人生ブンダバー

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3/12 ファビオ・ルイージ/デンマーク国立交響楽団(長文)

2019-04-01 05:00:00 | 音楽

演奏会評が溜まっている。評論家東条さんのブログも見ないで書こう
(意見が違うとおもしろい?)。

 3月12日(火)、フォビオ・ルイージ/デンマーク国立交響楽団(Da-
nish National Symphony Orchestra、以下DNSO)を聴く(於サン
トリーホール)。

DNSOは初来日だ。
そもそもF.ルイージがなぜDNSOと?と思ったら、F.ルイージ(以下
F.L)が2010年にスペインのサンタンデール音楽祭に招かれた時に音楽
祭側からDNSOを紹介され、お互いに相性がよかったということのよう
だ。現在は、首席指揮者を務めている。

DNSOは、またデンマーク放送交響楽団の名でも知られているという。

F.Lの名前を知ったのはもう20年以上前(そのポスターは私といささか
似た顔だちだった。)が、聴くのは初めてだ。


席は「通路寄り」。ラッキーと思ったが、よく考えたら自分で選んだ席
だ。すぐ近くの席には20代のカップルがおり、男性が一人でしゃべって
いた(女性はどう思っているのかしらん)。


<プログラム>
1.ニールセン 歌劇『仮面舞踏会』序曲
2.ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 Op.73『皇帝』*
3.チャイコフスキー 交響曲第5番 ホ短調 Op.64
指揮;ファビオ・ルイージ
ピアノ;横山幸雄*


いつものことながらつたないコメントを少々・・・・・・

1.ニールセン 歌劇『仮面舞踏会』序曲
定刻の7時にオーケストラが入場。初来日とあって、温かい拍手で迎え
られる。長身のコンマスが登場すると大拍手。恐らく、DNSOも嬉しい
のではないか。

ニールセン(1865-1931 →こちら)はむろんデンマークの作曲家。
フィンランドのシベリウスと同年生まれだ。

F.Lは175、6cmほどかしらん。なかなかスタイルがいい。弦楽五部は
16型でコントラバスは8丁。女性メンバーも多い。アジア系の人も。F.L
は暗譜で、出だしからキビキビしたエネルギッシュな指揮。ティンパニ
を含め、全体的に温かないい音だ。メリハリが効き、デュナーミクの大
きな演奏だった。
後から気づいたが、録音用マイクが多数ぶらさがっている。

(ご参考)→こちら


2.ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 Op.73『皇帝』
下手側の油圧式山台が下げられ、ピアノが中央へ搬入された。弦は14
型に縮小。コントラバスは6。横山さんはチョッキのようなステージ衣
装。
(1)いきなりのピアノによる序奏。弦の音が柔らかく和音を鳴らす。テ
ンポはやや速めかしらん。横山さんも軽いタッチで進めて行く。ティン
パニが(も)上手い。pppのピアノは録音に入るかどうか、ギリギリ
だ。メリハリの大きな、若々しいベートーヴェンだ。

(2)ここは大好きな楽章。出だしが美しい。第1楽章に反して、Adagio
がゆっくり感じる。ピアノが入ってくるとF.Lの棒がデリケートに動く。
ホルンも上手だ。弦が何よりすばらしい。横山さんは初めて聴いたが、
すばらしい。

(3)アタッカで第3楽章へ。F.Lの動きが激しくなる。横山さんもF.Lも
意味のあるpにこだわった演奏だ。最後は、生き生きとした、すばら
しいtuttiで終わった。

大きな拍手が続き、横山さんは少しシャイなおじぎ。拍手鳴りやまず、
イスに腰掛けるや、ショパンのエチュード「革命」を超絶技巧で弾い
た。


20分間の休憩時間、ワイングラスを返す時に手元がすべり、ガッシャ
~ン。運よく割れなかったが、「ごめんなさい、ごめんなさい」と「の
いる・こいる」状態。


3.チャイコフスキー 交響曲第5番 ホ短調 Op.64
休憩後の第3ステージにメンバーが三々五々と集合する。いつの間にか
指揮者の譜面台がなくなっている。

(1)出だしは低弦に乗ってのクラリネット(男性)がまことにデリケー
トで美しい。ファゴットも入ってくる。F.Lはほとんど動かない。「わ
ずかな」アゴーギクとデュナーミク。5分ほどでF.Lが動いて来た。ク
ラリネットの身体が揺れる。第1楽章からトロンボーンが加わる。

(2)ここも低弦の開始だ。ヒゲ(髭)のホルンが安定している。上手い。
現代的ながらロマンチックなチャイ5だ。クラリネットはあいかわらず
見事だ。金管はロシアのオケとは違い、ギリギリ、節度あるfだ。

(3)弦も木管も前へと流れる。F.Lは右手、左手と交互にキューを出す。
時としてpに重点を置く演奏だ。ユニークと言えば言えるかもしれない。

(4)ゆっくりと重々しく、堂々たるAndanteの出だし。トランペットは
弱めだったり、強めだったり。F.LもDNSOもすばらしい。
Allegro vivaceでは必死の演奏だ。F.Lは誇らしげに振る。突然の休符
からやや速めにCodaへ向かって「運命の動機」、ホルンもトランペッ
トも大きく鳴らし終止へ。

終わると興奮した観客からブラボーの嵐となった。ホルンとクラリネッ
トを立たせる。拍手が続く。DNSOは全員がP席を向き、その拍手に応
える。

チャイ5が終わって4分後、アンコール(オケ版、ゲーゼの「タンゴ・
ジェラシー」→こちら)に入る。演奏が始まってから、パーカッション
が上手からゆっくり加わる(間に合うかしらん[笑])。
コンマスのソロに続き、オケが揺れ始めるところで涙があふれてきた。
音楽も揺れる。曲想の変化が見事だ。久々に背中が離れる。これをやり
たくて取っておいたのかな。

再び拍手鳴りやまない中、F.Lはコンマスと握手、指揮台上で最敬礼、
お開きとなった。

拍手が続く中、オケが退場すると、F.Lがまたも下手から登場。観客も
興奮し、立ち上がって歓声を上げる。拍手が鳴りやまないので、退場
したオケも全員がステージに戻ってきて、大拍手、ブラボーの嵐とな
った。


一度はファビオ・ルイージを聴いてみたいと考えていたが、はたしてす
ばらしい演奏会だった。またの来日を期待したい。



プログラム 1,000円




17:14 旧カリタス女子短大 マンション建設工事


17:20 etomo(工事中)は3/28オープン


17:21 新学期のシーズン?


17:24 あざみ野


17:53 表参道


18:02


18:05


18:14


18:30 開場


18:33


19:58 休憩


20:01


20:02


21:20 お開き


21:23


21:26 アンコール


21:35 溜池山王


21:42


22:23 あざみ野着


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