あるタカムラーの墓碑銘

高村薫さんの作品とキャラクターたちをとことん愛し、こよなく愛してくっちゃべります
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<七係>シリーズ・・・とは、何ぞや!?

2005-08-17 23:35:02 | <七係シリーズ> 再読日記
昨夜未明から、<七係>シリーズ を再読しています。

『マークスの山』 『照柿』 『レディ・ジョーカー』 に登場する刑事・合田雄一郎と、彼の所属する、捜査一課第三強行犯捜査班第七係 の面々が登場し、活躍する連作中短編シリーズ。
通称は <七係>シリーズ ですが、正式名は『警視庁捜査一課第三強行犯捜査第七係』 といいます。一回で覚えられたらスゴイよ・・・。(私は無理だった。今も一字ずつ確かめて入力したもん)

これは、単行本にも文庫にもなっていません。高村さん曰く、「フロッピーは破棄したし、本にするつもりもない」 とのこと。書籍になっていないゆえに、「幻の作品」として名高いのです。
何といっても、高村作品キャラクターの中で人気の高い、合田さんの物語でもあることが、要因の一つでしょう。

<七係>シリーズ は、全部で五話の物語です。以下に各話のタイトルを挙げておきます。
  第一話 東京クルージング
  第二話 放火(アカ)
  第三話 失踪
  第四話 情死
  第五話 凶弾


続いて、<七係>の面々。
  林省三(はやし・しょうぞう) 警部。七係の係長。五十三歳。あだ名は《モヤシ》
  吾妻哲郎(あづま・てつろう) 警部補。七係の主任。三十六歳。あだ名は《ペコ》
  合田雄一郎(ごうだ・ゆういちろう) 警部補。七係の主任。三十三歳。あだ名は、何故かこの人だけついてない。
  肥後和己(ひご・かずみ) 巡査部長。七係の部屋長。四十三歳。あだ名は《薩摩》
  有沢三郎(ありさわ・さぶろう) 巡査部長。三十五歳。あだ名は《又三郎》
  広田義則(ひろた・よしのり) 巡査部長。三十五歳。あだ名は《雪之丞》 ←<七係>の中では、合田さんを除いて、私のご贔屓キャラクター 
  森義孝(もり・よしたか) 巡査部長。三十歳。あだ名は《お蘭》
  松岡譲(まつおか・ゆずる) 巡査。二十八歳。あだ名は《十姉妹》

初出誌は「小説現代」1993年の4、6、8、10、12月号です。雑誌に掲載だったので、表紙の横の柱に載っている煽り文句がなかなか面白い。
この1993年は、『リヴィエラを撃て』 で、第46回 日本推理作家協会賞(長編部門) と 第11回 日本冒険小説協会大賞 の二つを受賞、『マークスの山』 で、第109回 直木賞 を受賞した年。受賞後の掲載分には、「日本推理作家協会賞受賞第一作」だの、「新直木賞作家の人気シリーズ」だの、煽る煽る(笑)

時間軸としては、『マークスの山』 の数ヶ月後。『照柿』 にも食い込むかもしれません。
しかしあまり細かいことをいうのも何ですので、<七係>シリーズ に関しては、「パラレル・ワールド」 だと考えた方が、無難でしょう。

さてせっかくの機会ですので、<七係>シリーズ再読日記 のカテゴリを立ち上げました。いつものように、「あらすじ」と「個人的な読みどころ(ツボにハマったところ)」と「名文・名台詞」の三本立てで、既読の方にも未読の方にも楽しめるような記事を綴れたら・・・と思っています。

高村さんの長編を読みなれている方には物足りないかもしれませんし、「どうみてもページ数が足らないな」と思われるような、駆け足で締めくくった物語もあります。高村さんご自身にとっても、不満足な出来のシリーズかもしれません。

でも、それでも、魅力溢れるシリーズであることは、否めません。何とかご自身で満足いくように加筆修正をなさってでも、書籍にしていただきたいと願っている一人です。

復刊ドットコム でも、「何とかして読みたい」という方々の声が集まっています。もしもこの記事を読まれている会員の皆様がおられましたら、よろしければ一票、ご協力下さいませ。


2 コメント

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私の場合・・・ (からな)
2009-08-16 20:23:05
マウンド13さん、こんばんは。

>どうやって集められたのですか?

当時のメル友さんから、コ●ーを頂戴しました。

年に一回、当ブログでもクイズの景品(笑)としてコ●ーをお譲りしているのですが、「待てない!」のであれば、サイドバーの下方にある「メッセージを送る」でご連絡していただけましたら、対処できると思います。

・・・とはいっても、こちらの怠け癖のせいで、かなりお待たせしている方々がいらっしゃるので、それでもよろしければ、のお話ですが・・・。

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Unknown (マウンド13)
2009-08-16 10:40:27
サイン会の時に書き込みしましたマウンド13です。

私も七係シリーズに興味が出てきて、どうにかして入手しようと思っているのですが、なかなか困難なようです。からなさんは、どうやって集められたのですか?やはり地道に古書店巡りですか?
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