2025年度「5兆円規模の医療費・介護費の効果額」

2013-08-31 02:57:35 | 日記
昨日の日本経済新聞ネット記事にも書かれているが、厚生労働省は2025年度に向け、高齢者への介護予防や現役世代からの健康づくり対策の推進によって、「5兆円規模の医療費・介護費の効果額」を目標にするとのこと。(資料:概要全文

最も直近での社会保障に係る費用の将来推計は下の資料の通りである。これによると、医療・介護の給付費用合計額は、2012年度43.5兆円→2025年度73.8兆円となるが、これについて「5兆円規模の効果額」を目標にするとされた。「効果額」という新しい言葉の意味はよくわからないが、文脈から察するに、5兆円相当の支出を抑制するということであろう。

今後確実に増えていくことが見込まれる社会保障費を可能な限り抑える努力をすることは国是である。そのための本丸が年金と医療の支出抑制であることは、下の資料にある将来推計からも明らかだ。医療・介護の包括的な支出抑制も必要ではあるが、年金の支出抑制を同時に行ってこその社会保障制度改革である。

むしろ、年金・医療の包括的な支出抑制が最も費用対効果が高い社会保障制度の持続策となるはずだ。『社会保障制度改革=主として年金・医療の支出増加抑制』なのである



<資料>

(出所:厚生労働省資料






厚生労働省「介護人材確保の推進に関する検討委員会」(第1回・第2回)

2013-08-30 20:17:25 | 日記
本日午前、厚生労働省「介護人材確保の推進に関する検討委員会」の第2回会合が開催された。今月9日に開かれた第1回会合の分と合わせて資料はこちら。(⇒第1回資料第2回資料

本日の会合で特に注目すべきは、「株式会社やさしい手」と「社会福祉法人あかね」による事業内容の紹介である。詳細は第2回資料を参照されたい。介護サービス産業界での先進事例の概要を知ることができた。

この委員会の委員は各方面の有識者で構成されており、私は『介護保険財政に制約がある中で、介護サービス産業の育成と振興を図っていくには、どのような法制度や予算措置など具体的仕組みが適切か』という視点で臨んでいる。介護人材政策にも多くの論点があるが、私から提起している点は概ね次の通りである。(第1回会合での私の発言趣旨は第2回資料の資料4に散りばめられている。)


(1)介護サービス産業における経営効率化を促すために、介護保険制度の中に具体的な仕組みを組み込むべき。(この委員会では発言していないが、PC方式やYS方式の応用が考えられるところ。)

(2)先進的な事業者を筆頭とする系列化・フランチャイズ化を促すための仕組みを同時に考案すべき。情報流通・商務流通・物資流通の合理化による経営効率化原資の捻出を誘発することが必要。

(3)正規・非正規、常勤・非常勤、入職率・離職率といった諸々の労働指標を無理に改善しようとせず、介護保険財政の規模を睨みながら、介護労働市場の流動性を一定程度は是認していくべき。

(4)介護経営学会の動きにも注目したいし、並行して『介護経済学』の確立を厚生労働省が主導すべき。介護保険制度は財政が基本になるので、介護分野に特化した経済学論を行政が音頭を取りながら打ち立てていくことは極めて重要。



 以上はこれまで2回の委員会での私からの発信主旨である。次回以降も引き続き問題提起や提言をしていく予定。




介護人材政策に関する考え方(3)

2013-08-29 13:46:50 | 日記
介護市場が今後とも拡大していくことは確実な中で、介護人材はどの程度の人数規模を要するのであろうか。厚生労働省によると、資料1にある通り、直近平成24年度(2012年度)の推計で149万人のところ、平成37年度(2025年度)の推計で237~249万人が必要となるとのことだ。

一方、これまでの推移について、先のブログ記事の資料を読み取ると、常勤比率は、平成12年度(2000年度)当初は65.0%程度であったものが、その後、直近までの10年間は58~61%程度で定着してきている。

この常勤・非常勤の比率に関する指標は一つの例であるが、常勤・非常勤の比率、更には正規・非正規の比率も含めて、幾つかの類型に分けた介護人材コスト総額の見通しも立てておくべきだ。

また、資料2のような介護人材の入職・離職の実態を十分勘案し、出入りがない方が望ましい職種と出入りがあっても差し支えない職種を明確に区分しておく必要があるだろう。介護労働市場は、介護サービス産業の経験的特徴に沿ったものであるべきではないか。これは、他の産業労働市場に共通のことである。


<資料1:介護職員の推移と見通し>

(出所:厚生労働省)


<資料2:介護人材確保における当面の見通しについて>

(出所:厚生労働省)

介護人材政策に関する考え方(2)

2013-08-28 12:32:49 | 日記
介護人材政策について考える場合の基礎的データには様々なものがある。現状でどうなっているのかと言えば、厚生労働省が提示している下の資料から読み取れることも多々ある。

資料中(1)からは、全産業平均との比較においてであるが、女性比率が高い、勤続年数が短い、男性の給与格差は相当大きいといったことが挙げられる。資料中(2)からは、大まかな介護職種で、正社員・非正社員比率が大きく異なり、非正社員のうち常勤・非常勤の比率が大きく異なることがわかる。資料中(3)からは、大まかな介護職種で、年齢層がかなり異なることがわかる。

マクロの視点から、こうした実情をどのように考えるか。何が理想かは誰にもわかりようがないが、女性比率の高さを前向きに捉えるか後向きに捉えるか、非正社員比率の高さを楽観的に考えるか悲観的に考えるか、勤続年数の短さをどう見るかといったことだ。これは一例に過ぎないが、最終的には介護保険財政の配分論に直結させる必要がある。

介護産業界の中で長く勤めることで知識・経験の蓄積をさせるべき人材とはどういう職種か、一定以上の入職・離職又はその繰り返しを許容しても差し支えない職種とはどのようなものか。即ち例えば、『介護産業界人』と『介護職人』をどう位置付けていくかであろう。他の産業との人材の行き来の点も重々考慮しながら、職種ごとの流動性の目安を設定していくべきだ。


<資料:介護労働者の現状>

介護人材政策に関する考え方(1)

2013-08-27 16:09:38 | 日記
社会保障制度改革国民会議報告書にも、それを踏まえた社会保障改革プログラム法案骨子にも、介護人材確保に関する施策の在り方についてはまとまった記述は見当たらない。介護保険制度改革を進めるには介護保険財政の配分論が中心になるのは仕方ないとしても、今後の介護ニーズの増加見通しも慮れば介護人材確保の在り方も最重要課題の一つであるに違いない。

介護人材に関して、全体的な従業者数の推移は下の資料の通りである。介護保険制度が始まった平成12年度からの推移で見ると、従業者数は55万人(平成12年度)→140万人(平成23年度)と2.55倍。

これに対して、介護給付総費用額は3.6兆円(平成12年度)→8.3兆円(平成23年度)と2.31倍、介護保険サービス利用者数は184万人(平成12年度)→517万人(平成23年度)と2.81倍となっている。従業者数一人当たりについて、介護給付費用は下がり、介護サービス利用者数は増えていることが読み取れる。(因みに、要介護認定者数は218万人(平成12年度)→533万人(平成23年度末)と2.44倍だ。)

これはマクロの視点からの一考察である。今後、これをどのような方向に持っていけば介護保険制度の持続可能性を高めることができるのかが、介護保険制度改革の主要論点の一つになろう。介護分野のみならず、医療分野や保育分野にも通じることであるが、社会保障サービスの利用家(需要者)一人当たりの財政投入額が重要な要素であると同時に、社会保障サービスの事業者(供給者)一人当たりの財政投入額も重要な要素である。

介護保険財政の投入先は、介護サービス市場であり、それは同時に介護労働市場でもある。介護人材は介護労働市場を担う主役たちなのだから、国として介護サービス産業を隆盛させていくことで介護保険制度を持続させていこうとするならば、需要者視点だけでなく供給者視点も同じように前面に押し出していく必要がある。これが介護人材政策の基本中の基本になると考えている。


<資料:介護従事者数の推移>





特別養護老人ホームに係る施設介護サービス費の支給対象の見直し ~ 社会保障制度改革プログラム法案骨子

2013-08-25 23:11:46 | 日記

社会保障制度改革プログラム法案骨子において掲げられている介護分野の改革案に関して、本日の一部報道によると、特別養護老人ホーム(特養)の入所基準について、入所できるのは原則として「要介護3」以上の高齢者からとする方向で検討するとのこと。

社会保障制度改革国民会議報告書では、「介護を要する高齢者が増加していく中で、特別養護老人ホームは中重度者に重点化を図」ることとされ、それを受けた同プログラム法案骨子では「特別養護老人ホームに係る施設介護サービス費の支給対象の見直し」が提起されている。

では、これにより介護サービス市場の状況にはどのような効果や影響があるだろうか。特養(介護老人福祉施設)を含む介護保険3施設の平均要介護度は資料1の通りで、特別養護老人ホームに入所している介護サービス利用者の要介護度の構成は資料2の通りである。

これらを見ると、特養の利用者構成については、「要介護3」以上が年々増えてきており、平成23年度では9割程度を占めていることがわかる。この傾向が今後とも続くと考えれば、そう遠くない時期に、特養の利用者構成は「要介護3」以上で占められることになる。

だから、この点に関して同プログラム法案骨子は、制度上は特養の入所基準が厳しくなったとしても、実態上は軟着陸であると評される。その反射効果として、『要介護2』以下の軽度者は特養以外の介護サービスの利用を慫慂されることになる。

特養は中重度への介護サービスに、それ以外のデイサービスなどは軽度への介護サービスと重度化予防サービスにそれぞれ重点化することが、今回の社会保障制度改革の思想の根底に流れている。

但し、介護保険財政の配分の重点化シフトに当たっては、中重度か軽度かではなく、あくまでも介護保険財政を投入することによる費用対効果で測っていくべきである。介護保険制度の持続可能性を維持・向上していくには、それが唯一最善の途であろう。


<資料1:介護保険3施設の平均要介護度>

(出所:厚生労働省)


<資料2:要介護度別の特養入所者の割合>

(出所:厚生労働省)


一定以上の所得を有する者の利用者負担の見直し ~ 社会保障制度改革プログラム法案骨子

2013-08-24 23:24:39 | 日記
社会保障制度改革プログラム法案骨子において掲げられている介護分野の改革案に関して、本日の一部報道によると、介護サービス利用に係る自己負担の割合(現行1割)を、年収三百数十万円を超える夫婦世帯や年収250万~300万円程度の単身世帯については2割へ引き上げる方向で検討するとのこと。

介護保険制度の仕組みは資料1の通りであり、この中で「1割負担」が『2割負担』に、「費用の9割分の支払い」が『費用の8割分の支払い』にそれぞれ変更されることになる。では、介護サービス利用者にとっては、どの程度の負担増になるのだろうか。

介護サービスの種類によらない受給者1人当たりの費用額(資料2)で見ると、平成25年4月審査分で、総額157.6千円のうち自己負担分は15.76千円→31.52千円(約1万6千円の負担増)となる。

これをもう少し細かく、介護サービス種類別の受給者1人当たりの費用額(資料3)で見ると、平成25年4月審査分で、次のような代表例について、
・訪問介護では、69.6千円のうち自己負担分は6.96千円→13.92千円(約7千円の負担増)
・通所介護では、88.8千円のうち自己負担分は8.88千円→17.76千円(約9千円の負担増)
・介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)では、279.6千円のうち自己負担分は27.96千円→55.92千円(約2万8千円の負担増)
・介護老人保健施設では、295.3千円のうち自己負担分は29.53千円→59.06千円(約2万9千円の負担増)
となる。

上記の記事によると、この負担増の対象者数は数十万人とのことだが、介護サービス利用者数は平成24年度の年間実受給者数で543万人となっている。これでは、自己負担増となる介護サービス利用者の比率は1割にも満たないことになる。介護保険財政改革の視点からは、負担増対象者の範囲を広げるべく、負担増率の累進化などを勘案しながら所得水準を引き下げていくことも検討すべきである。

合わせて、介護サービス事業者の経営効率化努力を促すような制度改正又は制度運用改善をすべきであることは言うまでもない。


<資料1:介護保険制度の仕組み>

(出所:厚生労働省)


<資料2:受給者1人当たり費用額の年次推移 >

(出所:厚生労働省)


<資料3:サービス種類別にみた受給者1人当たり費用額及び費用額累計>

(出所:厚生労働省)

『介護サービス産業』の育成と「介護保険制度」

2013-08-22 23:56:43 | 日記
介護事業は産業である。介護保険制度という公的資金を主な動力源とする産業である。様々な課題が眼前に横たわっているが、その中でも賃金水準は非常に大きな課題の一つだ。全産業との比較や介護事業内での詳細な数値は資料1・資料2の通りである。

いずれにしても、賃金水準は低いと言わざるを得ない。少なくとも介護保険で賄われる部分は国家事業であるので、賃金水準という就労意欲の大きな要因をこのままの状態で看過してはならないだろう。政府では、例えば資料3にあるような介護職員の処遇改善策を始めとして諸々の取組をしてはいるが、そう簡単に全体を底上げをするには至っていない。

介護保険財政に余裕がないことから、公的資金による賃金水準改善を大きく望むべきでもない。そうなると、介護事業のそれぞれの現場レベルでの経営効率化努力によって捻出していくことが最善の途となるはずだ。

介護保険制度の仕組み(資料4)に照らして考えてみれば、介護事業における経営効率化努力は、介護サービス利用者と介護サービス事業者の間でのこととなる。具体的には、(1)「居住費・食費」の部分で介護サービス事業者が経営効率化努力をする素地を作ることや、(2)介護サービス事業者が介護サービス事業以外の福祉サービスその他の事業を積極的に兼ね得る素地を作ることで対応していくべきであろう。

これは、介護保険制度に新たな価値の付加する目的で、政府・厚生労働省が制度改正又は制度運用改善を行っていくべきである。これが『介護サービス産業』を育成することに繋がり、ひいては介護保険法の趣旨を達成できる環境が拡がることになる。


<資料1:雇用形態、性、主な産業別賃金、対前年増減率及び雇用形態間賃金格差>

(出所:厚生労働省)


<資料2:介護職員の賃金(常勤労働者)>

(出所:厚生労働省)


<資料3:介護職員処遇改善加算>

(出所:厚生労働省)


<資料4:介護保険制度の仕組み>

(出所:厚生労働省)

要支援者向け介護サービスの市町村事業への移管 ~ 社会保障制度改革プログラム法案骨子

2013-08-21 23:26:11 | 日記
本日閣議決定された社会保障制度改革プログラム法案骨子は、先の8月6日にとりまとめられた社会保障制度改革国民会議報告書を拠り所としている。社会保障4分野として、少子化対策、医療・介護、年金のそれぞれに関して一応提言がなされている。介護分野に関しても幾つかの改革案が提示されている。

このうち、要支援者向け介護予防サービスを市町村事業に移管することについて考えてみたい。これは端的に言えば、介護保険給付の対象から外し、各市町村で地域の実情に応じて対応するようにするということだ。見方によっては、国の介護政策の対象から外すということになる。これも一つの政治判断ではある。

要支援者向けの介護費用などは、資料1・2の通りだ。要支援に係る介護費用については、平成22年度実績で総額7.8兆円のうち要支援は0.4兆円と5%程度だが、要支援に係る認定者数について見ると平成24年4月末時点で要介護・要支援総数533万人のうち要支援は140万人と26%である。

社会保障制度改革の基軸は財政支出の抑制であるから、介護保険財政に関しても同じ路線のはずだ。そうなると、費用割で5%程度しかないのに人数割で26%に上る要支援者向け介護サービスを市町村事業に移管することは、介護保険財政改革の観点からは費用対効果が悪いと言わざるを得ない。

即ち、介護保険財政改革を進めるに当たっては、介護費用の大宗を占める要介護者向け介護サービスを合理化することに力を傾注すべきであろう。


<資料1:介護費用の推移>

(出所:厚生労働省資料)


<資料2:要介護度別の認定者数の推移>

(出所:厚生労働省資料)

介護サービスの費用対効果に係る視点(1)

2013-08-20 23:58:52 | 日記

厚生労働省の資料では、「通所介護の費用は急増している」とわざわざ書いてある(資料1)。普通に考えれば、この傾向は今後とも続き、通所介護は他の介護サービスに比べて最も費用が充当されることになる可能性がある。

通所介護が増えることについては、どのように考えていくべきなのか。介護給付は今後とも増加していく見通しだから、それを抑制するには、費用のかかっているサービス分野から少しずつ削減していくことが介護給付総費用の抑制のためには望ましいだろう。

そういう分野とは、資料1を見ると、通所介護以外では介護老人福祉施設(特養)、介護老人保健施設、訪問介護などが挙げられる。これらも含めて、介護サービス利用者一人当たりの費用額を示したものが資料2である。

ここから言えることは、介護サービスの費用対効果は「訪問介護 > 通所介護 ≫ 介護老人福祉施設 > 介護老人保健施設」ということだ。これは、介護保険財政改革に係る一つの視座に据えていくべきである。


<資料1>

(出所:厚生労働省資料


<資料2:サービス種類別にみた受給者1人当たり費用額及び費用額累計>

(出所:厚生労働省資料


介護保険財政改革の基本的考え方

2013-08-19 22:46:02 | 日記
介護サービスの大半は民間市場だけでは到底賄えないので、公的な保険によって最低限必要な資金が給付されている。その源が介護保険制度であり、仕組みは資料1の通りである。

財源は保険料と税金が50%ずつで、介護サービス利用者は原則として1割負担となっている。この保険料と税金、即ち介護保険制度に係る公的資金がふんだんにあれば幸せなのかもしれないが、実際には余裕はない。資料2にある通り、介護給付や保険料は将来、少子高齢社会が進むことも手伝って、相当増加していく見通しだ。

そうなると、どこかを削って限られた財源を政策的に有効とされる部分に重点的に配分していくことを考えていかなければならない。マクロの介護保険財政という視点から見ると、資料1を見ながら、どこをどう増やすべきで、どこをどう減らすべきなのか、となる。

少子高齢社会が更に進んでいくこと前提としながら、介護保険制度を持続可能なものにしていくには、(1)サービス利用者の自己負担割合(現行1割)の引上げ、(2)第1号被保険者の保険料負担割合の引上げ、(3)要介護認定の厳格化による介護サービス対象の合理化などが選択肢となってしまうだろう。

介護保険財政改革とは、「介護給付の増加の抑制」と「介護サービス利用者の負担の増加」を包括的に行うことに他ならないと思われる。次世代の介護サービス利用者は、それに対する覚悟と準備が必要となるはずだ。この場合、介護サービス利用者とは、要介護認定を受けた本人及びその家族のことである。


<資料1>

(出所:厚生労働省)


<資料2>

(出所:厚生労働省)

介護の将来像

2013-08-18 22:10:42 | 日記
国の介護政策が目指しているものは何か。それは「地域包括ケアシステム」の確立で、目標とする時期は2025年。医療その他の政策との、まさに包括的な社会保障サービスの提供体制のことである(資料1)。

国の政策でありながら、社会保障サービスの実施主体は地方自治体だ(資料2)。介護保険制度と地域包括ケアシステムの関係を考えると、端的には、介護保険財政資金をどこにどれだけ配分するかということである。

介護給付の総費用額は、2000年度3.6兆円 → 2010年度7.8兆円 → 2013年度9.4兆円 → 2025年度21兆円(見通し) 。

この限られた公的資金をいかに効率的かつ効果的に配分するかが最重要である。介護サービス利用者一人当たりの介護給付額を極力抑制することが介護政策の基軸の一つになるべきだ。



<資料1>

(出所:厚生労働省)

<資料2>

(出所:厚生労働省)

介護の希望(本人の希望・家族の希望)

2013-08-17 15:58:12 | 日記
厚生労働省の資料によると、「介護の希望」については本人・家族それぞれ以下のような調査結果になっている。

本人の希望(資料1)としては、「家族に依存せずに生活できるような介護サービスがあれば自宅で介護を受けたい」(46%)、「自宅で家族の介護と外部の介護サービスを組み合わせて介護を受けたい」(24%)。

家族の希望(資料2)としては、「自宅で家族の介護と外部の介護サービスを組み合わせて介護を受けさせたい」(49%)、「家族に依存せずに生活できるような介護サービスがあれば自宅で介護を受けさせたい」(27%)。

これは、施設・居住系のような入所介護よりも、在宅系の通所介護・訪問介護の方に高いニーズがあることを示していると言えよう。

本人・家族いずれも「自宅で家族中心に介護を受けたい・受けさせたい」が少ないのは意外であるが、現実的には家族中心よりも外部中心の方が結局は良好な家族関係が保てるのではないだろうか



<資料1>


<資料2>