FZXな日々

YAMAHA FZX750を 旅の友として 気ままなツーリングの記録

九州ツーリング2日目 ~やまなみハイウェイ

2024年05月31日 | Weblog

九州2日目、朝起きると寒い。食堂に行くと暖房が入っていた。気温は1度だという。岩手なら不思議ではないが、ここは九州である。聞くと、標高が1000mと高いので、5月でも暖房は入れるとのこと。この辺りはスキー場としても知られているらしい。

天気は雲一つない快晴。朝食を食べ、出発。ホテルのある九重町(ここのえまち)は、地熱発電で有名らしい。岩手県も八幡平は地熱発電が有名である。昨日見えていた湯煙は温泉のものではなく、八丁原地熱発電所のものだったようだ。

近くに九重”夢”大吊橋という名所があるというので、行ってみることにした。川からの高さが日本一らしい。朝早かったが、もう観光客が何人も来ていた。

和泉ナンバーのバイクが停まっていたので話しかけると、大阪からフェリーで来たそうだ。

雌滝

震動の滝

時間も限られているので、九酔渓谷の絶景を観光し、やまなみハイウェイに向かうことにした。やまなみハイウェイというのは県道11号をいうようだが、阿蘇の山域は広いので、ここだけは見ておこうというポイントを事前に調べておいた。それは次のような場所だ。

長者原~大観峰~ラピュタの道~阿蘇パノラマライン~草千里~阿蘇山の火口
阿蘇の一本道~箱石峠~白川水源~ケニーロード南阿蘇展望台

まず、長者原(ちょうじゃばる)を目指していこう。沖縄や九州は原とかいて「ばる」と読む地名が多い。地名で難しいのは九重も町の名は「ここのえ」だが、山の名前は九重山(くじゅうさん)と読むことだ。久住山(くじゅうさん)という山もあり、紛らわしいためか国立公園名は「阿蘇くじゅう国立公園」とひらがなになっている。

道路は細い道路も多く入り組んでいるが、交差点には「やまなみハイウェイ→」とか「県道11号→」という案内標識があり、親切でさすがバイクの聖地だけのことはあると思った。

もし標識がなかったら、地図だけでは迷いそうだ。今回スマホアプリの「Yahooカーナビ」を使ったが、もう今のツーリングにはスマホは欠かせないツールである。

ただ、電波状態が良くない場所もあるせいか、表示が切り替わるのが遅れることもあった。例えば右折しても、すぐには反応せず自車を表す矢印は直進している。これが交差点が連続するような複雑な地点では「右折です」というアナウンスが流れるので、今右折したのに、また右折か?と勘違いしてしまうことがあった。

長者原は写真では何度も見た景色だったが、青空の元に広がる山々の景色は美しかった。地名の看板の前ではバイクの集団が記念撮影中であり、順番待ちも煩わしいので、少し離れたところで定番の写真を撮った。

伐採されたからなのか、もともとこういう状態だったのかはわからないが、大きな木がなくどこまでも見渡せる景色は、霧ケ峰のビーナスラインを彷彿とさせた。そうか、ビーナスラインも言ってみれば「山並みハイウェイ」だ。違うのは、ビーナスラインはアップダウンとカーブの連続であるが、やまなみハイウェイは平坦な箇所が多いことだ。

遠くには荒々しいスガモリ越のピークも見えている。この辺りは三俣山や星生山の登山口になっており、登山者にとっても聖地にちがいない。三俣山の向こう側は「坊ガツル賛歌」で有名な坊ガツルだ。

「人みな花に酔う時も 残雪恋し 山に入り 涙を流す山男 雪解(ゆきげ)の水に 春を知る」

この歌を聴くと、芹洋子さんの顔が浮かび、四季の歌を思い出す。

長者原ビジターセンター

タデ原湿原

ビジターセンターでこの地域のことを少し勉強してから、カーナビに「大観峰」と入力した。今回のツーリングでは大観峰を走ることができたら思い残すことはないと思っていた。

長者原から大観峰へはやまなみハイウェイの最高地点(1333m)である牧ノ戸峠を越える。結構急なワインディングロードの連続で、阿蘇の絶景を楽しむゆとりはない。峠を下ると、やがて阿蘇スカイラインに分岐する。阿蘇スカイラインは、ミルクロードという名の通り牧場と草原が続いている。阿蘇赤毛牛なのか、茶色い牛たちがのんびりと草を食んでいた。ここは阿蘇の外輪山の上だ。

阿蘇遠景

大観峰入口という標識を入っていくと駐車場とレストハウスのような建物があった。バイクを停め、レストハウスでソフトクリームを注文する。GWの次の週だったが、平日にしてはバイクも観光客も多かった。観光客は韓国からのツアー客だったのか、周りの人々はすべて韓国語を話していた。

展望台までは少し歩いたが、阿蘇五岳が眼前に広がった。釈迦の涅槃像に例えられる絶景、この景色が見たかったんだ、と何度も心の中で呟いた。

阿蘇山のカルデラには4万人が生活しているという。その規模の大きさ(広さ)に驚くとともに、もし大噴火したらどこへ逃げるのだろうと気になった。

ラピュタの道と箱石峠は今回はパスして、火山博物館を目指した。阿蘇市内を横切るのだが、ちょうど昼時だったせいもあり、道路は混んでいた。赤牛丼を食べてみたいとも思ったが、店を探すのもおっくうだし、何よりバイクを降りて店に並ぶのは時間の無駄のような気がして、あきらめた。

ここまで福岡から200㎞走ってきたが、そろそろガソリンも気になる。メーターを見ると燃料計は真ん中を示している。山に登るので給油しておこうとGSに立ち寄ったら、ちょうど8リットル入った。リッター30㎞走ると聞いていたが、燃費は25㎞/Lだ。昨日の高速走行と今日の山岳路ではこんなものか。でもタンクは17L入るはずなので、9L残ということはまだ200㎞走れるということだ。FZXとの差はあまりにも大きい。

火山博物館に向かう途中に展望台のある駐車場があったので、そこにバイクを停めると草千里が一望できた。馬にまたがっている人も見える。時計を見ると12時半である。お腹もすいてきたので下りていくと、火山博物館やレストランが並んでいた。駐車場には長い列ができている。

横をすり抜けていくと係員が二輪駐車場に案内してくれた。山の上の駐車場と共通で200円だという。ここで昼食にしよう。レストランは昼時とあってすごい混雑。見ると発券機で注文し、自分の番号が表示されたら取りに行くシステム。各国語に対応しており、さすが。

ご飯とみそ汁は無料!太っ腹。あか牛丼2700円、ステーキ定食2600円。注文の様子を見ていると、ほとんどの人がステーキか牛丼。焼くのに手間がかかるのか相当な待ち人数。いちばん早くできそうなメニューはと見ると馬刺しがある。これは切るだけだから早いのではと思い注文。

予想が当たり、20人くらい飛ばして私の番号が表示された。ご飯とみそ汁を追加して席に着くと、隣は中国人らしい女性2人組。番号が表示されるのを待っているのか、食券を目の前に談笑中。しかし、私が食べ終わってもお茶を取りに行っても一向に動かない。システムがわかっているのかなぁと心配になる。なぜなら、私たちの席からは番号表示板が見えないから。

御膳を下げ、チラッと番号表示板を見ると、私のすぐ前の番号がようやく表示され始めていた。かの女性たちも番号表示板を見に来ている。してみると、30分以上は待たされたのだろう。表面的には行列の見えないこのシステム、うまくできてると感心した。

隣接する火山博物館に行くと、1階はビジターセンターで無料だが、2階は博物館で有料だった。ビジターセンターも見て回ったがあまり見るべき展示はない。せっかく阿蘇まで来たのだから見ていくか、と窓口へ。

かなり年季が入った展示物が多いが、一つ一つは内容があり、阿蘇山について詳しく知ることができた。

驚いたのは、地球上の火山の分布図。環太平洋火山帯は理科で勉強して知っていたが、あの広大なアフリカ大陸やユーラシア大陸には数えるほどしか火山がない。

昔ポンペイの人々が地震が頻発しても火山の噴火とは結び付けず避難しなかった、と聞いていたが、確かにイタリア以外に火山はなく、山が噴火するなんて予想もできなかったのだろう。日本の常識は世界の非常識、とはまさにこのことか。

近年、映像が4kだ8kだとデジタル化精細化しているが、こういった展示の映像はアナログ時代のものなので、粗さが目に付く。もうそろそろ一新される時期に来ているのだろう、予算があればの話だが。

中岳の火口縁まで行けるという情報だったので上の駐車場に上っていくと、有料道路は閉鎖されていて立ち入ることはできなかった。噴火警戒レベルが刻々と変化するのだろうか。見た目には噴煙も見えず平穏に見えたのだが。

でも、もう阿蘇山は十分満喫したので、山を降り白川水源を見に行くことにした。

阿蘇の外輪山はちょっと箱根に似ていると思った。ただ、カルデラ底に当たる部分の広さが箱根とは比べ物にならない広さである。

富士山の周りにも多くの水源があるが、やはり火山の溶岩層でろ過されると水も研ぎ澄まされるのだろう。透明に澄んだ水がこんこんと湧き出ていた。

目的地に入れていた場所の最後はケニーロード南阿蘇展望台だ。しかしケニーロードというのはナビに入れても出てこないので、地図で確認しグリーンロード南阿蘇に向かう。阿蘇山の南側からの眺望がすばらしいが、グリーンロードは木が生い茂り眺めはいまいちだ。道の駅あそ望の郷くぎのがあったので、そちらに行くことにする。

駐輪場には懐かしい習志野ナンバーや千葉ナンバーのバイクが並んでいた。道の駅の隣にはモン・ベルが。最近山のアイテムやファッションはモン・ベルブランドのものが席巻している。品質の高さが支持されているのだろう。私も登山用具には中華製は避けてモン・ベルを使っている。

朝から阿蘇周辺を一日中ツーリングし、晴天にも恵まれたので、もう思い残すことはないと思い、熊本市内の宿を探した。2食付きで併設の温泉施設も入れるというホテルを見つけ予約する。熊本市内に入ると夕方の帰宅渋滞なのかどこもかしこも車だらけ。見知らぬ土地で事故は決して起こすまいと肝に銘じているので、渋滞の列におとなしく従う。

18時ちょうどにチェックインできた。地下の駐車場にバイクを停め、ホテルピースフルに行くとかなり大きな温泉施設が隣にあり、ホテルとは連絡階段でつながっている。レストランもあり、夕食は夜10時まで注文可能とのことで、メニューも7~8種類から選べた。温泉は24時間利用可能だ。

夕食

朝食

料金も2食付きで7400円とリーズナブルな価格だった。部屋に荷物を置き、入浴着に着替えて温泉に入り、夕食を食べたら長かった今日一日が思い出されて至福の時だった。

本日の走行距離 151㎞(Total 281.8㎞)。


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4 コメント

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Unknown (たかぴい)
2024-06-09 14:19:58
キムさん こんにちは

念願の阿蘇、好天に恵まれてよかったですね。私も行ったことがあるところが随所に出ていて懐かしい気持ちになりました。

ラピュタの道は地震で崩れてそのままになっているようです。

この10年間で阿蘇へは4回、5回?くらい言っています。大観峰の石碑のところでは娘と写真を撮りました。
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Unknown (キム@FZX)
2024-06-09 18:34:40
たかぴいさん、こんにちは。コメントありがとうございました。
もう4,5回も行っておられるんですか。私も帰ってきたばかりなのに、また行きたくなりました。今度はグルメを味わいたいですね。今回は何もありませんでしたから。

ラピュタの道は地震で崩れましたか。私はジブリのアニメをあまり見たことがないので、ラピュタが何かわからず行っても何のこっちゃとなるので行きませんでした。

ツーリングは好天でないとあまり意味がないと今回しみじみ思いました。こんなに青空の下走るのは気持ちがいいんだと。

でも、そうなるとよほど時間というか計画に余裕がないと無理ですね。まあ季節で梅雨と夏を避ければ、そんなに雨の日もないのかもしれませんが、5月か10月ごろがベストシーズンですか。

たかぴいさんの九州旅を見たいと思いましたが、スイフトの佐賀旅しかヒットしませんでした。もう消されたのですか。
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赤牛丼はお勧めです。 (たかぴい)
2024-06-09 22:24:47
キムさん こんばんは
昨年、阿蘇に行ったときは赤牛丼を食べました。これはなかなか美味しかったです。
FZXでも長崎に行きましたが、もう、ブログデータは見つからなかったです(笑)

出張でも九州に行ったことありますし、デジカメがない時代に長男と18きっぷで一周した記憶もあります。

せっかくリクエストを頂きましたので現在見つかったURLを載せておきます(笑) 最後のURLでは重複していますが、最後のところに10年前にトヨタ86で行った阿蘇のことが書かれていました。


九州旅

〇2023.4.9~4.19 アリオン九州薩摩半島佐多岬ツーリング(まとめ)
https://life1964.blog.fc2.com/blog-entry-448.html

〇2022.7.25~7.29  九州旅行 (まとめ)
https://life1964.blog.fc2.com/blog-entry-190.html

〇2019.4.27~5.2 九州佐賀スイフトツーリング
http://hikkoshishimashita.blog.fc2.com/blog-entry-302.html

〇2014.8.11~8.17 トヨタ86九州旅行(最後のくだりが10年前のトヨタ86の九州旅行)
http://hikkoshishimashita.blog.fc2.com/blog-entry-932.html
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Unknown (キム@FZX)
2024-06-11 23:53:14
たかぴいさん、わざわざ探していただきありがとうございました。行く前に読んでおけばよかったのでしょうが、たかぴいさんの楽しみ方をじっくり読ませていただきます。
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