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日々のつぶやき

人生半ばを過ぎた中年男のつぶやきです。。。

クライスラーの愛の悲しみ(Liebsleid)とマリの金婚式(La Cinquantaine)

2021年11月06日 | チェロ
近頃昔から好きだったクライスラーの「愛の悲しみ」の練習をしている。

漸く指が何とか音程をとることが出来る様になって、改めてメトロノームで4分の3拍子で拍子を取って練習すると、結構難しく、まだしばらく時間がかかりそうだが、この曲、特に最初の4小節はマリの「金婚式」に似ている・・・というか音程が全く同じで、テンポが違うだけ・・・「金婚式」は4分の4拍子なので、ずっと弾きやすいのだが・・・

マリは1852年生まれで、1928年に亡くなっており、クライスラーは1875年生まれで1962年に亡くなっているのだが、どちらが先に作曲されたのだろうかと思い調べてみると、「金婚式」は1887年頃に作曲、愛の悲しみは1905年に出版されたということで、「金婚式」の方が先の様だ。又、マリは35歳、クライスラーは30歳の頃に作曲したということになる。

クライスラーはウィーンで生まれているが、パリで音楽を学んだり、ロンドンに住んだりした後ニューヨークで亡くなっている。マリは一生フランスで生活した様だが、クライスラーはマリの「金婚式」の出だし部分に自分の作曲した「愛の悲しみ」の最初が似ていることを意識していたのではないだろうか・・・又、「愛の悲しみ」が世に出たときは、マリは53歳で存命だったので、逆にマリも自分の作曲した「金婚式」に出だしが似ていることに気付いたと思うのだが。二人の間にそのことで何かやりとりはあったのだろうか?

実際チェロで弾いてみると、全く違う曲であるのだが・・・私的には「金婚式」は朴訥な感じがし、両方とも短調で哀愁が感じられる。「愛の悲しみ」は、何というか”若い頃の恋の悲しみ”の様なセンチメンタルで切ない感じで、”この恋が終わっても今から未来がまだある”様なイメージ、一方「金婚式」の方は、”人生を振り返って良い人生だった”と思って居る反面”残された人生の時間の短さ”に気付いた寂しさが感じられる様な・・・と言ってもマリは作曲当時まだ35歳・・・「金婚式」という題に私が影響されているだけなのかもしれない。

いずれにせよ、両方ともとても良い曲だと思う。


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