以前、セントトーマス島に行ったときの話(その3)
○日昼2時過ぎ、セント・トーマス空港に到着した。
飛行機から降りてみると、空港の職員等は皆、頭に横長の帽子を被り、しかも、片目には黒い眼帯をし腰には刀を差しています。両目に眼帯をしている者もいましたが、これでは前が見えません。
与太話はさておいて、
実は、数ヶ月前から日本で綿密に調べて収集した、セント・トーマス島に関する資料をぜーんぶ家においてきてしまいました。だから、空港に着いたこの時点では、島がなんだか横長の形をしていて、空港からホテルまでは歩いてはいけない距離だったような気がするという、おかーさんとはぐれた幼稚園児なみの知識しかありません。
しかし、僕には確かな英語力があります。
空港で荷物を拾い上げた後、すかさず、
「るねっさんす、ぐらんど、びーちりぞーとーっ」というベタベタの呪文を大声で唱えると、どこからともなく「こっちにこい」という御導きの声が聞こえます。
御導きの声に従って歩いていくと乗合タクシーが停まっていました。そのタクシーに乗り、今度は小さく呪文を唱えると、運転手にも効き目が現れ、そこいらのホテルにお客を順に下ろした後で、最後にそれらしいホテルに降ろしてくれました。めでたし、めでたし。
ー完ー
○日昼2時過ぎ、セント・トーマス空港に到着した。
飛行機から降りてみると、空港の職員等は皆、頭に横長の帽子を被り、しかも、片目には黒い眼帯をし腰には刀を差しています。両目に眼帯をしている者もいましたが、これでは前が見えません。
与太話はさておいて、
実は、数ヶ月前から日本で綿密に調べて収集した、セント・トーマス島に関する資料をぜーんぶ家においてきてしまいました。だから、空港に着いたこの時点では、島がなんだか横長の形をしていて、空港からホテルまでは歩いてはいけない距離だったような気がするという、おかーさんとはぐれた幼稚園児なみの知識しかありません。
しかし、僕には確かな英語力があります。
空港で荷物を拾い上げた後、すかさず、
「るねっさんす、ぐらんど、びーちりぞーとーっ」というベタベタの呪文を大声で唱えると、どこからともなく「こっちにこい」という御導きの声が聞こえます。
御導きの声に従って歩いていくと乗合タクシーが停まっていました。そのタクシーに乗り、今度は小さく呪文を唱えると、運転手にも効き目が現れ、そこいらのホテルにお客を順に下ろした後で、最後にそれらしいホテルに降ろしてくれました。めでたし、めでたし。
ー完ー