九州ツーリング１日目 ～岩手から九州へ

一昨年（2021年）の夏、念願だった九州ツーリングに出かけたが、あいにくの雨続きでどこも走れないまま戻るという残念な結果となった。

九州ツーリング

いつの日かリベンジを果たしたいと思っていたが、新型コロナウィルスの拡大などであっという間に３年の月日が流れた。コロナも五類移行となり、ようやく以前の生活に戻ったようなので、前回の反省をもとに計画を立ててみた。

まず前回の反省点として天候のことがあげられる。１週間の予報では雨だったのに、フェリーの予約をキャンセルすることをためらったため、そのまま出かけてしまった。また、８月は台風や様々な要因で雨が多いということも考慮できていなかった。そこで、今回は5月の比較的天候が安定している時期を選ぶことにした。

次に、東北から九州までの片道1600㎞、2日の日程は、単なる高速道の走行あるいはフェリーの中で費やすということであり、これを何とか短縮あるいは代替えする手段はないか検討した結果、航空機を利用して九州入りし、現地でレンタルバイクを借りてはどうかという案を考えた。

航空機の利用は仙台～福岡が考えられるが、調べてみると仙台～福岡は最安値が片道2～30,000円くらいだった。これは、前回利用した横須賀～新門司のフェリー料金32,000円に匹敵する。横須賀までの往復にはガソリン代と高速代で30,000円くらいかかるので、3万円前後でレンタルバイクが借りられればそれほど差がないのではないかということが分かった。

毎晩PCと睨めっこして、航空運賃とレンタルバイクの最安値を探した。IBEXという航空会社も初めて知った。この会社はカナダのBOMBARDIER「CRJ」という小型機を使用している。仙台空港に行くと昔のB-727のように後方にエンジンがある機体を見かけたが、あれがそうだった。

福岡空港にはANAやJALも就航しているが、意外にもJALの31,500円という往復運賃が一番安かった。レンタルバイクはホンダ車やヤマハ車、レンタル819やバイク王が利用できるが、その中でバイク王のバリュー価格5日間33,000円が一番安いとわかった。

これらを利用すると、10万円で5日間の九州ツーリングができる。しかも往復に要するのは2日なので3日間は九州を走ることができる。10万円というのは、岩手県から自走していく時の高速道路代やフェリー代、ガソリン代とほぼ同額だ。

航空運賃は日ごとに変わるので、最安値の5月13～17日に決めた。バイクもこの5日間で押さえた。車種で迷ったが、FZXを卒業したら車検の無い250㏄にしようと思っているので、ヤマハのYZF-R25やMT-25かホンダのRebel250やスズキのV-Strom250を考えたが、ショップに行って実際にまたがってみたり、ショップの人の話を聞いてスズキのV-Strom250に決めた。決め手は乗車姿勢が楽なことと、FZXに近いということだ。

前回ホテルを予約しておいたので、キャンセル料を気にして雨の中走る羽目になった。そこで、今回は行き当たりばったりで宿をとることにした。その方が、余裕を持って走れるし、GWやお盆でない限り空き室が一軒もないということはないだろう。

バイクをレンタルにすると、長距離ツーリングに備えてバイクをメンテナンスする必要もないのは楽だった。FZXで普段使っているヘルメットやジャケット、グローブ、シューズを持っていくだけでよい。5日間なら途中のホテルでコインランドリーを使えば着替えも最少で済む。ツーリングバッグにするかショルダーバッグにするか迷ったが、コンパクトさでショルダーバッグにした。

荷物を宅配便で送ろうかとも思ったが、JALは20㎏までなら何個でも良いということなので、持っていくことにした。当日が近くなると天気予報ばかり気になった。初めは曇り一時雨の予報のところが多かったが、晴れの日もぽつぽつ増えてきた。

目的地はやまなみハイウェイだけにしようかとも思ったが、3日もあれば桜島にも行けそうだった。福岡～大分～やまなみハイウェイ～熊本～桜島～長崎～福岡という周遊ルートに決めた。天気によって南に行くか西に行くか変えればよい。最低やまなみハイウェイを走る時だけ晴れていれば良しとしよう。

そして、いよいよ当日がやってきたが、雨男の名に恥じず岩手県は大雨となった。女房に「何か前回と同じ感じだね」と不吉なことを言われたが、明日からは晴れの予報である。風が強いと飛行機が飛ばないこともあるが、雨の場合はその心配はなさそうだ。

土砂降りの中、一路仙台空港に向かった。仙台空港までは約２時間であるが、雨脚は全く弱くならない。チェックインを済ませ搭乗カウンターに向かったが、使用機材の到着が遅れているというアナウンスがあって搭乗時刻が遅れ、結局出発は１時間延びた。

もっと早くアナウンスしてくれればラウンジでくつろげたのに、仙台空港の場合はラウンジが3階にあり、2階の保安検査を通過してしまうともう戻れない。しかたなく朝食代わりに油そばを注文した。これは予想外においしかった。

使用機材はエンブラエル190というブラジル製の機体だったが、それほど狭くもなく快適だったが、2時間のフライト中のサービスはドリンク１杯だった。

福岡へは能登半島から日本海に出て海の上をしばらく飛び、島根あたりから海岸線を飛んで福岡空港を目指した。山陰ツーリングの際に走った境港や角島を空の上から眺めることができた。

境港

角島

福岡空港からタクシーでバイク王に行き、V-Strom250をレンタルしたが、FZXに比べるとハンドルが軽く取り扱いは容易だった。持参したショルダーバッグとスマホホルダーを装着し走り出した。

九州道を大分方面に向かったが、250㏄とはいえV-Strom250は加速もよく、100㎞/h巡行も苦ではなかったが、回転数が6000回転以上と高く手が振動で骨の芯まで震えるという経験を久しぶりにした。

急ぐ旅でもないので、回転を5000回転に抑えると、並列2気筒エンジンは音も静かで非常に滑らかに回転した。5000回転も回しているとは思えないほどの振動の無さで90㎞/h前後をキープした。

さすがに追い越し車線には出られなかったが通行量も少なく、追い抜く必要もなかった。九重ICで下り山道に入ると、天気も快晴で「ああ、来てよかったなぁ」としみじみ思った。

初日は湯布院温泉に泊まろうかと思ったが、ユースホステルを除くとどこも予算オーバーだったので、やまなみハイウェイに近い温泉を探し、筋湯温泉というところにある八丁原ヴューホテルという宿にした。2食付きで8070円という格安だった。

夕食

露天風呂

設備は古びていたが清潔感のあるホテルで、宿泊客は私一人のようで、温泉を満喫し九州ツーリングの第1日は終わった。

本日の走行距離　130.8㎞