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その名はブレイクエイジ

2007年03月10日 18時16分51秒 | ゲームについて
ブレイク-エイジ (1)

アスキー

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休刊になった、とある雑誌。
その雑誌で連載されていた漫画。

今は重版されることもないコミックス。
その中に、いまあるMMO……ネットゲーの「あるかもしれない姿」を
描いている、一つのシリーズがあります。

その漫画の名はブレイクエイジ。
(作者のHPはコチラ)

漫画が連載されていた当時はオンラインゲームはメジャーではなく、
あったとしてもウルティマオンラインくらいだったでしょう。

いや、もしかしたらWindows95以前かもしれませんね。
奇しくも漫画で描かれている未来……2007年は今年です。

作者のページであらすじが書いてあるので
コピペしたいところなのですが、転載はご法度なので
自分なりに紹介して参ります。

主人公・桐生は高等専門学校(高専)に通う16歳。
彼は普通の高専生。しかし放課後は……ゲームセンターの王者だ。

大人気のゲーム「デンジャープラネットⅢ」は
「ガンダム・戦場の絆」のようなコクピットに乗り込んで戦う
タイプのリアルタイムロボットシミュレーション。

専用回線で、各ゲームセンターを繋いだそのゲームで、
桐生は負けを喫したことがなかった。

このゲームが他と違うのは、
実在するオンラインゲーム「セカンドライフ」のように
プレイヤーが作成したデータにある程度の著作権を認めていること。

モビルスーツのようなロボット……
バーチャルパペット(VP)に乗り込んで戦うこのゲームの、
VPそのものは全てカスタマイズ可能なのだ。

「メモリー」と呼ばれるそれの、ある上限を超えない限り。

舞台となる世界では、ある程度カスタマイズされ
デザイン性の高いもの(データ)が市販されていたりする。

人気の高いものは売れ、実用性の高いものや
デザインに優れたものは話題にのぼる。

それは敷居が低く、奥が深いことが劇中で描かれている。
一介の高専生とはいえ、マニアである桐生は全国ランキングに
名を連ねるプレイヤーだ。

カスタマイズには余念がなく、自慢の愛機を駆って今日も
王者君臨……と、いくはずが。

謎の巨大VP「ベンケイ」に大敗を喫してしまう。
しかも相手は同じゲームセンター内でエントリーしていた。

一体誰だ!?
桐生が向けた視線の先に居たのは、
高校2年生の可憐な少女だった。

謎の美少女・彩理に惹かれた桐生は彼女に交際を申し込むが
即答でフラれてしまう。彼女との交際をかけ、
桐生はフルカスタムのVP「九朗」で勝負を挑む。
(九朗は源義経の仮名)

ベンケイとの勝負を経て知り合った彩理、そして彼女と
デンジャープラネットⅢの関係……。
開発会社、更にその親会社や世界をも巻き込んで展開していく
青春ストーリーは圧巻!

絵がどうしても古臭いので、それが嫌でないという人は
是非とも一度読んでみて下さい。
全11巻で完結していますし、読後感も非常に良いです。

今では手に入りにくいらしいですが、古本屋には
いっぱい眠っているような……??
(作者に復刊ドットコム投票しろって怒られそうだ)


ここに私は、ネットゲームの未来を夢見ました。
これを読んでいた当時の私は格闘ゲームに夢中な学生。

自分たち……ユーザーが手を加えたものが電脳空間上を
飛び交い、戦うそんな時代が来るかもしれないと。


そして私は今、新たな夢を見ています。
MMORPGの未来は一つの問題を巡って分かれています。

RMT。

仮想空間で生み出されたもの、プレイヤーが得たものに
ある程度の価値を認めるのかどうか。

セカンドライフのように、ある程度ならば
自分が提供する側に回ることもあり得るのか。

もしそうだとすれば、デンジャープラネットは
実現不可能なものでは、ないのではないか。


ブレイクエイジの巻末には、必ずある言葉が刻まれています。
「For our children.」

私が子供の頃に読んだ手塚漫画のように、
車が空を飛ぶのは、まだイメージできません。

しかし情報化社会の進歩は止まらない。
FFをプレイしている(推定ですが)子供を見ていた時に
思ったものです。

「彼らは、これを通して世の中を見ている。
 だがそれは、本物の社会とは違う。
 彼らにとって辛い現実と楽しい架空、
 果たしてゲンジツであって欲しいのはどちらなのか……?」


ゲームは所詮、娯楽。
それでいい。
そのままでいい。

だからこそ、現実逃避であってもいいその逃げ道を
楽しくする……そんな仕事をする人が居てもいいじゃないか。
改めて私はそう思うのです。