今日は三年に一度、満月が地球に寄ってきて、月がとても大きく見える日だった。自分のすぐ側にあるように月がボンヤリ輝いていた。
テレビのニュースではこの世の終わりみたいな事を言っていた。本当にこの世の中が終わってしまうのだろうか。色々な事を考えてサキと別れた日の事を思い出していた。
あれは三年前。月が綺麗な夜の公園で、サキが勉強の為に留学すると言った。三年間も逢えないなら別れた方がいいよねと言っ . . . 本文を読む
赤とんぼの群れが飛んでいる。夕日が空からゆっくりと落ちている。もう日が暮れるのが早くなった。近所の家からは賑やかな家族の声が聞こえてきた。
もう帰らないと行けない。冷たい風と一緒に帰る時は寂しい気持ちで悲しくなるのはなぜだろう。
僕は塾が終わっていつものようにミキと話していた。
「今日、難しかったよね」
「あれってヤッパリ難しかったの」
「とぼけちゃって」
「あはは」本当に難しい問題 . . . 本文を読む
最近八年同棲していた彼女が出て行った。
この前、泣きながらケンカをしたのが原因だろうか。まさか出て行くとは思いもしなかった。
そういえば、いつも仕事から帰ってきたら彼女の姿があった。笑顔でお帰りと迎えてくれる彼女が好きだった事が改めて分かった。
いなくなって初めて寂しさや孤独を感じた。世界にただ一人取り残されたような感じがした。心にポッカリと穴が空いたようだった。
なぜ彼女は帰ってこない . . . 本文を読む