7時30分頃から「バー・バラッズ」でいつものように赤ワインを飲み、さらに、後から来たX氏と赤ワインのハーフボトルを半分ずつ飲んで、最後に、ニコラシカ1杯。
お腹がすいたようなので、バーを出て、本八幡南口の「かっぱ」で「かっぱスペシャル(醤油薄口)。最近、ここはあまり混んでないようです。
「かっぱ」を出た後、これまで行ったことのないお店に行こうということになって、まず、スーパー西友前にある「スナックK」を覗いてみた。
化粧のはげかかったおねーさま方が、酔っ払ったおじさま達からお金を巻き上げている様子が伺えたので、見なかったことにしてそっとドアを閉めた。
次に、本八幡駅北口の焼肉「南大門」のある路地の「スナックT」を覗いてみると、いたいけなお客さんが、蜘蛛の巣にかかって今にも体液を吸われそうになっている様子が見えたので、これもそっとドアを閉めて忘れることにした。
バーの近くにも「スナックP」があったことを思い出してドキドキしながら行ってみると、予想に反し、近所のおじさん達の溜まり場のような所でした。「ねぇ、今まで幸せって感じたことある?」と真剣に聞きたくなる、幸薄そうなおねーさまに接客していただき、ビールを三分の一ほど飲んでお勘定にしました。
「スナックP」を出た後、そういえば、西原理恵子の「ホステスできるかな」で働いていたキャバレーの系列店「キャバレー・ハワイ」が線路際にあることを思い出し、行ってみることになった。
店の入り口でボクらの姿を見た呼び込みのパンチパーマのおにーさんは、
「かるーいおさわりもできますよ。お客さん!」と元気よく話かけてくる。
「かるーいおさわり」という今時微妙なサービスっていうのは、どういうものだろうか。斜めっているケバイたて看には「飲み放題、食べ放題8800円」と書いてあります。とりあえず入ることにした。
店に入ると、数人のお客さんがいた。接客していない、すっごい年季の入ったホステスさん達は、暗がりの各ボックス席でお地蔵さんのようにして固まっています。結構怖いです。
席につくと、待ってましたというように4人のホステスさんが一気に着席しました。胃炎で口のくっさい20歳の日本人、ビザを持っているといいはる年齢不詳のフィリピン人、間違いなく漁船で来た、顔のてかった中国人、ほんとーはいくつだかわからない自称28歳の日本人。後から、斎藤こずえ似の小太りな自称台湾人も来た。「斎藤こずえに似てるー」と言ったら、その深ーい意味もわからずに喜んでくれました。
目を凝らすと、ステージの横には、左右の眉毛がつながった中央アジア系の男がはっぴを着て立っています。20歳のおねーさまに「何人?」と聞くと、「スリランカ」から来たんだそうです。【鉄板でビザなんかないな。】
30分ほど経った頃、突然「マンボ」が流れだしました。ダンスタイムだそうです。
【なぁーんとかマンボっ(まんぼっ)、なぁーんとかマンボっ(まんぼっ)…】
20歳のおねーちゃんと向かい合い両手をつないでマンボっ。全身から力が抜けていきます。
この雰囲気は決して「平成」ではなく、よくはわかりませんが「昭和」の初期あたりにタイムスリップしたみたいです。いつのまにか、はっぴを着たスリランカ人がスネアドラムよりも一回り大きな和太鼓を叩いています。
【なぁーんとかマンボっ(ドンドン)、なぁーんとかマンボっ(ドンドン)…】
……
50分ほどたった頃、ボーイさんが「お時間になりました。延長お願いします。」と言いに来ました。
「かるーいおさわり」さえなく、50分で8800円はどうよ。しかも、50分っていうのは半端すぎるだろっ。
こうして土曜日の夜は過ぎていきました。
※後で気づいたのですか、西原理恵子がいたのは「キャバレーハワイ」ではなく、「キャバレー・ハリウッド」だったようです。どっちもアメリカだからよしとするか。