ホテルのベランダに出て夜空を見上げると星が視界に入った。
東京では見ることのない澄んだ夜空。
ベッドの中では、運命の男が熟睡している。
その時、スマートフォンの着信音が鳴った。
雄介からだ。
「旅行は楽しい?」
「ええ」
「今何しているの?」
「夜空を見ていた」
「友達と?」
「ええ」
躊躇なく嘘が言えた。
「早く会いたいよ」
「ねえ、私のこと好き?」
「好きだよ。好きすぎて旅行に行くのも心配だったよ。」
「心配?」
「心配さ。君は可愛いからナンパされるもの。友人と行くから安心したけど」
私は可笑しくて笑ってしまった。
雄介にとっては、私はいつまでも女なのだ。
今、愛される女を放棄しようとしているのに。
どこまでも善良な男、
そして、どこまで愚かな優しい男なのだろう。
普通の恋人同士でいたかった。
時にデパートに行き買い物をして映画を見るひととき、
そんな時間が好きな女でいたかった。
瞳からあふれ出る涙がこぼれ床にに落ちた。
さようなら。
そしてありがとう雄介・・・
続く・・・
東京では見ることのない澄んだ夜空。
ベッドの中では、運命の男が熟睡している。
その時、スマートフォンの着信音が鳴った。
雄介からだ。
「旅行は楽しい?」
「ええ」
「今何しているの?」
「夜空を見ていた」
「友達と?」
「ええ」
躊躇なく嘘が言えた。
「早く会いたいよ」
「ねえ、私のこと好き?」
「好きだよ。好きすぎて旅行に行くのも心配だったよ。」
「心配?」
「心配さ。君は可愛いからナンパされるもの。友人と行くから安心したけど」
私は可笑しくて笑ってしまった。
雄介にとっては、私はいつまでも女なのだ。
今、愛される女を放棄しようとしているのに。
どこまでも善良な男、
そして、どこまで愚かな優しい男なのだろう。
普通の恋人同士でいたかった。
時にデパートに行き買い物をして映画を見るひととき、
そんな時間が好きな女でいたかった。
瞳からあふれ出る涙がこぼれ床にに落ちた。
さようなら。
そしてありがとう雄介・・・
続く・・・