↓マトゥ・ゴンパのドゥカン・ニンパ(ラダック)
異国情緒あふれる写真と旅行記|KaycomDESIGNより
旅行期間:2012年9月15日~9月23日
3日目
一度外に出て、庭を挟んで向かい側の屋根の上に上ってみます。
ここからもラダックの谷合の絶景が見えました。
乾いた風がとても心地いい。
素晴らしい壁画が残るオールド・ドゥカン(ドゥカン・ニンパ)に入ります。
中はそんなに広くないですが、壁一面に絵が描かれていました。
=====ガイド=====
ここにはハイタントリックの絵が描かれているが、
力が強すぎて一般の人が見ると危ないので見えないように布で隠してある。
僧侶でもそこまでの力がついていない人は見ることができない。
きちんと修行を積んでその力を受け止めるだけの段階まで達したら、
絵を見てさらに修行することができる。
壁には、阿弥陀、大日如来、尊格たちが描かれている。
クンガ・ザンポはとても有名なサキャ派の僧侶。
サキャ派は少数派になっているが力をもっていて、
サキャ派のサキャ・パンディタ、ゲルク派のツォンカパ、ニンマ派のロンチェン・ラプジャムパーは、
全チベットの今までの歴史上のラマの中で、文殊菩薩と同じレベルまで達したと言われる3人。
文殊菩薩と同じように智慧と経典と一緒に描かれている。
文殊菩薩は無知を断ち切る剣と知恵の象徴の経典を持っている。
この人はまだそこまでのレベルに達していない修行中の身なので、
修行の時に使うバジュラとベルが描かれている。
ツルテム・リンツェンは、いろいろな経典をもってきて教えを広めた人。
ペンと経典が描かれている。
この二人の僧侶のまわりにはお弟子さんもたくさんいる。
三明主(リクスムゴンポ:文殊菩薩(マンジュシュリ)・観音菩薩(アヴァローキテーシュヴァラ)
・金剛手菩薩(ヴァジュラパーニ・グヒヤパティ))はいろいろなところに描かれていて、
それぞれ、観音菩薩は慈悲、文殊菩薩は智慧、金剛手菩薩は力を象徴している。
なにをするにもこの3つはなくてはならない。
その中でも一番大事なのは、智慧。知らないと何もできないから。
しかし、それだけではなく慈悲の心も持っていなくてはならない。
そしてそれを実践できる力も必要になる。
この3つがそろってはじめて修行ができるから、象徴としてよく描かれている。
ご本尊(左:お釈迦様、真ん中:千手千顔十一面観音、右:大日(サロバビドゥ・ヴァイロチャナ))
反対側の壁画には、
消えかかっているクンガ・ニンポ(サキャ派を作った人)、
黄色い帽子のツォンカパ(ゲルク派開祖)、サキャ・パンディタ(サキャ派の指導者)、
青いサンゲメンラ(薬師如来:アルーラという薬の植物が描かれている)、
観音菩薩、獅子観音、ヤマンタカ(大威徳明王:守護神でサキャ派とゲルク派だけに見られる)
が描かれている。
ツォンカパとヤマンタカは文殊菩薩が変化したかたち(ヴァジュラ・バイラヴァ)。

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これでマトゥ・ゴンパの見学は終わり。
再び絶景を眺めながら下まで下りていくと、途中で火葬をしている現場に遭遇。
チベット圏では、鳥葬をするところもありますが、ラダックでは火葬が主流だそうです。

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