生活保護費は引下げか引上げか ~ 報道ぶりが真逆の毎日新聞と朝日新聞

2013-10-06 23:48:53 | 日記
一昨日、厚生労働省・社会保障審議会生活保護基準部会で生活保護制度の見直しに係る検討が始まったことを受けて、昨日の毎日新聞ネット記事朝日新聞ネット記事は、ともに厚労省の検討方針を報じているが、その内容が真逆だ。

毎日記事では「生活保護は8月に生活費にあたる「生活扶助」の減額が始まったばかりだが、今回の見直しも全体では引き下げとなる見通し」とあり、朝日記事では「来年4月からの消費増税で物価上昇が見込まれるのに対応して、(略)生活保護費の引き上げを検討する方針(略)」とある。どちらが真なのかは今後の検討過程で明らかになるが、厚労省資料には、消費増税と生活保護費の関係に言及されてはいない。

消費増税は痛みの分配なので、消費増税に伴って恒久的な公的支援措置が拡大されるのはおかしな話である。しかし、生活保護制度の性格上、実質負担を据え置き、名目負担を引き上げるための増額改定となろう。消費増税に伴う影響緩和の観点では、マクロの計算上では生活保護の需給両側でとんとんにするはずだ。他方で、生活保護制度が見直しの過程に入れば、『全額税方式の100%補助金』であることから、一人当たりの総額を抑制していくか、自己負担を求める補助率を設定するか、或いはそれに類する制度変更に向かうことは容認せざるを得ないだろう。