
お休みの日、ちょっと買い物にいってくるね、といって、
オレコのお父さんに、オレコのお守りと留守番を頼み、出かけていったのだった。
自宅はいま、工事をしているのだが、ベランダに人が出たり入ったりする。
その日もそういう日だったので、怖がりのオレコは吠えたり、泣いたりするので、
お守りをよろしくね、といって、出かけたのだった。
すぐ帰るつもりだったけど、30~40分は行ってきたのかなあ。

帰ってきたら、玄関に、
オレコの好きな「ごりちゃん」がころんと転がっていた。
あれ?おかしいな。
出かけるときはなかった気がするけど。
リビングの扉を閉めてきたので、オレコひとりで来るはずはないし。
もしかして、ふたりで散歩にでも出かけたのかな?
ん?でもセコムしてなかったし。いるのかな?

部屋に入っていくと、もうひとつのお気に入り、
おさるぼうをくわえてぶんぶんしっぽを振るオレコ。
ごりちゃんのことを聞こうと思って、あのさあ、と話しかけたら、
かぶせるようにオレコのお父さんが、
「さっきおもしろいことがあってさ」
と笑いながら言う。
「オレコが扉みて、くんくん泣いたからさ、
“よし、おーちゃん、おかあさんのところいこっか!”って言ったら、
“ほんと!”って、大喜びで、ごりちゃんくわえて、玄関まで走って行ったんだけど、
“あれ、おかあさん、いないねえ?”って言ったらね、オレコね、
“なんで玄関開けないの?お外いかないの?おかあさんお外なのよ”って怒ってね、
ごりちゃんを「ぽいっ」て捨てて、部屋に戻っちゃったんだよ~」
と、おなかを抱えて笑ってました。

なーるほど。
それでごりちゃん、
ひとりで玄関にいたのかー。
そしてごりちゃんはそのまま、
なぜか月曜日の夜までそこにいたのでした。
かわいそうな、ごり。