FZXな日々

YAMAHA FZX750を 旅の友として 気ままなツーリングの記録

番外編 ~国会前で~

2015年09月18日 | Weblog

ニュースで連日報じられている、安全保障関連法案の反対集会が、国会議事堂前で開かれているというので行ってみた。

常々、諸外国の国民が、事あるごとに「賛成」とか「反対」とか掲げて、何万人も集まっているニュースを目にするたびに、日本国民は消費税にしろ、原発にしろ、「反対!」と口では言いながら行動しないなと思っていた。

しかし、最近数千人には過ぎないけれど、活動的な人々が集まって抗議しているというニュースを見ることが多くなり、私も行動で意思表示をしたいものだと願っていた。

が、私はスマホでツイッターとかフェースブックをやっていないので、「いつ、どこに集まるか」というタイミングがわからなかった。

そんな時、新聞の広告で「9月14日18:30に国会正門前で一斉行動を!」というのを見て、あっ!この日なら参加できそう!という思いがした。

国会議事堂は、我が家から近いということは知っていた。ツーリングでR20号を走ると、必ずそばを通るのだが、電車では行ったことがない。

どうやって行くかということから調べなくてはならなかった。当日、勤務が終わると、最寄りの駅に車を置き、2回ほど乗り換えて、ようやく国会議事堂前駅に到着した。



地上に出ると、警官だらけで「国会正門へは行けませんので、首相官邸方面にお回りください。」と人垣を作っている。たしかに歩道は人で溢れているが、車道はそれほど車は走っていない。

車道を通してくれれば、何のことはないのに無理やり歩道に制限している。仕方ないので、首相官邸方面へ歩き始めた。

各所にスピーカーが設置され、集会の様子はよく聞こえる。しかし、どこにステージが設けられているのかはわからない。また、歩道上には早く来た人々が陣取っており、その前を歩行者は1列になって、何となく前に進んでいった。

国会議事堂の駐車場あたりは広く開けられており、黒塗りの車が慌ただしく出入りしている。
国会へ入る車





右手にはライトアップされた国会議事堂が見え、確かに国会議事堂の近くにいることはわかるのだが、自分がどこにいるのかはわからない。



スピーカーからは、各政党の党首に混じって大江健三郎さんの声も聞こえてきた。音量が大きいのと、皆静かに聴いていて混乱はないので、一語一語がよく聞こえる。





何人かの演説が終わると、若い女性の声で、「皆さん、光り物の準備は良いですか?」と問いかけると、民衆は手に手に持ったコンサート会場でよく見る光る棒を上に掲げる。




そして、女性の掛け声に合わせて「平和憲法を守れ!」とか「安倍内閣はやめろ!」といったシュプレヒコールが続く。

私が学生時代だった1970年前後は、ベトナム戦争反対やら沖縄返還運動やら、70年安保やらで、毎日のように学生は街頭にデモで繰り出した。

私も、時々デモに参加したがシュプレヒコールなんてあれ以来である。民衆に合わせて叫んでいると、熱くなってきた。心も熱いが、体を動かすせいか全身が汗ばむ暑さである。



さらに前へ前へと人の流れに身を任せて歩いていくと、「これ以上は進めません」と警官に静止された。みると、私の前には警官しかおらず、おまけに鉄の柵が並べられ、車道に出られないよう規制している。

しかし、後ろから来る人にどんどん押されるので、苦しくなった人々は鉄柵を乗り越えることにした。数十人が鉄柵を乗り越えて車道に出たあたりで、警官が多数やってきた。私も面白そうなので、車道に出た。

警官は、ものすごい勢いで横一列になり車道に出た人々を歩道に押し戻そうとする。警官と民衆の間で小競り合いが起こった。「これ以上行けないんだから、押すなよ!」「参加者は歩道に戻りなさい!」と互いに譲らず、私も警官と体がぶつかっているので、このまま引っこ抜かれるとヤバイな、とか考えた。

さすがに警官は、押すだけで、警棒で叩いたりとか、公務執行妨害で逮捕するとかいったことはなかった。
民衆の側には、老人や女性もいるので(というかほとんどが老人や女性なので)大声を張り上げることもない。
警察車両の列

車道には警察車両がバリケードを築いている。このバリケードがなかったら、国会議事堂前は何万人という人々で埋め尽くされると思うが、安倍政権の方もテレビカメラが入っているので、国会議事堂前が反対する人々で埋まっているという絵は見せたくないのだろう。

中心の演壇

警官に押されて、報道陣のライトが明るいところに近づくと、何とそこが今日の集会の主催者のいる場所だった。先程から民衆の声をリードしているのは、うら若き女性だった。

私はメーデーの中央集会のようなものを想像していたので、街宣車が陣取り、政党の党首はその車の上で演説しているものだと思っていたが、実際は畳一畳ほどの狭い台の上に数人が乗って話しているだけだった。

その若い女性の力強い声に「すごいなぁ、日本の若者もまだまだ捨てたものじゃないな」と思った。

集会は秩序のあるもので、「私たちは非暴力で反対しています。警察は私たちの行動を邪魔しないように」といった趣旨のことを繰り返し放送し、また、「過剰警備監視団」というのぼりを掲げた国会議員関係者と思しき人たちも多数見られた。

中には、「医療チーム」と書かれたゼッケンをつけた医師・看護師らしき人々も巡回していて、気分の悪くなった人がいれば介抱している。

午後6時半から始まった集会も午後8時には「今日の集会はこれで終わりです」という案内が流れ、地下鉄の駅の方向に人々を誘導し始めた。

私もそろそろ帰ろうかと思ったが、国会議事堂前駅へは到底人ごみで行けそうもなく、霞ヶ関駅を目指すことにした。

車道には、警察車両の他には「天皇陛下はご聖断を」という訳のわからない右翼の街宣車が1台走っていたのと、「福島原発反対」という牛のハリボテを引っ張った不思議な車が1台いただけで、普通の車はほとんどいなかった。

安倍政権は数に物を言わせて強行採決を行い、結局は法案は可決成立するだろうとは思うが、こういった国民の直接行動が少しずつ数を増し、回数が増えていけば、日本の大多数の無関心層の人々も、政治について関心を持ち、投票率が30%台という嘆かわしい現実も少しは改善されるのではと思った。



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2 コメント

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ご苦労様でした (FireStorm)
2015-09-18 16:56:27
キムさん、こんにちは。
集会への参加ご苦労様でした。
地方にいるとメディアを通じた情報しか入手できないので
本当のことはなかなか伝わりません。
この度のキムさんのレポートで現場の雰囲気がよく伝わり
ました。
今の政権は数の力を頼りに、力ずくで法案を通そうという
ことがよくわかります。
一度国会を解散して、国民に判断を委ねるのが一番だとお
思いますが、そのような勇気は持ち合わしていないでしょ
う。
あまり政治の話をしてもご迷惑になるので、この辺で終わ
りにします。
キムさん、ご苦労様でした。
国会議員 (キム@FZX)
2015-09-18 19:21:22
FIRESTORMさん>
コメントありがとうございます。
国会議員は国民が選挙で選んだわけですが、ここにも大きな嘘があると思います。

つまり、現政権側に都合のいい選挙制度によって、国民の意思がきちんとプロポーショナルに(正比例して)反映されないということです。

まぁ、国民は自分にふさわしい政治家しか持てないそうですので、国民の資質を高める地道な努力が必要なのでしょうね。

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