ゆるふわ屋。 - 鏃キロク・若林浩太郎のブログ -

シナリオライター若林浩太郎のblogです

都条例について(漫画・アニメ規制)

2011年01月13日 23時08分10秒 | ゲームの規制問題について
・はじめに

昨年12月15日、正式に東京都で可決された
漫画・アニメへの規制条例について
そろそろ自分なりに思うことをまとめ、書いてみようと思う。

ツイッターで時々、呟きながら違和感を感じていた。
他の方の呟きを見ながら、モヤモヤしたものを抱えていた。


・2010年12月15日

今回の規制は昨年6月に否決され、
その後81回にも及ぶPTA等へのロビー活動を経て
12月に電撃戦的に再提出され可決された。

それについては、
他のまとめサイトがあるので詳しく触れるつもりはない。


これは漫画・アニメに限った話のように見えるがそうではない。
というと「表現の自由を侵害している」と言いだすのだろう? と思われるかもしれないが、
それも他の方がさんざん主張しておられる。今回はそこを強調したいわけではない。

もちろん表現の自由、思想の自由についての侵害については
自分も同意であることをここに記しておく。


・マイノリティ

もっと単純な話で、マイノリティ(少数派)に回った時
あなたはどうやって自分の身を守るか? という話なのだ。

世間が言う「普通」とは多数派のことである。
そして何においても「普通」な人間など居ない。
ただ、他人に対しそう演出しているに過ぎない。処世術だ。それはいい。


なぜ多数派のフリをするのか。
マイノリティは、ただそうだというだけで出る杭であり、
かっこうの叩き易い存在だ。誰しも叩かれたくはない。
だから擬態する。

この心理が、個人ではなく集団に対しても働いているのではないかと
私は最近、考えている。

確かなものがない時代。
先行きが不明で、明るいニュースは少ない。
出来るだけ多数派に寄り添いたいと思うのは当然と言えるだろう。


PTA等への、極端な例を見せてイメージを植えつけるロビー活動は
条例を可決へと結びつけた。

親にとって、特にPTA活動などする人にとって大切なのは
データなどではなくイメージだ。

「ただ子供に悪影響を及ぼしそうだ」と思わせれば、それで良かったのだろう。
多数派になりたがっている者へ、橋渡しをすれば良いのだから難しくはない。


・これから

ともあれ条例は可決してしまった。
後は「どうやって廃案にするか」もしくは無効化・形骸化させるかが焦点になってくる。

とある知り合いが「感情論をいくら積み重ねても前に進めない」と書いていた。
まさにその通りだと思う。

今回の条例に納得がいかない、悲しい、怒っている、
そんな風に感じている人に支持を得られるかもしれないが、それだけでしかない。
その後が続かないのだ。


・逆効果

結果を得る為の活動において、
逆効果ではないかと思う部分が幾つかある。

そのうちの一つが、
規制を推進している人そのもの、もしくは人格を否定する事だ。


・影響

過去に作ったものによって与えた影響は消えない

石原都知事が過去に書いたものによって
色んな影響を受けた人が居るのは事実だ。

人間が過去に起きた出来事を変えられないように
今更それを「間違っていた」と否定したところで、
与えた影響を消すことも出来るわけがない。


そして石原さんをはじめ、
規制派に回っている人達が過去に行ってきた功績もまた否定できない。

「わたし、あの人は嫌い」と言ったところで、
嫌われている側の人の功績や栄誉が消えるわけではない。


日本の大手マスメディアは、不祥事や事件が起きると
ことさらにそればかり取り上げ、
消費者が食傷気味になっても、その報道を続ける。

しかし事件を起こす前に、その人や会社が
社会に貢献していたのも事実ではなかろうか。

マスコミの報道によるイメージの植え付けは圧倒的だ。
100ある真面目な職員の懸命な努力も、
1の不祥事をピックアップして取り上げるだけで、
一気にひっくりかえってしまう。


誰でも出来る(と勤務している本人が思う)ような事を、
当たり前のように続けていく。

それは決して、当たり前ではない。
この世に当たり前なんてものはない。


どのような理由であれ、働く姿は美しく、行為は尊い。
社会は「就職し、何も不祥事を起こさず、結婚し子を育み、定年退職する」
そんなとてつもなくハードルの高いものを当たり前だと規定してはいないだろうか。

センセーショナルであるという理由だけで
事件の凄惨な部分だけをオブラートに包んだ活字で報道し、
週刊誌はことさらに「これが真実だ」と書き立てる。


いわゆる社会が言う「当たり前に行っている」
滞りなく起こっていることを人は褒めはしない。

石原さんが都知事に就任し、
それによって守られてきたものも多くあるはずなのだ。

何が言いたいのか。
私は条例には反対である。

だがしかし、
石原さん本人を初めとする規制推進派の人格・人そのものを否定することは
特に今までの都運営で恩恵を受けてきた人から、嫌悪感を持たれるだろう。

もし現在の都議会の運営を良く思っていない人でも、
他人をこきおろしている姿を見るのは、決して気持ち良くないはずだ。


昨年末、とある都議員が陳情書を送ってきたとある漫画家のそれを
なかば晒すようにして発言した件を、覚えておいでだろうか。

個人的に怒りも覚えたし、モラルのなさに呆れもした。
何より漫画家を卑下したその価値観に、失望した。
自らが上流階級であると言わんばかりのその行動を、私は忘れない。


さて皆さんは、陳情書を送った漫画家をご存知だっただろうか。
これは推測だが、名前や作品を知らない方も大勢居たのではないかと考えている。

だが憤りを覚え、都議員に物申した。
つまりつるし上げにされた漫画家そのものに思い入れがあったから、
あのような炎上になったのではない。

それは個人をこきおろす、そのようなやり方に反発を感じたからではないだろうか。

ゆえに、個人を否定するやり方では
条例の可決に納得がいかない者の気分は一時的に晴れても
中立的な人、また結果を得る為に力を貸してくれるかもしれない人からも
そっぽを向かれてしまう可能性が出てくる。

それは上手くないやり方だ。


忘れてはいけない。我々はマイノリティなのだ。
少数派がいくら結束しても、結果を得るのは難しいだろう。

ならば多数派を味方につける以外はない。
何も意見を変えさせる必要はなく、結果を得る為に話を持って行けば良いのだ。


・具体的に

では具体的にどうすれば良いのか。
まず、条例の存在そのものを知らない人が殆どだ。
その問題点を説き、反対してくれるよう働きかけるべきなのか。

これは最低限、必要だ。
だが、これだけでは不十分だと私は考える。


特に日本では「波風をたてないことを良しとする」ことが多い。

声高々に「私の主張はこうだ」と言う者に対し、
真っ向から反対して議論する・同調するという姿勢を見せず
出来るだけどこの味方にもならぬよう居ようとする。


特に戦後の日本は、
どこか宗教や政治がらみについて語ることをタブー視するきらいがある。

おそらくは学生運動後、
政府に対し何も影響を与えられなかった事に対する反動だろう。

ともかく、我々の耳に主張を傾けてくれても
同情を買うのが関の山で、行動までは促せない。
自発的な行動となると、尚更だろう。


・逆説的に

人間は、自分が理解できないものに対して不安や恐怖を覚えるものだ。

成人向けのオタクコンテンツは、マイノリティであり
かつ生理的な嫌悪の目を向けられやすい。

もっと分かりやすく書こうか。
「キモい」とNOを突き出され、一線を引かれ、溝を作られてしまう。


こんな状態で、溝の向こうの人へ「こっちの言い分を聞いて下さい」と言っても
そうそう耳を傾けてくれる人は居ないだろう。

PTA等へのロビー活動では、アダルト向けコンテンツを抜粋して
見せたそうだ。こんなものが販売されているんですよ……と。

そして「子供たちに悪影響を及ぼします」「犯罪に遭う子供たちが増えます」
そう言って条例可決へ行動を促したのは想像に難くない。


つまり、条例可決後は「性犯罪の件数」は低下しているはずだ。
そして子供たちへの悪影響は少なくなっているはずなのだ。

だがもし、増えたとしたらどうだろう?
未来を知ることは誰にも出来ない。

しかし他国のデータを、未来の日本を知る手掛かりにする事は出来る。
性犯罪の割合(人数・件数ではない)は、日本が圧倒的に少ない。

つまり成人向けコンテンツによる、
性犯罪の抑止の効果があると示せるのだ。


それにピンとこない、もしくは懐疑的な人にも
こう言えば分かるのではないだろうか。
バーチャル・2次元で性欲を発散させていた人が、
性欲のはけ口を失い現実に手を伸ばしたらどうなるか……?

臭いものには蓋をする。蓋をしたい。
ならば、させてやれば良い。
キモい見たくない、ならば封じ込めてやれば良い。
そうさせてやれば良いではないか。


毒をもって毒を制している……それが現状なのに
獣を解き放って得になどならない。

そう説けばどうだろう。

もちろん、個人的に成人向けコンテンツのユーザーを
毒と称するのは気が引けるし、純粋に悲しい。

何故なら自分の仕事は、
ユーザーがお金を出してくれているから成り立っているのだ。
感謝こそすれ、否定などしたくない。

だが極端な例を見せ付けて
81回も水面下でのロビー活動を行い条例可決へ持っていったのだ。
ひっくり返すには、これくらいの方便は必要ではなかろうか。
それがたとえ、本意ではなかろうとも……。



私がこの意見を書くにあたって「ひとりよがりになってはしないだろうか」と
心配し、限定的に一部の知人に見て貰った。

その際、頂いたコメントの一部をここに追記として載せておきたい。


「気負いすぎて個人が潰れちゃっちゃー規制以前の話だよ」

肩の力が入りすぎているな、と気付かされました。


「今回の件は現実的な落とし所を模索する人すらも
それに終始して理想論を語るだけだったのが問題だ」

他の業界がやっているように、
うまい立ち回りをすれば良いのだと、この方は具体的な方法を明示してくれました。
それは個人で出来るレベルではないのでここには載せませんが、
理想や理念だけでは権利は守れないという事を思い知らされました。


また、この方はこんなリンクも紹介してくれました。

相手あってのコミュニケーション。
しっかり伝えるには、相手を見なければということでしょう。


「タイガーマスクの件って、偶然なのかなあ。
もしかして、この条例に対する粋な抵抗なのかしら」

こんな風に思った方もいらっしゃいました。
この不況の世の中、ボランティアで漫画の良さを伝える。
それってロックだなと思いましたよ。


さて、それでは私は仕事に戻ることにします。
まずは自分のやれることから。
お客さんに安心して頂けるものづくりを、言葉ではなく行動で示さなくては……。

2次元どころか、AVすらも規制するつもりみたいです

2010年04月20日 22時18分34秒 | ゲームの規制問題について
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まずは宣伝から。

新作「姫剣士エステル-HrKing2-」今夏発売予定です!

上のアフィリエイト(Amazon)は、冬コミのものです。
どちらもライティングのみ、担当させて頂いております。


うーん、アフィリエイト以外で
手軽に絵を貼り付けられる方法ないかな。

勝手に画像貼るのはダメなので、それ以外で・・



さて、何か最近恒例になってきちゃった規制のお話です。

正直に申し上げまして、疲れてます。
皆さんもそうだと思います。
ですが、ここで屈したら今までの戦いがムダになってしまいます。


表現規制について少しだけ考えてみる(仮)  【パブコメ】「第3次男女共同参画基本計画策定に向けて(中間整理)」に関する意見募集【超重要!】

このサイトからの抜粋になってしまいますが、
早い方が良いと思いますので
とりあえず、事の重大さが分かる部分を・・



簡単に言うと、これ「児童ポルノ」を「女性への性・暴力」に変えただけ。
日本ユニセフ協会の言っている「準児童ポルノ」規制の「改悪版」です。
「非実在青少年」など消し飛ぶ内容です。
中心人物が同じなので当たり前といえば当たり前ですが・・・。

以前にもお伝えしたように「二次元」も「実写」も両方規制対象になっている。
オタクだけの問題でも、単なるロリ表現規制でもないので注意してください。

いまだに、誤解してる人がいますが規制派の術中にはまってますよ?。
黙ってると本気で「エロゲー」どころか「AV」すら潰されます。
そういう事を堂々と主張してる奴が素案を作成している。


だ、そうです。

とにかく行動しない事には始まりません。
リンクを直接、踏むのに抵抗がある方は

「第3次男女共同参画基本計画策定に向けて(中間整理)」に関する意見募集

で、ググッてみて下さい。

女性向けが危ない! 今度は大阪で規制を進めるつもりです

2010年04月04日 23時27分39秒 | ゲームの規制問題について
橋本大阪府知事が言及していた「非実在青少年」に倣っての
規制検討、その内容が発表されました。

こちらです。


PDFファイルですので、
閲覧するにはAdobe Readerが必要になります。


最近はサイトを開くだけで感染するウィルスが流行しています。

FlashやPDFファイルは標的になりやすいらしいので、
「自分は大丈夫だ」とタカをくくらず、
なるべく最新版にアップデートしておくようお勧めします。


特にPDF内で大きく書かれている(ように見える)のは、
以下の部分です。

大阪府の運用状況
女性向けコミック誌の規制、ボーイズラブの規制検討


今度はそうきたか、という感じです。
皆さん、これでもまだ何もせず居られますか。


大阪府へ意見を寄せる場合は、こちらのサイトからどうぞ。


こちらのサイトが、最も詳しく載っています。


ブログに限らず、リンク先のURLを見て警戒なさる方も居ると思いますので
以下のキーワードでGoogle等で検索してみて下さい。

東京都青少年健全育成条例改正問題のまとめサイト


以上です。


一部の権力者、外国からの圧力、
これらって武器を使わない侵略なのではないかと思うのは
私が神経質になり過ぎているのでしょうか。

もし自分が考えている事に規制をかけられたら、どうしますか。
そうなってしまう、足がかりが今、目の前で行われようとしています。


見過ごさないで下さい。
これは我々の問題ですから。

でも、本当に心から思うんです。
つつましく暮らしたいだけなのに、どうして迫害されなければならないのか・・と。

東京都青少年健全育成条例改正案 断 固 反 対 

2010年03月15日 19時36分06秒 | ゲームの規制問題について
自分のブログは最新5件しか表示していないのを、忘れていました。

過去に取り上げたので、すっかり告知しきっているものだとばかり・・
同士からメールが来てビックリしました。


とりあえず、これを見て下さい。

東京都青少年健全育成条例改正案 断 固 反 対 




何が言いたいのかというと、
去年の衆議院解散で廃案(事実上の持ち越し)になった
「児童ポルノ法案」が、形を変えて通ってしまいそうになっているという事です!

「どうせロリコンだけ規制されるんでしょ?」
「エロゲライターだからって焦っちゃって」


違うんです。
そんなに範囲が狭いものではないんです、これ。

冗談ぬきでジャンプも発行できなくなります。
もちろんワンピースも読めません。


「国がそんなバカな事をするはずがない」とお思いのあなた!
甘いです。

かつて定年まで雇用すると約束した松下が
それを破らざるを得なくなったのを、ご存知でしょう。
時代が変われば、どのような事も起きてしまうものなのです。


まとめサイトその1
「非実在青少年」規制問題・対策まとめ


まとめサイトその2
東京都青少年健全育成条例改正問題のまとめサイト


ニュースで報道されてないよ?
それって大した問題じゃないからだよね?

違います。
反対されると困るものは報道しないのが、マスコミなのです。
それについて、取り沙汰するつもりはありません。


それだけ、これを通す事で利益を得る者たちが居るからこそ
ひっそりと押し進めたいのです。

「今はちょっとしか規制しないよ」と言ってても、
後で内容を変えるのは非常に容易いです。ハードルが段違いに低いんです。
報道機関でも、取り上げられにくくなりますし・・


これを見ても、まだ
「関係ない」「自分に出来ることなんてない」と言えますか?

え?

いやいや、でっちあげじゃありませんよ


漫画界の巨人たちが「ノー!!」と叫んでいるのです。

大袈裟でなく、日本の未来の為に!
今出来ることをやりましょう!


※ 都議会内の集会が行われるのは3月15日~19日。
※ 既に始まっています!!

裏で規制を進めようとしているようです

2009年12月07日 14時26分48秒 | ゲームの規制問題について
政権交代後に、なりを潜めていた
児童ポルノ法案が形を変えて推進されようとしています。


第28期青少年問題協議会答申素案について意見を募集|東京都


東京都の話なので「自分、都民ではないから関係ないや」と
思っちゃうところが落とし穴のようです。

これに対し、意見してらっしゃる方のブログ。


では、どうして都民以外にも影響があるのか。

自分も幅広い知識があるとは言いがたいですが、
知っている範囲内で書いていこうと思います。

訂正などありましたら、コメント欄で突っ込んで頂けると幸いです。


・東京都の条例が改正されると言うことは、法律にも大きく力が掛かる
・出版できなくなる


2点目は、何故か。それは……

東京都には、日本の出版印刷業のほとんどが集約されているからです。
漫画や小説など雑誌媒体に、意見されるようになるという事です。


分かりやすいよう、動画でまとめられたものもあります。



※ コメントが多くてみづらい場合は非表示にして下さい


というわけで、都民でない方も
今度ばかりは意見しましょう!

やり方は簡単、メールするだけです。

ただしメールのタイトルを「都民意見」など
都民である事を書かないと、自動的に迷惑メールと判別されるようです。


これについて、弁護士の方の意見。
山口貴士という、コミケのスタッフでもある弁護士さんのブログです。

ちょっと長いので、詳しく知りたい方はどうぞ。

山口貴士さんとは(Wikipedia)


個人的には、活字で曖昧な表現をしている時点で
姑息という感じがするんですよね。

しかも2週間という短期間(!)で意見の募集を締め切ろうというのですから
「募集はしましたよ」と言いたいだけにも見えます。


日本のように資源の少ない国というのは、
人間の想像から生まれる娯楽を、もっと大事にした方がいいと思うんです。

今は若くて社会的地位の低いオタク産業も
10年、20年と経って世界的に地位が上がってきた時に
もともと先を行っていたはずの日本が後進国になっている・・そんな未来が見える気がします。