あるタカムラーの墓碑銘

高村薫さんの作品とキャラクターたちをとことん愛し、こよなく愛してくっちゃべります
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「太陽を曳く馬」 連載第二十回 (「新潮」2008年6月号)

2008-05-08 00:20:36 | 『太陽を曳く馬』 連載 雑感
こういう時に限って、残業なんだもんなあ~。本日分(5月7日)のカレンダー、期待されていた義兄弟ファンの皆さん、申し訳ない。・・・根来さん視点から、もっと詳細な方がいいですか?(笑)

残業だけならまだしも、人身事故があったらしくて、JRのダイヤが乱れていたのには、まいった。ま、たっぷり時間をかけて読めたので、それでいいのさ♪


では、第二十回の雑感を、いつものように、だらだら、ぐだぐだと。
当然、まだ読まれてない方も、入手できていない方もいらっしゃるわけですから、物語の核心については、おおっぴらにネタバレはしませんが・・・警告:隠し字にしておりますが、以下は自己責任でお読み下さいませ。(『晴子情歌』 『新リア王』の内容も、そして『マークスの山』 『照柿』 『レディ・ジョーカー』 いわゆる<合田三部作>並びに<七係シリーズ>の内容についても、「既読」を前提とした上で、多少触れている場合があります。)
また、コメント欄に入力する場合、ネタバレはOKとします。もちろん
「太陽を曳く馬」限定で。未読の方はご注意下さいませ。


***

今回の概要・・・祝・連載二十回! 今回は事件が展開して、転回しましたよ~。そのため、今回分の雑感はサラッと流すつもり。

それよりも「こんな人、いたっけ?」と首を傾げてしまった人物がおりまして(苦笑) 真田正顕 という人です。覚えてます?
そこが月一回の連載の辛いところですねえ。書籍になって、毎日読み続けていれば、忘れることがなかったろうに・・・(ホンマか?)

高木宏仁和尚、岩谷渓山和尚、岡崎博法和尚・・・お勤めをされている描写が、『新リア王』で彰之がお勤めをしていた場面を髣髴とさせるので、何だか懐かしかった。

そうか、宏仁和尚が明円和尚の姪と婚約したんだったか。すっかり忘れていたわ。しかし見過ごせませんな、彰閑和尚を追うつもりだったとは!

今回分は、『正法眼蔵』を読んでいる人と読んでいない人では、かなりの理解の差があるんじゃなかろうかと思った。
そういう私は、講談社学術文庫版の第一巻だけ、昨年購入したきりで、手つかず。全巻揃えたその時に、読む! とここで宣言しておく。(毎月のお小遣いに余裕があれば1冊でも買おう、と決めてるもので。つまり物価の上昇のあおりをまともに食らってるってことだ)

閑話休題。
お勤めを行っているレ×ゴー三匹のまともな姿を見たなあ・・・、と思ったら、事件の供述や核心の証言に「ええーっ!?」・・・と合田さんほどではないが、驚いたところがありましたねえ。

とどめが今回分の最後のページ。何ですか、あれは・・・。あの行動には「プッツン」という言葉がふさわしいかもしれませんねえ。



合田雄一郎さん、並びに吉岡くん・・・合田さんの深い洞察や思考と、吉岡くんの感覚的、表面的な軽やかな発言は、逆に読み手を試しているような、選んでいるかのような気がしますね。出来るなら合田さんのタイプでありたいと、願う私。・・・無理か?

サンガとオウムは似ている、という吉岡くんに対して、合田さんもある部分は認めながらも、否定に近い懐疑を抱く。私見だが、オウムは神や仏ではなく、個人崇拝だからなあ。あるいはスピリチュアルなものへの憧憬か。「救済」という観念が欠落していると思うのですよね・・・。

毎回毎回、合田さんの思考には瞠目すべき部分が出てくる。その度に挙げることはありませんが、今回のこれは挙げておこう。

自分たち司法はこの僧侶たちの俗の部分をどうやって聖の部分から切り離すのだろうか。そんなことはそもそも可能なのだろうか。

・・・重い重い問いかけです。


***

以上、連載第二十回を1回読んだ雑感です。アカン、眠気に負けそう・・・。後日、追加修正するかもしれません。

高村さん、ありがとうございました。続きを楽しみにしております。

・・・2008年の完結は、恐らくないかもしれませんね・・・。もしもあったとしても、「第一部の完結」・・・になるのかもしれないなあ・・・、と思うこの頃。連載を読まれている皆さんのご意見は、いかがでしょう?



6 コメント

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に、二部構成でしょうか (野鍛冶屋)
2008-05-08 07:45:11
おはようございます。野鍛冶屋です。
>「第一部の完結」
あっなるほど~。そういうことも考えられますね。
感じるのは、まだ半ばほどじゃないかということで、合田さんの今の足元がやっと見えてきたところでしょうか。
何か一つ、一つ手探りで辺りの状況を確認しているようで、これから核心に向かう、地固めがされてきた。という感じでしょうか。
彰之さん、もっと出てきて欲しいです。
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感覚的に (からな)
2008-05-08 23:39:09
野鍛冶屋さん、こんばんは。

>感じるのは、まだ半ばほどじゃないかということ

はい、私もこの辺りで折り返し地点ではないかとは思うのですが・・・。
ということは、あと最低20回は連載が続くということ!? ギリギリ2009年、下手すれば2010年に完結予定・・・?

と、無駄な検討(苦笑)をしてみれば、感覚的には第一部の気分なんですよね。
いつかきっと、彰之と合田さんは対峙して、『新リア王』の榮パパと彰之の対話のような展開が繰り広げられるのではないか・・・と、期待を抱いているのですけどね。

いかんせん、高村さんは私の想像や予想の裏の裏をかく。あるいはまったく別のところへ導いて、たくさんの爆弾を落とし、なおかつ納得されてくれる展開を繰り広げるお方なので、こんな戯言を残すのも、恥ずかしいくらい。
(想像や予想は、当たったことがない)

>彰之さん、もっと出てきて欲しいです。

クライマックスには、イヤというほど出てくるでしょう・・・きっと。
上記と重複しますが、合田さんと直接話してもらわないと!

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二部かあ・・・ (ゆぅべ)
2008-05-12 22:30:17
からなさん、こんばんは。
今回、そういえば、合田は告訴状の捜査をしていたことを思い出しました。「僧侶たち」の何ヶ月かは、すっかり忘れていました(苦笑)
で、私もすっぱり忘れていました<真田正顕
「僧侶たちの俗の部分、云々」のところは、私も、合田って、やっぱり凄いこと考えるなあ、と唸ってしまいました。
おっしゃる通り、二部構成という手も考えられますね。全く先が見えないのは、どうしたもんか…。
私も、合田と彰之さんの対面を期待しています。
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眠いため、支離滅裂な返信になっているかも・・・ (からな)
2008-05-13 00:32:18
ゆぅべさん、こんばんは。

>私もすっぱり忘れていました<真田正顕

このエピソード自体、忘れてましたよね(苦笑)

>合田って、やっぱり凄いこと考えるなあ

この人、哲学者が天職ではなかろうかという気もしますね。哲学者は、疑わないと始まらないから・・・。一生を探求に費やすのではないか・・・?

>全く先が見えないのは、どうしたもんか…。

そこが連載の辛いところですよね~。
書籍になってしまえば、ネタバレされない限り、自己責任で適当なページを開くことが出来るから。最終ページを開かない限り、先があるから。

>私も、合田と彰之さんの対面を期待しています。

会うにしても、青梅なのか、青森なのか。季節は12月になるから(物語では)、青森まで行くのは大変。

その前後でいいので、加納さんを出して欲しいです!!!!!!
義兄が現れないと、私のストレスがたまります!(笑)

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義兄… (Ki.S)
2008-05-13 20:58:44
あんまり考えたくないことなんですけど、今たぶん(いえ絶対に)加納のことなんて忘れてますよね、合田は。
それが当然なんですよね、捜査中の刑事ですものね。わかってます。わかってますけど。

うちに帰ったら思い出してほしいですね…
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せめて、夢の中でも (からな)
2008-05-13 23:39:37
Ki.Sさん、こんばんは。

>加納のことなんて忘れてますよね、合田は。

仕事中とはいえ、時々あるパターンとしては、

1.9.11 → 2.貴代子さん → 3.義兄

という連想が合田さんの基本なんでしょうけど、仕事中にたまに1は思い浮かべることがあっても、3までにはなかなか到達してくれませんねえ・・・。

『マークスの山』では、義兄も間接的に事件に関わりがあったから、捜査中に思い出すこともありましたものね。
文庫版では、「今すぐ加納に会いたい」なんて、こちらが狂喜乱舞しそうなことを思っておいて! なのにすぐさま否定したため、地に叩きつけられました(←オーバー表現)

当時も今も、義兄の方から接触をはからないと、ダメなのでしょうかね・・・?
せめて、夢の中でも会って欲しい(ロマンティックすぎますか)
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