FZXな日々

YAMAHA FZX750を 旅の友として 気ままなツーリングの記録

田沢湖

2023年05月04日 | Weblog

先日、冬期道路通行止めで秋田県に行けなかったので、リベンジに出かけた。R397号以外は通行止めは解除されているはずなので、今回は盛岡からR46号を通るルートを選んだ。

R107号で宮守ICまで行き、釜石道から東北道へ入る。東北道へ合流した直後から、ひどい事故渋滞。渋滞のすり抜けは久しぶりだ、と思いながら10㎞ほど進むと、左の道路わきに追突事故を起こした2台の車両とパトカーが2台止まっていた。

追突した車はボンネットがくの字にひしゃげ、された方も後部座席がつぶれており、走り続けられないほどのひどい損傷。花巻~盛岡区間は最高速度が120㎞なので、追い越し車線の車は150㎞近く出している区間だ。事故が起こると損傷もひどい。まだ連休後半初日じゃないか、楽しい計画もあっただろうにと、追突された方に同情しながら通り過ぎた。

盛岡が近くなると岩手山が正面に見え始める。南部富士ともいわれるが、高けりゃ富士山と呼ぶのはやめてほしい。岩手山は雪を頂いている時期が美しい。

盛岡ICからR46号秋田街道へはいり、雫石町を経由して秋田県を目指す。雫石にある道の駅あねっこは今年の2月に温泉に入りに女房と来たところだ。

あの時はまだ雪が残っていた。あねっこを過ぎると、急な登り坂となり仙岩峠(せんがんとうげ)にさしかかる。秋田県仙北市と岩手県雫石町間の峠だから、仙雫峠でもいいはずだが、読みにくいからか仙岩峠だ。それなら秋岩峠でもいいと思うが、地名というのは難しい。

冬季には難所となるが、峠部分は約2㎞の仙岩トンネルで結ばれている。

仙岩トンネルを抜けると、先日行った焼石連峰が現れる。

この辺は、新緑というより桜がまだ咲いている。一か月ほど季節が逆戻りした感じだ。気温は17℃と表示されていたが、春秋用スーツを着ているせいか、寒い。途中で一枚重ね着をした。

やがて、R46号からわかれ、R341号に入る。R46号は角館へと続く。R341号は田沢湖を経て玉川温泉から鹿角市へと行く道だ。

田沢湖が近くなると、GWらしく多くの観光客が湖畔や土産物屋の近くで散策しているのが目に入ってきた。田沢湖には今まで何度か来ているが、有名な「たつ子像」をまだ見ていないので、今回はそれを見ておこうと思った。案内板には「たつ子像 10㎞」とある。像は湖の反対側にあるようだ。

湖に沿って走る道路を行くと、レンタサイクルなのか自転車に乗っている人が多い。確かに、1周20㎞ほどなら、自転車で走るにはちょうど良い距離である。平坦できちんと舗装されている。

10分ほど走ると、林の中の道から開けた場所に出て一軒の茶屋が現れた。

時刻はちょうど12時で、出発してから3時間半たっており、休憩にはもってこいである。混雑してはいたが、行列ということはない。味噌たんぽといわな炭火焼きを注文すると席に案内された。

席の横では、おじさん2人が手慣れた様子でイワナときりたんぽを焼いている。いつも見るイワナよりずいぶん大きい。田沢湖に生息しているイワナだろうか。

五平餅のように見えたが、まさしくきりたんぽで中身はお米だった。イワナも塩のふりすぎだろうと思ったが、丁度良い塩加減と焼き具合で頭から骨ごと食べられた。

ここからたつ子像まではさらに3㎞ほど走った。十和田湖にも有名な乙女の像があるが、そちらは湖畔を巡る道から奥まったところにあったので、たつ子像も湖畔から離れているかと思ったら、なんと道のすぐ横にあり、ある意味で意外だった。

 

地図を見ると、先程いた春山駐車場はやはり湖のちょうど反対側に位置する。玉川温泉の方に抜けようと思ったので、R341号に戻るには湖をきっちり一周することになった。

湖の浅瀬には魚が無数に泳いでいた。これはさっき食べたイワナだろうか。田沢湖は水深423mという日本で一番深い湖だが、周囲20㎞と小さいせいか、とてもそんなに深いとは思えない。エメラルド色といわれる神秘的な湖水の色は湖畔からも感じられた。

天気が良かったので、走っていると右手に見える湖岸の景色は刻一刻と変化して美しかった。ところどころにちょっと車を止められる展望所が設けられているのもよかった。対岸には駒ケ岳がそびえていた。

R341号に戻り、玉川温泉を目指すと、玉川に沿って秋扇湖、宝仙湖とダム湖が続く。こちらもダムの湖水の色が濃いエメラルド色をしていてすばらしい。

まだ桜が満開で思わぬ花見が楽しめた。

玉川温泉までは約1時間だったが、気分良く走れる道が続き、すれ違うバイクの数も半端ない。玉川温泉を過ぎると、登りになり、ところどころ雪が現れてきた。

火山ガスにより自動車・バイクは駐停車禁止という看板が立っていた。硫黄っぽい臭いは草津ほどではないが感じられる。

峠が近づくと一面雪景色になってきたので、ちょっと写真でも撮っておこうかと路肩に寄ってブレーキを踏んだその時だった。

落ち葉でスリップしたのか、バランスを崩し見事に転倒してしまった。右側を下にして転び、ライダースーツが地面に擦れるのが分かった。幸いプロテクターに守られ、けがはしなかったが、あやうく側溝に落ちかけた。

あわてて立ち上がり、何とか側溝に落ちないようにと引っ張るが、ステップを軸にして後ろを引っ張ると前が落ちそうになり、前を引っ張ると後ろが下がってヤバい。

一人ですったもんだしていると、通りかかった同年配の男性が手伝ってくれた。おかげで側溝には落ちなかったが、持ち上げられない。すると、もう一台4,50代の男性が通りかかり、手を貸してくれた。3人がかりでどうにか起こしサイドスタンドを立てることができた。

「けがはないですか」と聞かれたが、動転しているので「大丈夫です」と答えるのが精いっぱいだった。心から礼を言い、二人が立ち去ると、愛車を点検した。

右のバックミラーは曲がっていたが折れてはいなかった。フロントサスとリアブレーキペダルに削り傷がついていたが、エンジンガードが倒れた時のショックを支えてくれたようだ。エンジンをかけてみると、異状なくかかったので胸をなでおろした。

こんな山の中でロードサービスを呼んでも、GW中なのでいつ来てくれるかもわからない。携帯も圏外だったかもしれない。

神に守られたことを感謝して走り出したが、転倒したことよりも一人で起こせなかったことがショックだった。平らなところなら起こせたかもしれないが、坂道でしかも路肩に向かって傾斜しているところでは、全く起こせなかった。大型バイクに乗るには体力の限界かもしれないなぁ、とつくづく思った。

春になってツーリングを始めたばかりなので、まだ感覚が戻っていない。道路の傾斜や、路面状態を確認するのを怠ったせいだろう。安易に写真を撮るのが怖くなった。

少し行くとアスピーテラインの秋田側の始点に到着した。

秋田側を登っていくと、ただの峠道のような感じがした。雪も少ないし、景観もそれほど良いわけではない。

少しずつ雪の量が増えてきたかな、と思ったら、いきなり眺望が開け県境に出た。

これぞアスピーテラインの絶景である。しかし、期待した雪の壁は今年はできていなかった。例年より少ないと聞いてはいたが、拍子抜けするほどである。

時計を見ると15時になっていたので、真っすぐ下り、高速に乗ることにした。家までは3時間の距離である。

ガソリンがなかったので、岩手山SAで給油した。ここから見る岩手山は、おかしいほど富士山に似ており、南部富士も仕方ないか、と思った。ヘルメットを着用しようとしたら、傷を発見した。

転倒した時には興奮していて感じなかったが、どうも胸を打ったようで、あばら骨が痛い。呼吸をするのも吸う時に痛みを感じるほどである。高速道路がつらくなったので、盛岡南ICで降り、R396号を通って下道をゆっくり帰ることにした。

家には19時に着いたが、家で確認すると、ライダースーツは肩のあたりがひどく破れていた。

体には青あざはなかったので、厚着をしていたのが幸いしたようだ。無事に帰宅できて本当によかった。

本日の走行距離 449㎞。平均燃費 22.4㎞


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5 コメント

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大変でしたね (たかぴい)
2023-05-05 13:27:24
キムさん こんにちは
今日はGWですが、家族で自宅ステイです。

とにかく転倒して、バイクはともかく大ダメージがなくてよかったです。フルフェイスヘルメットは必須ですね。ライダースーツがなんとか守ってくれたようですが、その擦れ具合だと結構衝撃が大きかったのではないでしょうか。先日、尾道道で死亡事故の報道がありましたが、アメリカンバイクだったので半キャップではなかったのでしょうか?

大型バイクは体力の限界と書かれておりましたが、先日、箱根峠で会ったご年配の方もCB1300はもう体力的に無理ということで、GB350に乗り換えたということでした。車検とか考えたら、新しいホンダのCL250なんかもいいかと思います。

私の乗っている600㏄は比較的軽いのですが、それでも転倒すると起こすのが大変です。時々わざと押し歩きして「こんなに重いものに乗っているんだから、調子に乗って飛ばしても、転んだらどういうことになるのか、大変なのがわかるよね」と自分に言い聞かせています。

今回のブログの内容は、昔、スイフトターボで来たルートとほぼ同じで懐かしく思いました。たつこ像もいきなりあるので驚きますね。

もし乗り換えられるのであれば、ABS付きは必須です。私は2回くらい、おじいさんの飛び出しで止まることができました。
でも・・・ (たかぴい)
2023-05-05 13:48:51
私も一度車検のない250㏄(Dトラッカー)に乗り換えて2年くらい我慢したことが
あります。でも、いざというときに車をぶっちぎれないのはかなりのストレスに感じ
ました。いやがらせを受けても、その場から逃げられないのです。

あれこれ考えて、FZX750を買ってしまいました。やっぱり大型はいいな・・・なんて
思ったので、大型から中型への乗り換えは非常に難しいです。高速道路を長距離走る
ときに大型の恩恵は計り知れないです。安定度、加速度、ブレーキング、どれを取って
も中型バイクを凌いでいます。

600㏄という排気量はバランスがよく、合理的なヨーロッパ人に受けているのもわかり
ます。
大きな怪我が無くて何よりでした。 (FIreStorm)
2023-05-05 23:53:28
キムさん、こんばんは。
この度の転倒について大きな怪我が無くて何より
でした。
バイクが傷つくのは走っている以上仕方がないことです。
これも長距離を走ってきた勲章だと思っています。
ヘルメットはタッチアップペイントで補修するとして、
ジャケットはメーカーに修理に出すことをお勧めします。
最近のものはメーカーが修理を受け付けていて、新品同様
とまではいきませんが、上手に修理を行ってくれます。
いちど検討されてはいかがでしようか。

私もたかぴいさんの考え方と同じで、普通二輪車はそれこ
そ四輪を卒業してからと思っています。年齢的には75歳位で
すかね。
その時は軽いホンダCRFに乗って、最後はカブ110と思いま
す。
Unknown (キム@FZX)
2023-05-06 17:44:24
たかぴいさん>
コメントありがとうございました。今回のアクシデントは、今までの立ちごけとは違って停止する前だったため、焦りました。

FZXのタフさには驚きです。傷はついたもののどこも壊れてはいませんでした。ツーリング先で事故って動けなくなったことを考えると、ゾッとします。

>高速道路を長距離走るときに大型の恩恵は計り知れないです。安定度、加速度、ブレーキング、どれを取っても中型バイクを凌いでいます。
真剣に次車種をご教示くださり、参考になります。私も、そろそろ大型二輪卒業かな、と思いましたが、あまりにも750㏄に慣れすぎたため、物足りなさを感じることは想像に難くありません。

車検のない250㏄も魅力ですが、結局無理をしなければFZXのままでいいんじゃね、と思ってしまいます。

何より、乗り続けてもどうせあと5年もしたら自動二輪(小型二輪はあり得ますが)そのものに乗らなくなるのでは、とも思えるからです。

これからは、筋力や足腰のトレーニングにも励もうかと思います。
Unknown (キム@FZX)
2023-05-06 18:19:04
FireStormさん>
コメントありがとうございました。ジャケットのほころびには私自身ビックリしました。気に入っていたし、春~秋用ということで、これから何を着ようかと思案していました。

メーカーで修理してくれるかも、というのは全く頭に浮かびませんでした。さっそく問い合わせてみます。

ホンダCRFですか。私自身オフロードはやったことがないので、カワサキエストレヤか、ホンダのレブル250のようなアメリカン的なものになら乗れるかな、と思います。

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