ゆるふわ屋。 - 鏃キロク・若林浩太郎のブログ -

シナリオライター若林浩太郎のblogです

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 二次創作 50話(最終回)

2017年03月27日 20時46分18秒 | 二次創作


※ 画像は公式サイトから引用しました


※ このシナリオは二次創作作品です。公式47話からの分岐を妄想して書きました

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50話はこちら

50話(最終回)


アグニカに意識を乗っ取られたマクギリスのバエルに対し、
互角の戦いをする三日月のバルバトス。

だがモビルアーマーもおり、劣勢を強いられる。

「三日月! そいつは俺たちに任せろ!」
アキヒロのグシオン・リベイクフルシティをはじめとする
鉄華団のモビルスーツがモビルアーマーに挑む。

「頼んだよ」

やっとモビルアーマー1体を破壊したキマリス・ヴィダールが
ジュリアの救援に向かう。

ほぼ半壊しているジュリアのモビルスーツから彼女を救出し、
アリアンロッド艦隊から脱出したボートに託す。

「俺はアイツを止めなくてはならない」


まだモビルアーマーの数は多く、
三日月も鉄華団も劣勢を強いられる。

ハッシュの駆る辟邪に危機が迫った瞬間、
見慣れたモビルスーツが助けてくれる。

それはタービンズの百錬・百里だった。
通信で「アタシたちも加勢するよ!」と映ったのは、アジーだった。

タービンズの生き残りまで加わり、モビルアーマーに対抗する。

「マクギリスッ!!」

一瞬の隙をついて、バエルに突撃するキマリス・ヴィダール。
何とか2人だけの戦いに持ち込む。

「そんな男は知らんと言っただろう」

「愚かな……ああ、本当に愚かな男だお前は。
 その力は、お前の理想を実現する為のものだろう!?
 支配されるな! 戻ってこい!」

復讐する相手すら奪われ、涙ながらに叫ぶガエリオ。

「……!? が、ガエリオ……」

「マクギリス! そうだ、戻ってこい!」

一瞬の気の緩みだった。

「ぐっ……」

「アラヤシキは人間を捨てる為のもの。
 そんな紛い物では、俺は倒せん」

コクピット近くを破壊され、ガエリオ自身が負傷する。

「邪魔だ、消えろ」

振り下ろされるバエルの剣。
それを弾くメイス。

バルバトスが突っ込んでくる。
「させないよ」

「て、鉄華団……くっ」

苦しそうにうめくガエリオ。

「マクギリスを、解放……してやって、くれ……」

「知らないよ」

冷たく言い放ってバエルにインファイトを挑むバルバトス。

「貴様、ガンダムに半身を預けているな?
 ならば分かるだろう!
 この力の素晴らしさが!
 力を持たぬ者などゴミだということが……」

「ゴチャゴチャうるさい」

三日月の瞳孔が拡がる。
バルバトスのメイスとバエルの剣が衝突。
どちらも砕ける。


「貴様も来い、この高みに!!」

アグニカが叫び、互いに武器を持たず殴り合うモビルスーツ。
バエルの攻撃は当たるが、バルバトスの爪は当たらない。

「バルバトス、俺の全てをくれてやる」

「やめろ、ミカぁぁぁ!!」

白い紫電で出撃してきていたオルガが叫ぶ。

「大丈夫だよ、オルガ。
 俺はいつだって、オルガの元に帰ってきただろ?」

バルバトスと一体化した三日月、
バエルと絡みつきながらモビルアーマーをも駆逐しながら
宇宙を駆け巡る。

「そうだよな……ミカ」

バエルの片腕が、バルバトスの片足が、もげて千切れ飛ぶ。

「何故理解できない!?
 貴様なら分かるはずだ!!
 この力の前に等しく人類などゴミだということが!!」

「そんなことはどうだっていい。
 俺は、オルガが目指す場所に行きたい。
 その為に、今はアンタが邪魔だ」

オルガの載る白い紫電が目に入ったアグニカ、
人質に取ろうとでもしたのかそちらへ向かう。
白い紫電の肩をバエルの損傷した手が掴んだ瞬間――。

「オルガに触るな」

コクピットをバルバトスの爪が貫いていた。

破壊されたのは、バエルの中にあるプログラム制御部。
そしてマクギリスが使っていたアラヤシキ改良型。

停止するモビルアーマーたち。

それが勝利を意味していたと、
その場にいた誰もが分かった。

マクギリスは死んでいなかった。
負傷したガエリオが回収し、呼びかける。
だが返事はない。

戦いは終わった。


●後日談

アグニカに意識を乗っ取られたマクギリスは記憶の殆どを失い、
幼児退行してしまった。

罪人ではあるが話を聞ける状態ではないことから、
妻・アルミリアに介護されて生活している。


セブンスターズの代表として新しく選出されたガエリオは
鉄華団をテロリストではなく
モビルアーマーを討ち取った火星の英雄として公表。

アグニカ・カイエルの真実を公表するわけにもいかず、
口止めの代わり、そして、かつて友と呼んだ男を救ってくれた礼だった。


ラスタルを殺したマクギリスに復讐しようとするジュリアを止め、
ガエリオは言う。

「お前に似た奴を、俺は知っている。
 俺は俺のエゴで、お前に復讐などさせない。
 たとえ恨まれることになろうとも……」

いつしか、ガエリオの片腕として戦後処理に尽力するジュリアの姿があったという。


そして三日月は――。


「……あれ? アトラ、クーデリア」

「ミカ! おいみんな、ミカが目覚めたぞ!!」

バルバトスのコクピットで眠り続けていた三日月は、
サイセイで目を覚ました。

バエルに残っていたアグニカの記憶から、
厄災戦のテクノロジーがサルベージされた。

その中には、ガンダムフレームに預けた身体のデータを
人間の身体にフィードバックする技術も含まれていた。

サイセイの技術者は語る。

「アグニカがマクギリスの身体を乗っ取ったように、
 ガンダムフレームに残った意識から
 人間の身体に記憶をフィードバックできるんじゃないかと思ったんだ」

「そうなんだ……」

他人事のようにぽかん、として聞いている三日月。

そして数ヶ月後。

サクラばあちゃんの農園で農作業をしている三日月、オルガの姿があった。

「思ったより大変だなあ農作業ってのも」

オルガがそう言い、アトラたちと笑い合う。

「ねえオルガ、次はどうすればいい?」

「決まってるだろ。畑をでっかくして、アトラの子供を養って、
 農場をでっかくするんだよ」

「……そっか。ここが、オルガの目指してた場所だったんだね」

「ああ、そうとも。ここが、俺たちの居場所だ」

空を見上げるオルガと三日月。


-完-

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 二次創作 49話

2017年03月27日 19時36分49秒 | 二次創作


※ 画像は公式サイトから引用しました


※ このシナリオは二次創作作品です。公式47話からの分岐を妄想して書きました

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49話

モビルアーマーを引き連れて火星から衛星軌道上に戻ってきたバエルは、
そのままあらゆる機械・人を破壊していく。

ラスタル・エリオンは立ち上がり命令する。

「モビルスーツ隊にダインスレイブを装着させ、待機させよ!
 モビルアーマーを迎え撃つ!」


圧倒的なモビルアーマーの破壊に、鉄華団は呆気に取られる。

「立場が逆転したな」

そう言うユージンの表情は冴えない。
いつマクギリスが正気を失うか分からないのだ。

モビルアーマーの無慈悲な牙が、
いつこちらに向くとも限らない。


アリアンロッド艦隊から、ジュリア、イヨク、ガエリオを含んだ
モビルスーツ隊が出撃する。

ダインスレイブを装着したモビルスーツの一斉射撃により
モビルアーマーごとバエルを破壊する作戦だ。

ガエリオは苦虫を噛みつぶしたような顔でうめく。
「マクギリスッ……お前が求めていたものは、こんな力だったのか?
 こんな世界だったのか!?」

ラスタルの掛け声と共に発射されるダインスレイブ。

モビルスーツのナノラミネート装甲を撃ち抜くそれに貫かれ、
さしものモビルアーマーもお仕舞い……誰もがそう思った。

ダインスレイブの直撃による煙の中から、
無傷で現れるモビルアーマーとバエル。

立ち上がって叫ぶラスタル。
「馬鹿な!!」

バエルのコクピット内でマクギリスは笑う。

「300年の間に、人間は退化したんじゃないのか?
 歴史の教科書でも読んで、出直してこい!!」

モビルアーマーの一体が前方に張り出したビームシールドに絡め取られ、
完全に動きを停止しているダインスレイブ。

「次弾装填、急げ!」
ラスタルの掛け声が聞こえていたかのように、
マクギリスが口角を上げて笑う。

「大事な武器なんだろう?
 お返しするよ」

モビルアーマーがダインスレイブを操り、
円環状に回転する。
そしてダインスレイブの発射装置を構えたモビルスーツ目がけ、
正確に飛んでいく。

「損害80%以上!」

ブリッジで報告を受け、さしものラスタルも
拳を握り「おのれ……おのれ……!」とうめく。

「マクギリス、貴様は俺が止める!」

キマリス・ヴィダールがバエルに肉迫する。
だがモビルアーマーに囲まれ、バエルを追撃できない。

「貴様はそこで遊んでいろ」

アリアンロッド旗艦に向かうバエル。

イヨクが、破壊されたモビルスーツから
ダインスレイブ発射装置を奪い取るようにして持ち
「ラスタル様はやらせん!」
とダインスレイブを発射。

「学習しない奴だ」

まんまと跳ね返され、ダインスレイブに
モビルスーツのコクピットごと撃ち抜かれイヨク生死不明。

アリアンロッド旗艦を見下ろすバエルとモビルアーマー。

ジュリアはモビルアーマーの相手で援護できない。

「私を殺しても、終わりではないぞ!」

マクギリスは無表情で返す。

「もちろんだとも。全ての人類を殺すまでは終わらんよ」

ブリッジを破壊され、アリアンロッド艦隊全滅。


離れて静観していた鉄華団モビルスーツと母艦。

「本当にやりやがった……」
驚いているオルガ。

通信が入る。
「私の肉体を滅し、全てを終わらせた気でいたか。
 愚かな人類め」

「マクギリス? おい! お前まさか……」

「そんな名前は知らんな。
 私の名前はアグニカ・カイエル。
 今からお前らを殺す者の名だ」

アリアンロッドを葬ったバエルが鉄華団のイサリビに迫る。

「させないよ」

三日月の駆るガンダムバルバトル・ルプスレクスが立ちはだかる。

「またしても邪魔をするか、ガンダム」

「あんたのことなんて知らない。
 オルガ、俺はどうすればいい?」

「ミカ……」

これ以上、バルバトスで過酷な戦いをさせればどうなるのか
オルガには分かっていた。

「オルガ、俺の全てはオルガのものだ。
 ただ、命令すればいい」

「!! 分かった……。
 ミカ、頼む。そいつを倒してくれ!」

「了解」

バエルの剣、バルバトスのメイスでつばぜり合い。



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機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 二次創作 48話

2017年03月27日 18時39分02秒 | 二次創作


※ 画像は公式サイトから引用しました


※ このシナリオは二次創作作品です。公式47話からの分岐を妄想して書きました

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48話


モビルアーマーを使役し、モビルスーツを駆逐するバエル。
もはやマクギリスの目はどこも見てはいなかった。

動揺するオルガにユージンが詰め寄る。
「何か知っているのか? 一体、何が起こってるんだ?」


回想シーン。


マクギリスの母艦にて。

「今こそ君に伝えよう。
 バエルに宿ったアグニカの魂とは何なのか。
 厄災戦の真実を――」

「その真実とやらが、俺たちを救ってくれるってのか」

「救うさ。我々は、な」

「どういう意味だ」

「おそらく我々以外の人間は全て、死ぬ」

「は? おいおい、そりゃどういう意味だ」

「安心したまえ。鉄華団、そして私の同胞は無事だ」

「話が見えねえぞ!」

「バエルには……モビルアーマーを制御する
 プログラムが組み込まれているのだ」

「おいっ……モビルアーマーって、あの」

「ああ。三日月オーガスが討ち取った、
 あのモビルアーマーだ」

「私もバエルに搭乗するまで知らなかったのだ。
 バエルに眠っていたアグニカの記憶が教えてくれた」


マクギリスは語る。
彼が信じた力の象徴、英雄アグニカ・カイエルの真実を。

アグニカこそ厄災戦を引き起こした張本人だという。

モビルアーマーを使役し、無慈悲な力を行使して
人類の滅亡を目論んだ。

厄災戦が始まった時にはモビルアーマーは
全て自動的に動いていると思われていたので
初代セブンスターズの当主たちは
「モビルアーマー殲滅」を掲げてアグニカに力を貸した。

だが黒幕がアグニカだと分かり、
彼はモビルスーツのコクピットで銃殺された。

アグニカの死亡と共にモビルアーマーのプログラムは停止。
『自動的に反撃する』という命令を除いて。

そして真実は闇に葬られ、厄災戦を終わらせた英雄として
セブンスターズは讃えられ、秩序の代名詞・ギャラルホルンを作り上げた。


マクギリスは笑う。

「何がおかしい」

「私が理想としていた英雄は、作り物だった。
 これを笑わずして何を笑う」

「……話を元に戻すぜ。
 アンタはモビルアーマーを使うつもりなのか」

「そうだ。火星には三日月オーガスが討ったハシュマル以外に、
 幾つものモビルアーマーが眠っている」

「あんなものが他にも……」

「私はそれを使い、アリアンロッドを殲滅する。
 これこそ逆転の一手だ。
 どうだ、悪い話ではないだろう?」

「……引っかかることがある。
 地球でバエルを起動させた時から分かってたんだろ。
 モビルアーマーを操れるって」

「ああ。だが地球にはモビルアーマーは残っていなかった。
 使おうと思っても、その手は使えなかったのだよ。
 それに……あんなものを使わずとも、
 セブンスターズは私に従ってくれるものと思っていたのでな」

「もしモビルアーマーを蘇らせたとして、本当に操れるのか?
 あんなのが幾つも暴れたら、止められねえぞ」

「大丈夫だ。私の理性が残っているうちは」

「どういう意味だ」

「……ふむ、三日月オーガスなら理解してくれただろう。
 アラヤシキを使ってガンダムの力を引き出すたび、
 パイロットはガンダムと一体化するのだよ。
 彼は目と腕を、その次は半身の感覚を失っただろう?」

「……! まさかアンタも……」

「そうだ。バエルの力を引き出すほどに、
 私もアグニカと同じようにシステムに呑まれていく。
 いいか、私の理性が残っているうちに全てを片付けられるかどうか。
 これはそういう戦いだ」

「もし、アンタがバエルに呑まれたら?」

マクギリスが笑う。

「その時は人類全ての終わりだよ」

「!!」


回想シーン終わり。

オルガは言う。こうなるまで、半信半疑だったと。

モビルアーマーを引き連れたバエルを見て、
マクギリスの言葉が嘘ではなかったと確信できた。

「いいかお前ら! 迂闊に近付くんじゃねえ!」

鎧袖一触、アリアンロッドの勢力を屠っていくモビルアーマー。

余りに強大な力に、巻き込まれて一般人にも死傷者が出る。


通信が入る。
「私についてこい、鉄華団。
 我らが……武を見せつけようぞ」

三日月がオルガの肩を叩く。

「行こうオルガ」

「ミカ……」

「あいつらは、ここに居ちゃいけない」

「……! ああ」


そうだ。
もしマクギリスがバエルに呑まれたら、その時は――。

「これこそが純粋な力!
 アグニカが手にした力の極北!
 感じるぞ、湧き上がる力を……!!」

今までのマクギリスではない。
既にもう変わり始めている。
後戻りはできないと、オルガは実感した。


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機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 二次創作 47話

2017年03月27日 18時29分12秒 | 二次創作
毎週ワクワクしながら観ていた
「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」なのですが、
最近の展開に納得がいかなかったので
ちょっと二次創作してしまおうということで
ブログにポストしてみました。

結局、既にあるものに対しての後出しなんですけど
私としては「これくらいの方が良かったなぁ~」っていう。

もちろん、最終回までは観ますけどね。



※ 画像は公式サイトから引用しました


現在(2017年4月2日放送予定の最終回手前)、
内容に満足いってる方はご覧にならない方が良いかもしれません。



※ このシナリオは二次創作作品です。公式47話からの分岐を妄想して書きました

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47話


ギャラルホルンでの地位を剥奪され、
単なるいちテロリストとなったマクギリス。

火星に戻るしかない、
だが戻ったところでどうなるのか――。

マクギリスの母艦に呼び出されたオルガ。

そこでマクギリスは語り出す。

「今こそ君に伝えよう。
 バエルに宿ったアグニカの魂とは何なのか。
 厄災戦の真実を――」

イサリビに戻ってきたオルガ、
思うところがあるらしく浮かない顔をしている。

状況からして無理もない、と団員たちは思う。
だが三日月たち鉄華団幹部の皆は、何かあったのだと勘づいていた。


火星に戻った鉄華団。
アリアンロッドとの戦いで敗走し、疲弊しきた団員たち。
テロリスト扱いされ、世間の評価も一変する。

バエルの補給をいち早く終えたマクギリス。
事前の連絡もなしに発進し、行方をくらませるバエル。

協力関係にあったと思われたマクギリスとの関係も
よく分からないものになり、鉄華団の士気は下がる一方。


鉄華団団長オルガは、せめて団員たちは助けて欲しいと
アリアンロッド総司令ラスタル・エリオンに懇願する。

必死の命乞いを無視し、
ギャラルホルンの正義を世に示すため、
マクギリスと鉄華団を生け贄に捧げると
邪に唇を歪めるラスタル。


絶対的優位に立ったアリアンロッドの勢力が、
火星に降り立つ。

あとは鉄華団と、
行方をくらましたマクギリスを追い詰めて仕留めるだけ。

アリアンロッド艦隊の誰もがそう思っていた。

包囲される鉄華団本部。
もはや勝負あったかに見えた。
だが――。


大量の熱源を探知したとの報告を受けるアリアンロッドの現場指揮官。
もはや鉄華団にそんな戦力は残っていないはずなのだ。

しかも熱源は鉄華団本部とは逆の方向。
まさかマクギリスか?
いや違う、これは……。

300年前、全ての人間を排除せんと開発された狂気の産物。
モビルアーマーの姿がそこにあった。
しかも1つ、2つではない。

オルガは狼狽し、つぶやく。
「あの野郎、本当にやりやがった」と。

バエルに載ったマクギリスはモビルアーマーに囲まれるようにして立ち、
さながら地獄の番犬を従えた悪魔そのものであった。

「ラスタル、貴様は何も分かっていない。
 何故バエルが300年もの間、封印されなければならなかったのか。
 その真の理由を教えてやる……!」



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