一昨年の今頃五葉山に登った。岩手ではだいたい5月末から6月に山開きが行われ、登山シーズンが訪れる。運動不足を感じるこの頃、機会があれば登山でもして体を動かしたいと思っているが、なかなかきっかけがない。
先日、近くにある今出山を眺めていたら、山が萌えていた。
ヤマツツジが満開になると、山頂付近が真っ赤に色づくのだ。ツツジを見るために登るのもいいな、と考えて晴れた5月のある日、一人で出かけた。
登山口から往復5㎞、2時間ちょっとあれば行ってこられるハイキング程度の山だ。
久しぶりの登山だったので、最初の30分はきつかったが、徐々に体が慣れてきて、山頂に着くころには一歩一歩が楽しくなった。山全体を覆うヤマツツジは見事である。
もう少しで山頂というところで、大きな蛇に出くわした。アオダイショウのようだが、恐る恐る近づいてみると、死んでいた。私は蛇が大の苦手なので、もし生きていてこちらに近づいてきたらどうしようと思ったが、胸をなでおろした。
歩いている人は少なく、山頂付近までいく車に3台出会った。山菜目当てなのだろうか、それともツツジを見るために登ったのだろうか。こんな素敵なハイキング道を車で登るなんてもったいないと思った。
沿道にはワラビがいっぱい生えているが、今年は暖かくなるのが早かったせいか、伸びきっていて食べ頃はとっくに過ぎていた。春霞のため大船渡湾は霞んでいた。
それから、10日ほどして五葉山にも登ってみた。
出発はいつもの赤坂峠である。10台ほどの車が停まっていた。
やや散りかけてはいたが、まだヤマツツジは満開だった。755mの今出山と違って五葉山は1351mといちおう1000m以上あるので、登りは長く感じられた。しかし、途中に畳石や賽の河原といった休憩所や眺望の良いところがあるので、適宜休憩を取りながらもう少し、もう少しと自分を励まし頂上を目指した。
シャクナゲはまだ咲いていなかったが、ツツジも一種類ではなく濃い紫色のツツジも見られた。帰宅して調べると「ミヤマツツジ」というのと「ミツバツツジ」というのがあり、どちらも濃い紫色だ。両者の違いはおしべが10本か5本かだという。知っていれば、もう少し詳しく観察したのに、と悔やまれた。
ダケカンバの林もあった。山頂付近はハイマツだったので、標高が低いのに植相は豊かだなぁと感心した。
山頂には昼頃着いた。天気が良かったので、遥かかなたには岩手山も見える。
よく見ると、何か但し書きがある。
前回登った時にはなかったのに。東日本大震災で90㎝低くなったということか。最高点は日の出岩だというと、山頂であっても山頂ではないのか。
YAMAPの地図を見ると、確かに五葉山の登山ルートは日の出岩まで続いている。これは行くしかないかと思い、さらに10分ほど進む。
たしかに、山頂より高そうだ。巨岩がいくつか折り重なっており、これを登るということか。
途中まで登ってみたが、岩にはなんの手掛かりも足掛かりもなく、しかも岩と岩の間には隙間が空いており、滑ったら下まで落ちそうだ。一人では落ちて怪我をしても助けてもらえそうもない。君子危うきに近寄らず、というわけで、途中で断念して引き返した。
石楠花荘の前で昼食をとり、下山を開始した。ただ歩くのも暇なのでイヤホンでラジオを聴きながら歩く。走って降りるには急すぎる。いつもなら下りは楽なのに、今日は上りより下りの方が長い気がした。4合目の畳石でさすがに疲れて、ベンチに横になった。15分ほど休み、また歩き出す。
上りはちょうど2時間かかったが、下りは2時間30分かかった。YAMAPの地図があったので、赤坂峠まであと少しだと頑張れたが、先の見えない下り道を延々と歩き続けるのは骨が折れる。
赤坂峠駐車場に着いたときは、心からうれしかった。登山靴を脱ぎ、荷物を片付け出発。大船渡への下り道にある五葉温泉で汗を流し、疲れを癒されて帰宅した。
私は奥さんがアウトドア大好きなので、誘われる形で
登山靴と厚手の靴下を買って一昨年剣山に登山しまし
た。といっても登山口から登ったわけではなく、リフ
トで近くまで登って、美味しいところだけを味わった
お手軽登山でした。
苦労して登った後に頂上から望む眺望に疲れも吹き飛
んだ思いでした。
今年は登山のシーズンには間に合いませんでしたが、
来春は藻岩山を登山道を使ってゆっくり登ってみたい
と思っています。
先日は北海道旅行に行かれたようですが、楽しまれたことと思います。
最近は中高年の方の登山が一般的になっていますが、無理さえしなければ登山は楽しいスポーツです。馬鹿と煙は高い所に上がる、と言いますが、高い所から見下ろす景色はほんとうに素晴らしいです。
これからも健康に気をつけてお互いに良い旅を楽しみましょう。
穴通磯から見えた今出山のヤマツツジを見に行かれたのですね。
山の上だけが赤くなっているのは、稀というかあまり見たことが
ない光景ですが、実際近くに行くと広範囲にわたって真っ赤に
なっているのですね。あれだけの距離から見えるのですから、そ
れなりの規模だとは思いましたが、改めて見るとすごいです。
山では、「こんなところ通れるの?落ちたら死ぬよ」というところ
が簡単にあります。落ちる人はいないのでしょうけど、低山でも
危ないところがあります。伊豆半島の海岸でも落ちたら死ぬという
ところがあり、子供は気をつけないとなりません。
山ではありませんが、最近では松阪城の石垣が危ないと思いました・・・
落ちたら死にます。
私もたくさんの山に登りましたが、これだけの密度と面積のツツジは珍しいです。
霧ケ峰のニッコウキスゲも一面に咲きわたり見事ですが、やはり草と木の大きさの違いでしょう。
山登りでは、山頂を「踏む」という行為が重要なので、日の出岩もてっぺんを踏もうと目指しましたが、10mくらいの高さがありましたので、絶対落ちたら怪我をする、というのと自分の歳を考えて断念しました。