なちゅらる

自然に生きていきたい

大阪の美術館

2007-03-15 | 絵画


大阪市立東洋陶磁美術館で「将軍家への献上 鍋島」を観てきました

中ノ島の中央公会堂と向かい合っている、陶磁専門の美術館で
春には隣接する中ノ島バラ園のバラが見事です

佐賀藩主、鍋島勝茂が徳川将軍家に中国磁器を献上したことがきっかけで
三代将軍家光が死去する前日に内覧したことから、例年献上が始まります

今回、230点もの鍋島焼が展示され、一つ一つ観ていくと観終わった時には
足が痛くなっていました
お皿がキャンパスのようで、素晴らしい日本画を観ているような気分です




幕府財政の建て直しを図った、八大将軍吉宗の時代には、色数の多いものが禁じられ
染付けと青磁に変わっていくのですが、その中で一つ色鮮やかな壷がありました
これは、吉宗による私的注文だったと言われます

財政の建て直しと言っても、自分の手元には、今までの色鮮やかな鍋島を置いておきたかったのでしょうか・・・








こちらは3月7日「コレクション」にも書きましたが、国立国際美術館
1970年の万国博覧会開催時に建設された美術館の老朽化に伴い、
1977年、中ノ島西部地区に開館されました

完全地下型と言う珍しい館内です
写真は地下1Fから入り口附近を見上げたところで
ここから、エスカレーターでB2、B3へと降りて行きます
今回の「夢の美術館 大阪コレクション」はB3で行われています

大阪市が建設を予定して収集した数々の作品を初めて観る機会が訪れました


 モディリアーニ「髪をほどいた横たわる裸婦」

モディリアーニの描く女性は独特な雰囲気を感じますが
この絵の中の女性は眼が描かれてあり、強い印象を受けました
 
彫刻家を目指していたと言うことを今回初めて知り
はっきりとした輪郭になるほど・・・と納得したki-rinでした

大阪市立近代美術館はいつ、どこで、開館するのでしょう~







静寂

2007-01-20 | 絵画


毎年開催される「イタリアボローニャ国際絵本原画展」で有名な
西宮市大谷美術館を訪れました

1971年、元昭和電極社長、大竹竹次郎氏が収集したコレクションと宅地を
西宮市に寄贈したことで開館したこの美術館は、閑静な住宅街の一角にあります




最初に目に飛び込んでくるのが
まるで、屏風絵のような窓越しの日本庭園です
本当は、この倍ほどの広さなのですが、オバサマ方がいらしたので半分だけで




日本庭園の奥には、和室もあり、左側がカフェになっています



今回の展覧会は「日本画の風情」 で、所蔵品の中から50点が展示されています

伊東深水「吹雪」 とても可愛くて、ここだけがぱぁ~っと明るく感じました



西村五雲「冬暖」 おさるさん親子の表情がなんともいえません


今回、あまりなじみのない日本画で初めて目にするものがほとんどだったのですが
解説を読んでいる中で、ふと書き留めたくなった解説がありました。


色が少ない冬に、緑や赤が描かれている絵でした

「歳寒三反」(さいかんさんゆう) 
    冬の寒さに耐える三種の植物「松・竹・梅」あるいは「梅・水仙・竹」
 論語にある「歳寒松柏」(さいかんしょうはく)
    松や柏が厳寒であってもその葉の色を失わないことから
    苦難に遭っても節操を曲げない君子のたとえとして用いる。

日本画は色が少なく華やかさには欠けるものが多いとは思いますが
静けさの中に、力強さを感じました
もっと、奥深く知識があれば面白いだろうなぁ~
と日本画にも惹かれていくki-rinでした



帰りに「福袋」があり、今までお正月にも買ったことの無い「福袋」を初体験
ボローニャの一筆箋&封筒のセットが3つ、他にもポストカード2枚、クリアファイルがついて、1000円でした




この日のランチは閑静な住宅街にポツンとあるイタリアン
1946年に誕生したレストランで、現在は2代目アベーラさんが腕をふるっています


春を待つ

2007-01-13 | 絵画


京都市美術館コレクション展 第四期「春を待つ」を観て来ました

今回私が観たかったのは上村松園「人生の花」
婚礼の席に向かう花嫁とその母の姿を描いたこの絵は
同じ構図で彩色や着物の図案、小物、しぐさを変えて描かれています
今回の展示は左の絵です

最大の理解者であったお母様に花嫁姿を見せることなく
長男(植村松篁)を出産した自分の夢の姿を描いたのでしょうか
とても切ないものを感じます

以前、どこでだったか忘れてしまったのですが
違う構図の2枚の絵を並べて観たことがあります
この2枚だったかは定かではありません

その時から、この絵がとても好きになりました

今回のテーマ「待つ」事は楽しみでもあり、辛いことでもあるかもしれません
でも、その先に春が来ることを信じて。。。




六盛の手桶弁当でちょっと贅沢に



簡易お手前でおうすもいただきました






一握りの砂

2006-12-22 | 絵画
鳴門海峡の砂からタイルを!
そのアイディアから始まった、美術陶板開発
当時、陶磁器で大型製品を制作することすら難しく
アメリカでも20枚のうち1枚だけしか合格しなかった1m角のタイルを
100%合格という素晴らしい成果を収めました

そして出来上がった「大塚国際美術館」
1mx3mの陶板を並べ、1000余点の名画を原寸大に複製
名画だけでなく、古代遺跡や教会などの壁画を環境空間ごとそのまま再現されています




全部複製だし・・・とたいした期待もなく訪れた私の頭をガーンとカナヅチで叩いたのがモナリザでした
有名すぎるほど有名な「モナリザの微笑み」
それまで、あまりにも有名で少し敬遠していたのですが
何年か前に、大塚で出会ったモナリザは私にルーブルに来るように!
と指令を出されました(笑)

そして今年、ルーブルで本物のモナリザと対面し、感動で涙が流れたのです
今回はその報告に、大塚のモナリザに会ってきました




絵画の他に、システィーナ礼拝堂、ポンペイの秘儀の間などが実際にその場にいるような気持ちにさせられます

その中で、私が一番好きな場所が、スクロヴェーニ礼拝堂です
この礼拝堂を建立したエンリコ・スクロヴェーニの父は高利貸しで財をなした人で
ダンテの「神曲」の中にあさましい姿で登場します
エンリコは父の罪の消滅を願ってこのお堂を建てたそうです

ルネサンス絵画の礎とも言われるジェットの描いた、壁画が圧巻です
青の色がなんともいえません




かつて、スペインにあったエルグレコの大祭壇衝立画
19世紀初頭、ナポレオン戦争で破壊され、幻の祭壇画となってしまいました
それを、世界で初めて推定復元したのが「エルグレコの大祭壇衝立復元」
プラド美術館から5点、ルーマニア国立美術館から1点、選ばれて復元されています




ボッティチェッリ・サンドロ「春」
何度言っても覚えられない名前です
大きな作品になると、陶板が並べてあるのが解ります



レオナルドダヴィンチの
「岩窟の聖母」
ナショナルギャラリーとルーブルの2枚が並べて観れるのも、面白いです

このお部屋の壁には、ダヴィンチの「最後の晩餐」が修復前と修復後、向かい合って描かれています




ゴッホコーナー



ルノアールコーナー




最後は、パブロ・ピカソ「ゲルニカ」
ゲルニカの町に対するナチスドイツの無差別爆撃に衝撃を受けたピカソが
わずか1ヶ月でしあげた大作
時代の暴力と悲劇に敢然として抗議を表明しました

何を描いてるのかよく解らないピカソの絵ですが
このゲルニカの前に立つと、怒り、哀しみが伝わってきます
以前、ピカソ展で「白いドレスの女性」(タイトルは定かではありません^^;)
「盲人の食卓」を観て、鳥肌がたったことを思い出しました
専門的なことは何も解りませんが、すごい人なんだなぁ~って思います

オランジュリーのモネの「睡蓮」もあるのですが屋外にあり全然違う・・・
どうしてかな?と考えてみたのですが
周りの海や緑の自然に、絵画が勝てるはずもなく
屋内で見るからこそ、素晴らしいのかなと一人で納得したki-rinでした





環境

2006-11-30 | 絵画


植物にとって環境はとても大切です
それは、人も同じで
一日の中で長時間いる職場は特にそう思います

時間に追われるほど、忙しくても
周りの人の呼吸が同じなら苦になりません

逆にどんなに余裕があっても
一緒に仕事している人と呼吸が合わなければ疲れます

最近、事務所のリフォームをしました
インテリアを変えることで気分も一新!

私の席の後ろには2枚の絵画が。。。
どちらも大好きな絵です
ひとつ残念なのは、後ろを向かないと見れないことです(笑)





オルセー美術館展

2006-10-22 | 絵画
ロダンのブロンズ像に迎えられて
神戸市立博物館で開催されている、オルセー美術館展に行って来ました。
元、銀行だった建物は、正面にドリス様式の円柱が建ち並ぶギリシャ神殿風の重厚な建物です。
玄関を入ると、左側に東山魁夷画伯の大きなタペストリーが掛けられているのですが、
私はこのタペストリーを見ると、何故かほっとするのです

今回の展覧会は珍しく関西発で、東京開催は来年1月です。
理想の制作の場を探し求めた芸術家たちを取り巻く環境と関係を、
オルセー美術館の名品を通して浮かび上がらせようというのが、今回の展覧会の目的です。



すみれのブーケをつけたベルト・モリゾ  ~エドゥアール・マネ~
絵画を学んでいたベルト・モリゾは、1868年にマネに出会い、影響を受けるようになりました。
マネはモリゾをモデルにした作品を手がけるようになり、
この作品はヴァレリーにマネの作品中「モリゾの肖像画以上に優れた作品を知らない」と言わしめた傑作です。
モリゾは、1874年にマネの弟と結婚することになります。



ジュリー・マネ  ~ピエール=オーギュスト・ルノワール~
モリゾとマネの弟ウジェーヌとの間に生まれた娘ジュリーを、ルノワールが描いた作品です。
モリゾは自宅にドガやルノワールを招くことが多く、1887年にルノワールに娘の肖像画を依頼したのです。
膝上の猫は幸福を満喫していますね。

 

左はモリゾが自分の姉と子どもの平和に満ちた生活の一こまを描いたゆりかご

右はルノワールが描いた絵筆を持つクロード・モネ モネが絵筆の手を一瞬止め、ルノワールに目を向けています。
なんだか温かいものを感じました

印象派の巨匠達の作品が所狭しと並べられている中、ベンチが作られていました。
狭い会場の中、神戸博物館ではとても珍しいのではないかと思います。
そのベンチ前の作品の中に、モネアルジャントゥイユの船着場がありました。
今、こんな所をゆっくりと散歩したい気分です



至福の時をしばし楽しんだ後は、お決まりのティータイム
今回は博物館2階にあるティールームです
お茶の後、玄関を出ると道路の向かい側に白い電話ボックスが・・・
前からあったかなぁ~

 



それぞれに

2006-09-03 | 絵画
       
オーストリアの国母
そして、ヨーロッパに君臨した偉大なる女帝
女性としては初めてオーストリア、ハプスブルグ家を継承したマリア・テレジア
当時としては珍しく恋愛結婚で夫フランツ・シュテファンと結ばれ、16人の子どもをもうけました
末娘でフラン王妃となったマリー・アントワネットの身を、死の直前まで案じていたそうです

京都文化博物館で開催されている
「マリア・テレジアとシェーンブルン宮殿展」では
衣装や宝飾品、調度品の数々が展示されていました
中でも、11歳のマリア・テレジアの肖像画の美しさには
思わず見とれてしまいました

帰りに、ハプスブルグ家ゆかりのヘレンドで珈琲をいただき
優雅なひと時を味わいました
ここは、私の大好きな場所で、お客様のイメージでカップを選んでくださいます
ヘレンドで入れてくださったのは、この日で2回目でした



そして今日は、もうひとつの大好きな場所「陶葊」で紅茶をいただいてきました
前から、連れて行ってね~って言われてたお友達を案内して・・・
お友達は桜と額紫陽花の素敵なカップを買ってご満悦
お店の2階で実際に販売されてるカップでいただくことができるので
またまた、優雅なひとときでした


額縁

2006-08-22 | 絵画


思い出を額縁に入れました

ウイリアム・モリスのティータオル
大事な大事な思い出の一枚です

イギリスでは大きな布巾
綺麗な柄の物はテーブルクロスに使われたりするそうです
私には、もったいなくて使えません
テーブルクロスにするとそそかっしいのですぐに汚してしまいそうです
タペストリーとして壁にかけようか・・・
色々と考えてるうちに思いつきました
そうだ!絵画のように額縁に入れよう

額縁屋さんでティータオルを広げあれやこれやと額縁を選びます
何百とある種類の中から額縁を選ぶ作業はとても楽しい時間でした

完成したと連絡があり、今日いただいてきました