平成26年度の国民医療費:1人当たり32.1万円、総額40.8兆円のうち23.9兆円(58.6%)が65歳以上

2016-09-29 10:31:25 | 日記
 厚生労働省が昨日発表した「平成26年度 国民医療費の概況」によると、昨年度において病気やけがの治療で全国の医療機関に支払われた医療費の総額は40.8兆円で、8年連続で過去最高を更新した。増加の理由は高齢化や医療技術の高度化であると考えられており、概要は次の通り。

①平成26年度の国民医療費
 ・総額40.8兆円、前年度比0.7兆円(1.9%増)
 ・人口1人当たり32.1万円、前年比6400円(2.0%増)

②制度区分別
 ・公費負担医療給付分3.0兆円(7.4%)
 ・医療保険等給付分19.1兆円(46.9%)
 ・後期高齢者医療給付分13.4兆円(32.8%)
 ・患者等負担分5.1兆円(12.4%)

③財源別
 ・公費のうち「国庫」10.5兆円(25.8%)
 ・公費のうち「地方」5.3兆円(13.0%)
 ・保険料のうち「事業主」8.3兆円(20.4%)
 ・保険料のうち「被保険者」11.5兆円(28.3%)
 ・その他のうち「患者負担」4.8兆円(11.7%)

 平成26年度の国民医療費の総額は40.8兆円。この途方もなく巨額な金額をわかりやすく表現するために最もよく使われるのが、GDP(国内総生産)とNI(国民所得)に対する比率で、対GDP比8.33%、対NI比は11.20%。これまでの推移を示すと、平成に入ってから急増基調となっている。(資料1)。

 国民医療費の内訳について様々な要素ごとに見ると(資料2)、医療財政構造を改革するのに必要なマクロ視点が自ずと醸成される。例えば、後期高齢者を始めとした高齢者の自己負担をどの程度引き上げられるか、年齢階層ごとに医療費総額をどの程度抑えられるか、財源として公費と保険料の比率をどのような形にしていくか、入院・通院など医科診療をどの程度抑えられるか、といったようなことであろう。

 こうした改革の視点は、医療保険システムをいかに持続性あるものにしていくか、即ち費用負担の在り方をいかに適格なものにしていくかである。こうした危機感の原点は、将来の人口見通し(資料3)が起点であり終点である。医療サービスには費用がかかる。その費用を負担する人が相対的に少ない時代が続く限り、医療サービスは規制的に抑制していかざるを得ない。


<資料1>

(出所:2016.9.28 厚生労働省「平成26年度 国民医療費の概況」)

<資料2>

(出所:2016.9.28 厚生労働省「平成26年度 国民医療費の概況(参考資料)

<資料3>

(出所:国立社会保障・人口問題研究所HP

2015年の日本:就業者に占める高齢者の割合は11%(過去最高)

2016-09-19 20:46:21 | 日記
 総務省が昨日発表した「統計からみた我が国の高齢者(65歳以上)」によると、平成27年における高齢者の就業に関して、概ね以下のような特徴が見られる。

(1)高齢者の就業者数:12年連続増の730万人(過去最多)

(2)高齢者の就業率:男性30.3%、女性15.0%
   うち、65~69歳の就業率:男性52.2%、女性31.6%

(3)15歳以上の就業者総数に占める高齢者の割合:11.4%(過去最高)


(出所:2016.9.18 総務省「統計からみた我が国の高齢者(65歳以上)」


(出所:2016.9.18 総務省「統計からみた我が国の高齢者(65歳以上)」

2016年の日本:高齢者の人口3461万人・高齢者の人口比27.3% 〜 いずれも過去最高を更新

2016-09-18 20:41:16 | 日記
 総務省が本日発表した「統計からみた我が国の高齢者(65歳以上)」によると、今月15日現在での高齢者人口の推計によると、概ね以下の3つの特徴が見られる。

(1)高齢者人口は3461万人、総人口に占める割合は27.3%と共に過去最高
①65歳以上:人口3461万人、総人口比27.3%
②70歳以上:人口2437万人、総人口比19.2%
③75歳以上:人口1697万人、総人口比13.4%
④80歳以上:人口1045万人、総人口比 8.2%

(2)女性の高齢者割合が初めて30%を超える
①男性1499万人(男性人口比24.3%)、女性1962万人(女性人口比30.1%)
②人口性比(女性100人に対する男性の数)は、
 ・ 0~14歳で105.0
 ・15~64歳で102.1
 ・65歳以上で76.4
 ・70歳以上で70.1
 ・75歳以上で63.7
 ・80歳以上で54.8


(出所:2016.9.18 総務省「統計からみた我が国の高齢者(65歳以上)」


 高齢者の総人口に占める割合の推移は、昭和25年4.9% → 昭和60年10% → 平成17年20%超 → 平成28年27.3% と、一貫して上昇してきていることがわかる。


(出所:2016.9.18 総務省「統計からみた我が国の高齢者(65歳以上)」


(3)日本の高齢者割合は、主要国で最高
①高齢者の総人口に占める割合:日本27.3%、イタリア22.7%、ドイツ21.4%・・・
②高齢化の進行速度(平成7年、17年、27年):日本(12.7ポイント増、7.1ポイント増)、カナダ(4.7ポイント増、3.5ポイント増)、イタリア(6.2ポイント増、3.2ポイント増)・・・


(出所:2016.9.18 総務省「統計からみた我が国の高齢者(65歳以上)」