カタスミ

『Another2001(上)』綾辻行人著

Another、AnotherエピソードSの続編です。
この二つ読んでないと正直話はちんぷんかんぷん。
以下前作も含むネタバレあり。



















今回の主役はエピソードSに出てきた比良塚想。
今年の夜見山北中学3年3組に所属する。
3年3組にはある不可思議な現象が何年かごとに起こり、
その現象が始まると毎月クラスの生徒及び
その祖父母親兄弟のうちの1人以上が死ぬ事になる。
その現象とは、クラスに死者が1人紛れ込むと言う事。
現象が起きた時に、死を回避する方法は1つ。
クラスの生徒を『いないもの』として扱う事。
そして今年はその役を想が引き受けるのであった。

はい、今回は前作より3年後の話です。
前作の主人公榊原君は名前出てくるだけですが
見崎鳴は想の良き相談相手としてがっつり登場します。
今回は前回の話の断片だけを知っている生徒により
いないものを2人に増やすという対策が実行されました。
いや…前回の事ちゃんと記録しておこうやぁ…
こういう細かい諸事情残しておく事が
今後の対策の役に立つんじゃないのかねぇ…
どこまで現象により改ざんされるのかは分からんけど
一応死者がまぎれているって事は記憶としては消えないんでしょ?
だったらどういう経緯でいないもの2人にしたとか
そういうのちゃんと申し送りしておけよ…
そして前回の特殊な死者の事情は
その後ちゃんと伝わってるのですかね…?
前回は最初から対策が意味をなしていなかったのですが
今回は最初は対策が機能していた模様。
しかし5月の始めにもう1人のいないものである
葉住という女子生徒がいないものになる事を拒否した事で
災厄がはじまってしまう。
本来なら想がいないものを完遂していれば災厄がはじまらないはずが
実際は葉住さんが拒否したタイミングではじまってしまった。
この葉住さん、想の事が好きで、お近づきになりたいという
非常に邪な気持ちでいないものを引き受けて
結果災厄を引き起こす事になるので結構イラッときます。
仲川君の死も実は何か関係しているのかもしれないがどうなんでしょ。

今回、最初から1人死者が紛れ込んでいるのが分かります。
前作の登場人物赤沢泉美。
なるほど、前回は死者が誰か分からなかったけど
今回は最初からばらすスタイルなのね…
でも今回は本当に死者1人なのかな…?
牧瀬さんの存在が出てきたあたりから割と疑ってます。
しかしこの作者、絶対最後に大どんでん返し仕込んでくるので
何が起こるか、まだまだ油断はできませんぞ…

災厄で死ぬ人達は結構残酷な死に方が多くて、非常に可哀想なので
どうせなら全員の死にかけのお祖父さんお祖母さんが
安らかに死を迎える毎月になればいいのに…と思いました。
幸田君なんて一家全滅だぜ…(;´Д`)
それに巻き込まれて全然関係無い運転手さんが死んじゃいましたが
それはなんか違うんじゃないか…?と思いました。

前回のAnotherに比べると、のめり込み度は少なめ。
しかし安定して読み進められる面白さ。
バトロワ読んだ後のせいか、文章の安定感やべぇわw
匠の技を感じました…(笑)
災厄がはじまるまでは半信半疑なの分かるけど
はじまってしまったらクラスの大半がどこかに引っ越ししそうな気がしますが
あんまりそうならない世界線…
現象による改ざんによって、結構ご都合主義な部分も見え隠れします。
とりあえず、どういう展開になるか、続きが楽しみです。
星は3.5です。
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