事件報道のおかしさ

年末年始にかけて悲惨な殺人事件が続いた。

この事件を報道するメディアの姿は少し異常だ。何故、事件の背景をあれほど詳細に報道する必要があるのだろうか？そもそも、当事者の履歴はある一定の影を事件に落としているだろう。しかし、10年以上も前に書いた文集の記事にはその時点の人物の背景を反映しているかもしれないが、現時点のその人物との関わりは限定的だと思う。

人間は生まれ変わる。「生まれ変われる」という言葉は良く言われているが、人間は自然と生まれ変わるものだ。人は特別でなければ数年の間に必ず違う環境に移る。新しい学校に入学する、新しい友人と出会う、人物と出会う。そんな環境の変化の中で必ず人は変わっていくものだ。それを無視して昔の人物像を追うことで事件を推測するなど愚の骨頂だ。

それに事件の詳細を報道する意味も分からない。事件が発覚したきっかけを報道することは意味があると思う。そういった変化を周囲が察知する知識になるから。でも、それ以上の詳細をいくら報道してもあまり利益はないと思う。それよりも連鎖的に類似事件を惹き起こすことが考えられる。メディアは本当に報道するべきことももっと良く考えるべきだ。よりショッキングなことではなく、より影響のあることを考えるべきだ。