生活保護法改正案 ~ 反対声明だけでなく対抗案も出すべき

2013-10-26 23:35:03 | 日記
昨日の毎日新聞ネット記事東京新聞ネット記事では、政府が今臨時国会に提出した生活保護法改正案に反対する大学教員らのグループによる反対声明に関して報じられている。東京新聞ネット記事の抜粋は次の通り。

○生活保護費の抑制策を盛り込んだ生活保護法改正案に反対する学者など研究者による共同声明の賛同者は1087人。内訳は社会保障・福祉分野が225人、教育学152人、憲法・行政法などが138人など。
○「安全網を切り縮めることは、自由で民主的な社会の基盤を掘り崩す。生活困窮者だけでなく全ての人々の生存権に対する攻撃だ」と批判。
○申請時に資産や収入に関する書類の提出を義務付けた規定に関し「申請への門前払いが横行するのは目に見えている」と指摘。
○親族らの扶養義務強化に対し「一層多くの人が迷惑をかけたくないとの理由から生活保護の利用を断念する」と懸念。

政府が今臨時国会に提出した関係法案は、生活保護法の一部を改正する法律案生活困窮者自立支援法案の二本。いずれも、先の通常国会最終日に政治的ゴタゴタの末に廃案になったものなので、今臨時国会では比較的すんなり成立するものと見込まれている。

下の資料や関係法案の要綱を読む限り、記事にあるような“生活保護費の抑制策”は、“生存権に対する攻撃だ”的な激しい批判論調が当たるようなものではなく、不正・不適正受給対策や医療扶助適正化の結果によるものになると思われる。

生活保護制度改革も含めた社会保障制度改革では、低所得者など経済弱者の権利擁護のための制度改正反対が激しい口調で叫ばれることはよくあることだ。それはそれで理解できる。だが、そうした反対声明ばかりでなく、一向に減らない不正・不適正受給への対策や増え続ける医療扶助の合理化に関する前向きな提言などの対抗案を出していくべきだ。そうすれば、説得力を持つことができるのではないか。反対コールだけだと、要望はなかなか通らない。



<資料>



(出所:厚生労働省資料)