとのこと。
それから4つの寺院をめぐり、昼食は途中のホテルで食べ、エレファント村に立ち寄り象に乗る体験も含まれるとかで、バンコク帰着は15時半の予定だそうだ。
高速道路を淡々と走るが、対向車線はものすごい渋滞。聞けば、バンコクに通勤する車と、子供を学校に送る親の車で毎日渋滞するとか。
約1時間半高速道路を走ってバンパイン宮殿に到着した。今でも王室ファミリーが避暑にやってくるとかで、軍人が警備に当たっている。そして、入口では厳しい服装チェックが行われており、半ズボンや袖なし、サンダル履きは、用意された服に着替えないと入れてもらえないらしい。
しかし、軍人といっても観光客には丁寧な物腰で、オイコラでは決してないが、一人一人厳しくチェックされる。
中は、宮殿らしく緑豊かで、目を見張るような豪華な建物が立ち並んでいる。中に入って見学できる建物とそうでない建物がある。歴史的な建造物は大体入れるようだが、現在でも使用している建物は外から見るだけ。
まあ、日本でも那須や葉山に御用邸というのがあるが、敷地内に一般人を入れることは有り得ないので、タイ王室は大らかだなと思う。
これは、ロシア皇帝が贈ったという天文台で、星空を眺めていたらしい。上まで登れるので登ってみたがすこぶる眺めは良かった。さぞかし星空も綺麗なんだろう。
天文台の上からの眺め。
これは、中国の皇帝が贈った中国式建物。
周りの運河には魚もいるようで、時々魚影が見える。なんと、1mを超すオオトカゲまで住んでいるようだ。
宮殿を1時間ほど見学し、次はいよいよアユタヤ遺跡の見学である。アユタヤはタイの古代王国で1350年から約400年続いた。日本では室町~江戸時代だ。日本ではシャムと言っていた。
シャムというと、山田長政が有名だが、彼らの多くはクリスチャンとなり、鎖国してキリスト教を禁じた日本には戻れなくなったと聞いている。
そして、そのアユタヤ王国も隣国ビルマとの戦争に明け暮れ、1767年に陥落して徹底的に破壊されたのだそうだ。今残るのは、その遺跡というわけだ。
まず、ワット・ローカヤースッター寺院に向かう。ワットというのは、日本語の「~寺」に当たる語で、カンボジアのアンコール・ワットのワットと同じとか。
この寺院の見所は、涅槃仏である。今は野ざらしであるが、陥落前はお堂に収められていた。そのお堂は木造だったため燃え落ちたとのこと。
涅槃は究極の安楽(悟り)を表す姿勢とかで、英語ではリクライニング・ブッダである。このリクライニングという語感は日本人にはちょっと抵抗が有る。
寺院には売店やトイレもあるが、タイのトイレには紙がない。横にある桶から水をすくって手で洗うらしい。さすがにこれは試せなかった。というわけで、トイレはホテルで済ませるしかない。女房や娘もトイレに行きたいとは言わなかった。男性用はそれほど変わらないが、やたら高い位置にあって小さい。
清潔ではあるが、やはりトイレは日本のウォッシュレットに限る。タイでは、高級レストランやホテルでもウォッシュレットは見かけなかった。
次に訪れたのは、ワット・プラ・シー・サンペット寺院で、ここは三大仏塔が有名だ。
王様の遺骨が納められているそうだが、ここは王室の守護寺院で言ってみれば伊勢神宮だ。
崩れ落ちた煉瓦の間を歩きながら、広島の原爆ドームを思った。戦争という愚かさを記憶するために世界遺産に選ばれたのだろうか。
世界遺産を表す碑
タイ語と英語と日本語の注意書き。どうして中国語とかスペイン語はないんだ?
廃墟といえども、仏教徒にとっては、今でもお参りの対象となっているようだ。
陥落以前の様子を復元した模型。
次に見学したのはワット・マハータート寺院。ここで有名なのは、木の根に取り込まれてしまった仏像の頭部。
ビルマ軍によって破壊されて地面に落ちた仏頭が、木の根によって正立しているのが奇跡的だ。写真撮影は許されるが、人が一緒に写る時には、仏頭より頭を高くしてはならないという。つまり、しゃがんだ格好でなら記念撮影ができる。
この仏頭も何百年経てばあのようになるのだろうか?
すべて首が落ちているのは、ビルマ軍によるのではなく、燃え落ちた梁などが当たったためという。
もう一つワット・ヤイ・チャイ・モンコーン寺院も見学したが、こちらは現在も使われているお寺で、境内には修行僧の宿舎とかもあった。
お参りする人もたくさんいた。面白かったのは、ドラえもんが祀られていたこと。
安産か子どものためにお参りに来た人が置いたのだろうという説明だった。タイ人はホントに心が広い。
修行僧には少年もいたが、女性は絶対に僧侶と体が触れてはならないとのことで、タイでは歩く時にも僧侶には近づかないよう注意しなくてはならない。
アユタヤのもうひとつの楽しみは、象との触れ合いができるエレファント・キャンプという場所らしい。ここに行くと、象に乗ったり象と記念撮影したりできる。記念撮影は1回100B(約300円)
私も乗ってみたが、意外にスピードは速く、なかなか実用的な乗り物だと思った。タイでは、王様は象に乗って移動していたそうだ。オスは荒々しく難しいので、人を乗せるのはメスとのこと。
このツアーでは、昼食をホテルのレストランで食べ、飲み物として車中で水が1本無料で配られた。タイでは飲料水はすべてミネラルウォーターだ。予定通り15時半にはバンコクに戻り、解散した。
料金は9時間で一人1600Bだったが、約5000円といったところか。タイに行かれるなら、お薦めだ。
ビュッフェ形式の昼食。観光客向けのためか、タイ料理といっても食べやすいものが多かった。太巻きもあったのには驚いた。
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