NHK朝ドラ『エール』と古関裕而

NHKの朝ドラ『エール』（窪田正孝主演）も第10週。
現在は「船頭可愛や」を作曲した昭和10年頃がドラマとなっている。
古関裕而の自伝『鐘よ鳴り響け』では･･････
　「利根の舟唄」のヒットで気をよくした高橋掬太郎氏と私は、翌十年にも「また
　何処かへ旅行してヒット曲を出したいね」と話し合っていた。そんなある日、高
　橋氏が「こんな詩ができたよ」と何気なく見せた一篇の詩、それが「船頭可愛や」
　であった。･･････私は、自分の楽想に浮かぶ日本民謡の旋律を生かして作曲した。
　ディレクターが「これはよい。新人で商家の主婦だが琵琶歌が得意で民謡にピッ
　タリの女性が見つかった。芸妓らしく音丸と名付けた。レコードは丸くて音が出
　るからね」と、笑いながら言った。･･････昭和十年八月、コロンビアは新人音丸
　のデビュー盤と大宣伝して発売した。最初はあまり反響がなかったが、その年の
　暮頃からきっかけが何であったか忘れたが猛烈な勢いで流行し始め、瞬く間に全
　国を風靡した。私は初めて自分で作曲した曲が、どこへ行っても流れている喜び
　を知った。入社して五年目にしての大ヒットであった。
ということになる。

ドラマでは高梨一太郎という名になっているが、作詞家高橋掬太郎
（1901－1970。「酒は涙かため息か」、「ここに幸あり」、「古城」
などを作詞）を演じているのは、わが先輩のご子息、ノゾエ征爾さ
んだ（朝ドラ初出演？）。　





朝ドラに刺激され、『古関裕而大全集』（CD-2）から久しぶりに
音丸（元々は下駄屋の女将さんだった。）の歌う「船頭可愛や」
を聴く。
古関裕而の曲は、マーチ風のものとゆったりしたものがあり、ど
ちらもすばらしいが、この曲はゆったりの部類に入る。前奏の間
にすっかり雰囲気ができあがるが、音丸の美声はこの歌にピッタ
リだ。

このCD-2は、私も好きな傑作が並んでいる。
渡辺はま子の「愛国の花」、伊藤久男の「暁に祈る」、霧島昇の
「若鷲の歌」（－－この3曲は戦時歌謡の傑作だ。）、渡辺はま子
の「雨のオランダ坂」、藤山一郎の「夢淡き東京」、「白鳥の歌」
等々。
織井茂子の「黒百合の歌」も、他に劣らず、歌唱力が素晴らしい。

「長崎の鐘」（藤山一郎）や「イヨマンテの夜」（伊藤久男）もむ
ろん含まれるが、人口に膾炙されすぎた感があり、私は、時々は
（sometimes）聴く程度だ。


「暁に祈る」の作詞家野村俊夫と古関裕而、伊藤久男は、福島トリ
オで、『エール』にも登場する。

出征する兵士を
　ああ　その顔でその声で　手柄頼むと妻や子が
　ちぎれる程に　振った旗　･･････
と送る家族を思うと、いつもジ～ンと来る。


福島市信夫山第一展望台には、野村俊夫「暁に祈る」の碑がある。


信夫山第一展望台より福島市街


野村俊夫「暁に祈る」の碑　　　　　　　　Ｒ1（2019）/7/1撮影



ＣＤ　古関裕而大全集

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6/3（水）　厚生労働省よりマスクが届く。
お昼過ぎにすれ違った郵便配達員が、郵便物をたくさん積んでいた。
はたしてマスクだった。何回も洗って使えるところがいいかしらん。
感謝です。



〇5/25、ミネソタ州で黒人のジョージ・フロイドさんが白人警察官
に殺害された事件で、全米でデモが起き、一部が暴徒化している。
分からないのは、ジョージ・フロイドさんは、「なぜ？」警察官に
逮捕された（逮捕されようとした）のかだ。