あるタカムラーの墓碑銘

高村薫さんの作品とキャラクターたちをとことん愛し、こよなく愛してくっちゃべります
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「我らが少女A」 第3章 1~15 (連載第67~81回)

2017-10-25 23:51:47 | 我らが少女A 雑感
合田さん&加納さんが出たからには、先にこちらをやらねば。

「合田さんと加納さん」、「それ以外」の二極に更新が分かれてしまうのは、もう仕方がないですね(苦笑)

そのとき、顔を知っているあの刑事が小野の眼の前を通り過ぎてゆき、記憶の泡がぱちんと弾ける。

名前が出てないけど、もちろん合田さん。

それからしばらくしてホームには六、七十人の少年野球チームや、スポーツバッグを提げた四、五十人の中学生、また別の少年野球やサッカーチームと笑い声のさざ波が吐き出されて、このときばかりは小野の手は切符でいっぱいになる。

え!? 西武鉄道って自動改札機がないの!? ・・・とビックリしたところ。
いや、だって西武でしょ? あるいは主要沿線だけ自動改札機を設置してるの? 

日本で一番早く自動改札機が設置されたのは大阪だっけ? 物心ついた頃から私鉄や地下鉄では自動改札機がありました。
JRは更に遅れて平成時代の半ば頃に、自動改札機に切り替えが始まったんだったか?

そう応じながら、<下町っぽさがおしゃれ>といった雑誌の特集に出てきそうな、いかにも意識の高そうな若い女性たちやカップルが、潤んだ眼でワイングラスを傾けていそうな店を想像する。優子は後悔することにならないだろうか。

なかなか敏感、デリケートな気遣いをする彼氏ですなあ、小野雄太くん。

真弓が銀行員の夫と暮らすのは、駒沢公園そばに建つ瀟洒なマンションだ。

また銀行員か! 小野雄太の彼女・優子ちゃんも信金の行員だから。
真弓ちゃんの夫は、都銀かな?

怖いもの知らずの少女たちは、大人たちを遊び半分で次々に手玉に取りながら、息をするように嘘、黙秘し、ほくそ笑む。人を傷つけ、自らを傷つけながら、それでも圧倒的に優勢な自身の若さにしばらくは酔いしれていられる。十二年前の真弓は、そういう少女たちの一人だったのではないか。父親の恥ずかしい行状を聞いて頭が真っ白になったというのとは、少し違ったのではないか。
しかし、そういう少女たちのなかでも、傷ついた十代を清算して落ち着いた人生を手にした真弓は、ある意味、自身の感情の記憶を改変するのに成功したことになる。


中高生の「制服の魔力」というのか、これは一種のブランドみたいなもので、過去にも現在にも存在するんですよね。
制服を着ていた高校生から、私服になった大学生になったとき、金メッキが剥がれたような感覚がありましたよ。

調子に乗るなって言ったら怒ります? ミラとかリナとか、ぼくに何の関係がある。栂野真弓ももう過去の人だし。いま関心があるのはモンストの<英雄の書>だけ。超絶・爆絶クエスト二十五種で、5×5のビンゴ!

浅井忍くんの喋り方は、マークスくんやら、福澤秋道やら、井上克美を思い出す。


合田さんのターンがどれくらい続くか分かりませんが、キリのいいところで、そして残業でなかったら、明日か明後日くらいに1回、更新したいです。

妖しさ全開、義兄弟。

「我らが少女A」 第2章 32・33 (連載第65・66回)

2017-10-08 00:54:21 | 我らが少女A 雑感
しかし、在りし日の光景はいつも、平板すぎるほど平板になって甦ってくるものだ。四十代半ばといえば、体力的にも能力的にも、もっとも充実していたはずだが、当時の捜査状況を振り返る視点自体が五十七歳のそれだからだろうか。細部は一つ一つ鮮明なのに、人も出来事も、そこにあったはずの緊張や興奮が抜け落ちたいまは、どれも水分を失った皮膚のように干からびていて、あまり感興を覚えるようなものではない。

どちらかといえば精勤な刑事だったという自負はあるが、あのころは刑事生活二十年にして職務への惰性や倦怠や、こころの緩みが入り込んできているのを感じ、ひそかに焦燥を覚えていた時期だったのかもしれない。

否、事件には結びつかない、まったくの個人的な感情だということにも気づかないまま、数秒少女に見入った、そのときの自分の心身を、合田はいままた胸苦しく感じる。あの日、斎場でのあの数秒の脱線にあったのは、刑事の自分が大事な何かを見落とし、見失ってゆく一つの過程の始まりだ。

欠けていたのは想像力か、集中力か。それとも執念か、それらを合わせた自身の捜査能力か。

「刑事・合田雄一郎」の描写で、気になったところ、引っかかったところを挙げました。

今まで経験してきた事件でも、例えば集中力一つにしても、物凄く集中するときもあれば、散漫になったときもありましたよね?

今回もしつこいほど綴られているのは、年齢差からくる違いを強調するためなのかしら?

そして第2章の締めくくり。

合田はまた少し意気消沈し、あの日初めて気づいた調布飛行場の小型機を思い浮かべる。ああ、こんなに近いのかと軽い驚きをもってそれを仰ぎ見た数秒、どこかにあるのかもしれない別の人生、あるいは四年前にニューヨークの世界貿易センタービルで死んだ元妻のことでも考えていたのだろうか。

ご う だ さ ん ・・・!

個人的に「貴代子」が話題になっていたときに、あまりにタイミングよく「貴代子」がきたので、笑っていいのか嘆いていいのか。

疑問形なのは、記憶が不確かで曖昧だから、ですよね?

だけど『照柿』で貴代子を愛してなかったとまで言い切っていても、一度は妻になった女性だし、加納さんの双子の妹でもあるし、まさかの人生の終え方だったし・・・思い出すのはしょうがないか。目くじら立てるほどでもないか。


そういえばこの飛行場って、約1年ほど前に離陸直後に民家に墜落した出来事があったと思いますが、この場所なの? 違います?

***

第2章が終わり、第3章に入りました。

3回分をA3用紙に貼り付けている私としては、3の倍数で区切りがいいと、非常に助かります。


「我らが少女A」 第2章 30・31 (連載第63・64回)

2017-10-05 00:31:20 | 我らが少女A 雑感
第63回。 見逃せないところが多くて、脳内処理が追いつかない。

加納は、心臓のペースメーカーを埋め込んで七日目に病院を抜け出し、高裁の部総括の奥さんの、御歳(おんとし)九十七になる母親の葬儀に出かけていった。

初っ端の固有名詞2文字の、この破壊力といったら! 心臓、跳ね上がるでしょ! ペースメーカー装着している義兄だけに!(←シャレにならん)

今までの小説で、キリのいいところで、場面転換のところで、冒頭に加納さんの名前が出てくることはありましたよ。
しかし、こんな唐突に突然、こちらが読むぞ、と紙面を開いた途端、いきなり「加納」の文字が飛び込んでくると、ホントに心臓に悪い。
あまりの唐突さに、1回分掲載がトンでしまったのかとも、思いましたよ。

実は昨日は、帰宅してから夜に読んだんですよ。(父が朝刊を取りに行ってくれないから)
朝に読まなくて良かった! 一日中、仕事になりませんよね。

それにしても上司の妻の親の弔事にまで雁首をそろえるヒラメたちの一匹に、友人が本気でなろうとしたはずもない。急な入院で仕事に穴をあけた失点は、厳しい見方をすればもはや完全には挽回不能というほうが正しいし、そうであればわざわざ安静第一の身体を押して、いまさらヒラメになる必要もないからだ。

『レディ・ジョーカー』で、上司のゴルフに付き合っていた加納さんを髣髴とさせますね・・・。

案の定、友人は<無事、戻った。予想以上に疲れた>とメールをよこし、続けて<日華斎場は、美術教師が殺された野川事件のときにおまえが話していた場所だと思いだしたので、覗きに行ってみた。白と青の小型機が飛んでいるのを見た>などと書いてきた。

加納さんは覚えてるのに、合田さんときたら、↓こうだ。

斎場の話をした--? 合田は十二年前に自分が事件の話を友人にしたこと自体を忘れてしまっていたが、並外れて記憶力のいい男が、そうは言っても昔の話を一つ思いだしたからといって、わざわざその現場を見に行ったというのには、直感的に違和感を覚えた。昔からときどき突飛な行動に出る男ではあるが、マイペースというのとは違う、見えない糸に操られて、まだガーゼも取れていない術後の身体を、大して意味があるとも思えない場所へ運んでみた末に、<疲れた>と吐露する。これも、思いがけない病気から来た鬱か。あるいは、ステロイド投与で身体の不調が強く出ているのか。

話したことを忘れていたのか?
だけど現場を離れているとはいえ、さすが刑事、「直感的に違和感を覚えた」と。ふむ。

あれこれ思いめぐらせた末に、合田は<帰りに寄る>と返信し、夕方、あまり顔色のよくない当人に会った。これまでゆっくりゆっくり動いていた心臓が、いきなりぴくぴく精勤に動きだしたら、そりゃあ気持ち悪いに決まっているだろう。友人は言う。まるで誰かが身体のなかにいるみたいだ、何をしていても落ち着かない。日華と聞いて突然、昔おまえに聞いた事件を思いだしたりする。あのときおまえが見たと言っていた小型機が今日も飛んでいたよ。あの事件はどうなった?

これ、質問というより尋問って感じがするね。

友人の脳内で何かが起きているのだろうか。合田は臓腑に冷たい金属が触れるような不安を覚えながら、俺がおまえに小型機の話をしたって? 何を考えていたんだろうな、言葉を濁し、無理に笑みをつくってみる。

おまえ  おまえ  おまえ

合田さんが加納さんを「おまえ」呼びするなんてー!!

私たちの知らないところでは「おまえ」と呼んでいたこともあったでしょうが(例えば大学生の頃)、こんな公に描写されるとは。
義兄を「あんた」呼びしていたのがウソみたい。 それだけ二人の心の距離が近くなったということ?


第64回。

そうして話していた間に、友人はまたどんな想像をめぐらせたのだろう。十六歳の被告にまんまと騙されて観護措置の決定を見送った判事を知っている、などと言う男は、いつもの恬淡とした顔つきに戻っており、なにがしかの異変はこちらの気のせいだったのかもしれないと、合田もわずかに白々とする。

うーん、この辺りを読むと、お互いを理解出来ない部分も持っているんだなあ、と再認識しますね。
何もかも分かって知りすぎてしまったら、つまらないもんね。

いや、そこまでは行かなかった。女優志望のものすごい美少女はいたけど。
へえ、そいつは続きを聞かないわけにいかないなあ。友人はついに笑い出す。


ご・う・だ・さ・ん!! あなたは何を加納さんに喋ってんの! またも合田さんの胸ぐら掴んで、揺すりたい衝動に駆られます。

しかし笑ってかわす、余裕の義兄・・・。実際のところ、内心はどうなんだろう? 「しょうがないな、雄一郎は」と思ってるのかな。

合田さんって、精神的には両刀使いのところがありますよね? 文庫版『LJ』で、男にも女にも欲情する・・・というような描写がありましたよね?
これが合田雄一郎という人間ならば、もう、しょうがないってところか。

そのうち機会があったらな。それより、退院祝いしてやるから、早く元気になれ。急がないと桜鯛の季節が終わってしまう。

退院祝いは、どこかの料亭で? それともどちらかの住まいで?
それよりも加納さんは、判事を続けられるんでしょうか・・・?


「我らが少女A」 第2章 23~29 (連載第56~62回)

2017-10-04 23:41:32 | 我らが少女A 雑感
しかし、捜査本部のテーブルに肘をついて、どこかの名もない少女へと思いを馳せたこと自体、数秒後には捜査責任者の意識から流れ落ち、当面はもう呼び戻されることはない。

焦らしますねえ、高村さん。 合田さんが、いつ、どこで、上田朱美と出会うのか、知りたいような知りたくないような。

いや、別件です。検事は譲らず、合田は、では一旦釈放はするが、親の承諾を得て任意で調べを続けると検事に告げ、電話を切る。犯罪捜査規範や刑訴法に基づく判例は、合田も知らないわけではないが、捜査の現場はぎりぎりの線で法律とせめぎ合っている。

合田さんが検事とやり合う場面があると、「もしも検事だった頃の加納さんが相手だったら・・・」と、ついつい想像してしまいます。
加納さんは民事を担当する検事だったから、まず有り得ないんですけどね。

伊豆諸島への定期航路の小型機

この「伊豆諸島」で、森義孝こと<お蘭>を思い出すのは、私だけではありますまい。
未だに八丈島にいるとは限らないけれど、無条件反射みたいな感じで、どうしてもね。

たとえば式場の入り口の外にいた合田は、正面の祭壇脇に立っている栂野孝一の眼が誰かを捉えるように動くのを見、少し移動して孝一が誰を見たのかを確認すると、そこには高校生の少女数人がいた。ショートカットでノッポの一人は、ひょっとしたら上田朱美か--?

ここ、「栂野孝一の眼」が「上田朱美」を捉えたことに、隠微なものを感じ取ったんですが・・・。 娘の「真弓ちゃんの同級生」というだけではない、何か不穏なものを。

さて、合田さんはどうなんだろう?

・・・と思う間もなく、昨日(連載第63回)の爆弾ですよ。
続けて、記事を作成します。

「我らが少女A」 第2章 9~22 (連載第42~55回)

2017-09-26 00:28:37 | 我らが少女A 雑感
間、空き過ぎですね。 申し訳ないです。

「合田さんが出たら更新しよう」と思いつつ、「翌日も出たら中途半端だな」と思い直して、(勝手に)裏切られて・・・の繰り返しで。

だから、合田さん関連しか取り上げません。 本当にごめんなさいです。


殺人犯第五係のデスク主任が、少し前に手元に回ってきたメモに眼をやる。 (略) 主任はメモを幹部の机へ滑らせ、合田がそれを見る。

捜査会議はちょっと中断し、合田は、被害者宅に侵入した少年の取り調べ状況を確認しに行くよう、五係のサブ主任一人と府中署の捜査員一人に指示する。


ふうん・・・合田さんが7係にいた頃は、ペコさんとのダブル主任、どちらかといえばペコさんが上で合田さんが下、という雰囲気でしたが、今では「デスク主任」「サブ主任」と明確なんですか。

いや、再三述べてますが、私、警察小説は高村作品以外、読んだ記憶があまり無いので、無知なんです。


日本語が通じるだけマシだ、合田は思う。

ああ・・・『太陽を曳く馬』の福澤秋道を思い出しますね。


午後九時、合田は理事官ら捜査幹部に一斉メールを送る。

昔はFAXで流していたのに、隔世の感がありますねえ。


浅井隆夫は、その数分のことを正確に思いだすことができない。言葉は丁寧だが、いかにも事務的でスキがない合田という本庁の警部。忍を逮捕したと簡単に言ってくれたが、野川の事件絡みなら別件逮捕ではないのか。

浅井隆夫さん視点からの合田さんに、ちょっと笑いました。
そうそう、合田さんを知らない人から見ると、ほとんど例外なく、こんな印象でした。

別件で引っ張る手法、多用してませんか、合田さん? 小説になっていない事件では、どうなのかは知りませんが。


母が父にクラミジアをうつされて、父はどこで誰に病気をもらってきたのかという話だった。その後どうなったのか知らないが、ちょっとショックだった。友だちに話したら、よくある話だと笑うけど、私は絶対に男子とセックスはしない。

これは栂野真弓ちゃん。
私もそうでしたが、この年頃の女の子って、父親を疎ましく思ったり、性に関して汚らわしく思ったりする時期がありますよね。

恥をさらしますが、私の父は、小学生低学年の頃に、愛人の家に私を連れて行ったことがあるんですよね。 その時は「母の友達」と言われて分かりませんでしたが、実は「父と別れた恋人」と母に聞かされたときの私の気持ち、分かります?

最も親しい存在である父且つ男に、なんでこんな仕打ちをされなきゃいけないのかと。 その時点で「この男の血は残したくない」と思って、「私は結婚しない」と誓ったもんな。

だから私は、現実の人間と付き合ったことも恋愛したこともございません。
どんなにいい男性がいても、「どうせ父のように、いずれは人間として下の下になるんやろ」と思うので。
どうしても二次元の存在にしか、恋できないんだなあ・・・。

閑話休題。


午後、その浅井に面会した国選弁護人は微罪を理由に釈放を強く要求したが、合田はひとまず拒否した。

いいのかなあ、合田さん。未成年だし、ちょっとは手加減しても、と思うのだけど・・・。


捜査責任者の合田は、逐一それに眼を通し、現時点での捜査の過不足と明日以降の見通しを立ててゆく。事件発生から二日目ではあるが、予想以上に視界不良、というのが合田の感想だ。とくに、生前のVの姿がまるで見えてこない、と思う。

そりゃあ家族といっても、血は繋がっていても、家族に見せる「顔」以外の「顔」は、ございましょうよ。


合田はデスク主任から回された数件の参考人聴取のデータを見ていたときに「上田朱美」の名前が眼に留まり、三度目だ、と思う。最初が栂野真弓の供述、次に小野雄太の供述のなかに出てきて、三度目が本人。補導歴多数という但し書きを除けば、被害者と遺族の周辺にいる子どもの一人というだけで、とくに眼に留まる理由はなかったが、たまたま気分が緩んでいたのだろうか、数秒ノートパソコンの画面に浮かんだその名に見入り、どんな少女だろう、と考えている。

久しぶりに合田さんの胸ぐらを掴んで激しく揺すりたい衝動にかられたところ。
ホンマにあーたって人はぁぁぁ!

で、この後、上田朱美本人と対面するんですかね? 連載第17回で、

こちらが三十年若かったら、間違いなく惚れていただろう、あのときの少女A。

と。


「我らが少女A」 第2章 1~8 (連載第34~41回)

2017-09-12 22:46:12 | 我らが少女A 雑感
新聞休刊日だったので、ここで1回やっておきます。
しかし作成中に眠気に負けて、日曜・月曜と更新できませんでした。

12年前の栂野節子の殺害、通称「野川事件」。
緊密で細密な捜査の描写が、「ああ、高村作品読んでいるなあ」という気にさせられますね。

本庁から第三強行犯捜査の担当管理官と殺人犯捜査第五係の係長とデスク主任、現場鑑識一個班、第一強行犯捜査の現場資料班と科学捜査係、地検八王子支部の本部係主任検事らが相次いで臨場した。第五係は合田が係長を務めており、年初からの六本木の外国人殺しの捜査で、片言の英語しか話せないウルグアイ人だのイラン人だの、カメルーン人だのを相手に消耗する日々からの転戦だった。

第2章に入った現在、合田さんの名が出ている唯一のところ。
『冷血』の<警視庁第二特殊犯捜査第四係長・警部>から、<殺人犯捜査第五係長・(恐らく警部のまま)>に、異動したんだね。

「外国人殺しの捜査」で思い出すのが、<七係シリーズ>の第五話「凶弾」ですね。
片言の広東語や韓国語を駆使して、街中を捜査していた合田さんやお蘭が、懐かしいです。

ウルグアイはスペイン語、イランはペルシャ語なのは分かりまですが、カメルーンの公用語は何? と調べたら、一応は英語とフランス語らしい。他にも10種類程度の言語があるそうで・・・。


以下は被害者の家族と、警察側の描写で、気になったところをピックアップ。

ある日突然、悲劇の当事者となった被害者遺族たちは、みなよく似ている。あと一センチ水位が上昇したら溺れてしまう水槽のなかで、身じろぎもせずに息を殺し、何かの拍子に水面が揺れると、さらに身を固くしてある者は苛立ち、ある者は思いつく限りの悲哀をかき集める。時間を止めることでかろうじて平静を保ち、少しでも時計が動きだすと、怒りや失意が新たな雪崩れになる。


そうして家庭の事情を話すうちに、いつの間にか死体となった母よりも、娘への思い入れを吐露している。これも、いくらかは事件の衝撃からの無意識の逃避だろうかと刑事たちは慮り、黙って雪子の話に耳を傾ける。


孝一はのっけからそんな話をして、刑事たちを驚かせる。ひとたび家族と切り離されるやいなや、仕事や家庭に倦んだ中年男の本音が出た、というのではない。おそらく孝一にはもともとこうした露悪的なところがあり、隠れた自己顕示欲が絶えず表に出る機会をうかがっている、といったところだろうか。


もっともこれらは、事件発生当日に行われた形式的な聴取に過ぎず、遺族たちが自ら申告する<ふつうの家>を、警察がそのまま受け止めることはけっしてない。




「我らが少女A」 第1章 32~33 (連載第32~33回)

2017-09-04 23:45:04 | 我らが少女A 雑感
32回目は月初めなので、今までのあらすじが載るのですね。 長い間、新聞小説を読んでいないので、失念してました。

捜査員の誰かがターナーの絵のようだと言ったとおり、武蔵野の風景は空と水と、そこから生まれる水蒸気を含んだ空気の光がつくりだしているに違いない。しかしいま、合田の網膜、あるいは海馬に広がる野川の景色に、ターナーの光はない。

32回の挿絵はターナーの絵画でしたね。

約3年前に「ターナー展」があり、無料券があったので観に行きましたが・・・ゴメン、本音を言えば、観てて飽きました(苦笑)
もっと白状すると、観に行く前から「飽きるだろうな」と確信してた。

だってほとんどの絵が、構図も色彩もほぼ一緒だもん!
極端なことを述べれば、絵のタイトルを別のものに変えても、「あー、そうなのか」とすんなり信じてしまうんじゃないか? と思うくらい、似てる。

美術館の中の数点なら、まあいいとして、一人の画家の作品だけを集めると、こういう弊害があるんだなあ。
それでも大好きな画家ならば飽きないだろうが、好きでも嫌いでもない画家の作品はねえ・・・。

閑話休題。

一幅の風景画のような景色であれ、ひとたび事件の現場になったが最後、すべてが被害者と加害者によって眺められたものとなり、刑事は是も非もなく彼らの眼に憑依する。

きたきたきたーっ! この合田さんを待ってたのよ!
合田さんのこの眼が好きなんだ。 これぞ刑事・合田雄一郎! って感じがね。

***

はい、これで第1章が終わりました。 スクラップも3枚ずつしているので、きれいに収まりました。

34回から第2章に入っています。 57歳-12年前=45歳の、殺人犯捜査第五係の係長・合田雄一郎さんの登場です。


「我らが少女A」 第1章 29~31 (連載第29~31回)

2017-09-01 00:01:54 | 我らが少女A 雑感
いやー、ここまで登場人物たちの視点が入り乱れて進むのは、すごいですね。高村作品では、久々ではありませんか?

顕在分かってるだけで、小野雄太、合田雄一郎、上田朱美を殺した男、浅井隆夫、浅井忍、上田亜沙子、栂野真弓(今は佐倉真弓)、栂野雪子・・・ですか。 合計8人。

『リヴィエラを撃て』では、モナガンさん、手島さん、ジャック、リーアン、ケリー、シンクレアさん、サラ、M・G・・・他にいたっけ?(漏れていたらごめんなさい)

『LJ』では、物井さん、城山社長、半田さん、合田さん、根来さん、久保っちの6人の視点でしたか。(これも漏れていたらごめんなさい)


見逃せないキーワードをいくつか。

そう、クリスマスの朝だった。

そうだ、あれはクリスマスの朝ではなかったか。

十二年前のクリスマスの朝

野川事件はクリスマスだったのですね。
『冷血』の事件も、クリスマスイブかクリスマスでしたっけね?

以前も叫びましたが、「クリスマスイブは義兄弟のものだ!」


なんて昏い朝--。

29回と30回に同じように出ています。

「くらい」と読むのか。知らなかった。「黄昏」か「昏倒」くらいでしか、見ないものね。
ここだけでなく頻繁に、例えば「昏い眼」の表現などで出てますね。


31回の締めは合田さん。 環状線のように多数のキャラクターの視点が、ちょっとずつ繋がっているような感覚です。


「我らが少女A」 第1章 28 (連載第28回)

2017-08-28 23:55:19 | 我らが少女A 雑感
朝から悶えました。

いや、これ、素のままで表情変えずに読めた人、どれくらいいらっしゃる?
読んでいるときの私の顔、目の前に鏡を置いていたら、とんでもない表情になっていたはず。 新聞を持ち上げて読むので、顔は家族には見られていないと思う・・・。

合田も昔の捜査メモを入れてあるDVDを引っ張りだしてみたが、

み、見てみたい! 
しかし律儀に入力して残してあるのか・・・。将来、退職したら、それを元にして「合田雄一郎回顧録」などしたためて、自費出版してくれませんかね、合田さん?


春キャベツの出荷が始まった千葉の知り合いの農家へ収穫作業を手伝いに行って関節痛を悪化させ、

キャベツ栽培、まだ続けてたんかい! 『冷血』の40代半ばからやってるから、かれこれ十数年か。すごいなあ。

で、関節痛って! 部位はどこや? 膝か、腰か、腕か、背中か、それとも別の部位? 皆さんはどこだと思ったのでしょうか?


一日は府中の榊原記念病院へ友人の見舞いに行った。友人は十五日にペースメーカー埋め込みの手術を受けたところだ。

いつのまにか手術が終わってたー! 手術中に悶々としている合田さんを見たかったのに。
それにしても「友人」ってなんや、「友人」って! 格下げしてない?


抜糸したらすぐに職場へ復帰するつもりで枕元に積み上げた裁判資料を放り出したまま、巷でベストセラーになっている新書『応仁の乱』を読んだりしているのは、いかにも仕事一途の男らしくないことだった。

そりゃあ、加納さんは聖職には就いてるけれど、「聖人」じゃないし。(単行本『LJ』参照)
だんだん「人間」に近づいているのかな? と、ここまでは思っていた。

余談ながら、中公新書の『応仁の乱』は未読ですが、現在読書中なのは、「応仁の乱」前夜を描いた伝奇小説、皆川博子さんの『妖櫻記』の下巻です。


心臓を病んだ身体を養生しながらでは、やはり、仕事もこれまでのようにはゆかないに違いない。それだけでも不本意だろうが、そろそろ独り身が不安になってくる歳なのは自分も同じだ。病気になったときは、どうする――?

まだ話し合っていないんかい! 時間は止まってくれないし、待ってくれないよ? 手遅れにならないうちに、早く話し合いましょうよ。


友人がわざわざパジャマの前を開いて、触ってみるかと言い、合田はペースメーカーを埋め込んだ友人の胸に手を触れてみた。鎖骨の下から乳首あたりにかけて、薄い皮膚の下で金属の本体とリード線が微妙な凹凸をつくって盛り上がっているのが、エイリアンみたいだとつい口に出た。

本日の爆弾。

ありがとうございます、ありがとうございます、 ありがとうございます!

出勤前にこんなの見せられたら、もう仕事にならん。 フッとした時間に思い出して、にやにやしちゃいますよ。

合田さーん! 私と代わって! 私も義兄のお肌を触りたい! ああ、でも、いざとなったら触れないかも。

そういえば担当医師や看護師さんたちは、加納さんのお肌を触っているのか・・・! うう、羨ましい・・・。

ところで、これが『李歐』の李歐と一彰だったら、お互いの心臓に口づけし合ってるだろ! 義兄弟はやらないのか? 今も欲情し合わないのか? (ジタバタ)

加納さんは単純に、「こういうものだ」ということを合田さんに分かってもらうため、慣れてもらうために見せたのでしょうけど、私たち読み手はそんな純粋な目で見ることは出来ません・・・。

あえて誤解を招きかねないことを述べますが、ペースメーカーを入れたことで、加納さんはちょっぴり人間ではなくなったような気がします。
いや、人間なんだけど、何と言えばいいのか・・・「人造人間」「サイボーグ」みたいな感覚?
人間界というか、地上界から、少し浮き上がったかのような存在になった気がしたんです。
「侵されざる存在」というべきか。 「人間」から僅かだけでも「聖人」に近づいたというか。

それが合田さんから飛び出した「エイリアンみたいだ」発言で、ちょっと肯定された気がする・・・。

この合田さんの発言に、加納さんは笑い飛ばしたのか、苦笑いしたのか。どっちでしょうねえ?


今回はまとまりがなく、支離滅裂で申し訳ございません。


そうそう、「毎日新聞」8月27日(日)の大阪版だけに載っていたと思うのですが、「ペースメーカー」の記事があったのです。 何というタイミングのよさ!

「毎日新聞」のサイトでも読めるようです。下記のリンクからどうぞ。
ペースメーカー 進化 リード線消えて小型に 直接心臓へ植え込み 断線なく、感染も減


この記事もいつか閲覧できなくなるだろうから、と思い、写真撮影下手で申し訳ないですが、記録を残しておきます。


加納さんが入れたペースメーカーは、左の写真のものでしょうね。






「我らが少女A」 第1章 26~27 (連載第26~27回)

2017-08-27 21:35:15 | 我らが少女A 雑感
課題は、別件逮捕での自白調書等が違法とされた判例の考察。判例は、別件の銃刀法違反で逮捕した被疑者を、本件の殺人被疑事実で取り調べて逮捕・起訴となった事案で、全国各地の警察署から来ている警部昇任者百五十名の聴講生は、自白調書に証拠能力がないとした判決文の要旨を精読し、捜査段階の取り調べの経緯のどこに問題があったのか、教授の合田警視の解説を聴く。

合 田 警 視 !!


はー・・・階級は警視ですか! ここまで行ったのか。 せいぜい警部になれば御の字みたいなこと、どこかの作品で合田さん、思ってませんでしたかね?
ここまで出世しちゃって・・・すごくおめでたいことではあるけれど、なんかもやもや感も覚えるんだなあ。

前後しますが、加納判事の作成した判決文も、講義で取り上げたりしてるんでしょうか? して欲しいですね。


浅井忍は父親へ忘れていたメールを打っている。誕生日おめでとう。父親だけは安心させておかなければならない。息子がまだ何者かになると信じているような人を失望させても、いいことは何もない。

子が父に気を遣う関係というのも、辛いねえ。


続いて本日回(27回)、日にちは進んで、お彼岸に。

FC東京と川崎フロンターレの試合を観に行った。味の素スタジアムは地元というより庭だが、勤務があるのでたまにしか試合を観に行けない。その日は移籍した大久保嘉人の初ゴールとFC東京の完勝に酔い、

大久保嘉人の名前に、ちとビックリ。 いや・・・「キャプテン翼」ブログもやっているから・・・ははは。


ところで、そろそろ加納さんの手術じゃないの? 明日、明後日の回に出そう? ドキドキ・・・。


「我らが少女A」 第1章 22~25 (連載第22~25回)

2017-08-26 14:48:35 | 我らが少女A 雑感
合田さん&加納さんが出たときと出ないときの差が、一目で分かる更新内容で申し訳ない。

警察官になるのも警察官を辞めるのも、呆れるぐらい簡単だった、と思う。

野川事件を合田さんと担当していた、元警察官の浅井隆夫さん。
この一文、短編集『地を這う虫』の主人公たちを思い出しますね。

うつむけた額を、先ほど駅前で一人の男性を追い越したときの光景が過る。顔を見たわけではないし、スマホ片手の相手の足が止まりかけたために追い越しただけだったが、一瞬臓腑がかすかにうごめくのを感じた。

合田さんに大なり小なり関わっていた人たちって・・・判を押したように共通の感覚を味わっている気がする。


事件前後に野川公園周辺に出没していた変態男と、栂野真弓をストーカーしていた高校生の自分が重なり、入れ替わりして、青年はいまも密かに錯乱する。

浅井隆夫さんが警察を辞める要因(あるいは遠因)になった、息子の浅井忍。
「疑わしきは罰しろ」の犠牲者だったのか、はたまた・・・?

大丈夫、いろいろあるけれど、小母さんも頑張るから。

いったい朱美がどうしたというの。男に殺されただけでは足りないというの?

上田朱美の母、上田亜沙子。
突然、娘を殺された母の心境。 1番目に挙げた、小野君への発言は・・・本心ではないよね。当たり障りのない、よそいきの虚しい言葉。

2番目が、本心だよね。


そして、警察関連、絵画関連、歯関連・・・と、高村作品に毎度お馴染みのキーワードが並びますね。
これがないと高村作品じゃない、みたいな。 悪く言えば、ワンパターンな。

しょうがないか。


「我らが少女A」 第1章 21 (連載第21回)

2017-08-22 00:26:39 | 我らが少女A 雑感
昨夜、記事にした謎の元刑事さん。やっと名前が出てきましたね。


同じころ、駅前ですれ違った当の二人もまた、どこからかやってきた物思いに囚われながら、それぞれの職場で仕事の準備に取りかかっている。

今回は合田さん視点だったので、明日以降は「浅井隆夫さん」の視点で進むかな? 合田さんの回想だけでも、いろいろあったようです。

前後しますが、

否、たんに捜査員の一人だったから引っかかったというのではないだろう。そうだ、彼の息子が別件で引っ張られたりして、いろいろあったから--。

<息子が事件を起こすパターン>は、『太陽を曳く馬』の福澤彰之と秋道の父子を思い出してしまいますが・・・。


警察大学校の合田は、ロッカールームで制服に着替える手を止めて

えっ、着の身着のままのスーツじゃないんだ!
しかし、警察大学校のサイト の講義している写真を見ても、よく分からん。 スーツ着ている人もいるよね?


野川事件をお宮入りにしたのは捜査責任者だった自分だが、あの少女Aが本ボシかもしれないというのは、ほんとうなのか。

えっ、いつの間にそんな話に。


その同じ空の下で入院している旧友へと思いが飛び、気分がふさぐのはあいつのせいもある、と自分に言い訳をする。手術は来週だ。

あいつ  あいつ   あいつ  (←エコー状態)

合田さんが加納さんへ対して、直截ではないとはいえ、初めて出てきた二人称ではないでしょうか。

「ペースメーカー 手術」で検索したら、何が何やら分からなくなってきましたが、ともあれ、加納さんの手術が無事に済みますように! 判事として復帰できますように!

判事を辞めるという最悪の場合でも、合田さんの扶養家族になればいいのよ、加納さん!
ウン百回も描かれたり書かれたりした二次創作のように、一緒に暮らせばいいの!

私は今の今まで「二人が一緒に暮らす」という選択肢には懐疑的だったのですが、ここにきて現実的になってきたんじゃないか、と思えてきました。 如何?


「我らが少女A」 第1章 18~20 (連載第18~20回)

2017-08-20 21:26:03 | 我らが少女A 雑感
合田さん(並びに加納さん)が出ないと、更新する気が起こらないんだよねえ。 困ったもんだ。

顔を知っているあの刑事が、警察の集団からだいぶん遅れて、ひとりスマホを耳にあてて誰かと話をしながら改札を通っていったこと。一つは、駅前の通りに出たその人が、後ろから追い越していったもう一人の男性に気づいて、急に足を止めたこと。そして、声をかけようとしてスマホの手を一瞬前方へ伸ばし、引っ込めたこと。

小野くんが知らない、合田さんが声をかけようとしてやめたという元刑事が誰なのか。 これも上田朱美を殺害した男と同様、名前が出ませんね。

合田さんが電話している相手は加納さんなのか、それとも事件関係者からなのか。 ・・・後者っぽいかな。

警察大学校へ行く前、あるいは帰る前に、加納さんのところへ寄ってるよね? 洗濯物の交換とか差し入れとか話し相手とか、お世話しないとね?


「我らが少女A」 第1章 17 (連載第17回)

2017-08-18 00:55:55 | 我らが少女A 雑感
こちらが三十年若かったら、間違いなく惚れていただろう、あのときの少女A。

ちょっと合田さん! 何言ってんのアンター!!
  と朝からずっこけかけた、この一文。

12年前の事件とはいえ、年齢的には父と娘くらいだろうに。 ホンマに男ってえのは、若い女なら誰でもいいのか。 あるいは、合田さんの好みにドンピシャだったのか。

下世話な話ですが、加納さんとは肉体関係、結局はなかったのか?
それとも、心と身体は別、ですか?

合田さん、精神的には男も女も受け止める、受け入れることのできる両刀遣いのところがあるよね・・・と思うことがあるので、これはこれでしょうがないのか。


夕飯のおかずに買ってきたメンチカツの油が匂い立つ。

まったくの余談ですが、大阪では「ミンチカツ」です。
お肉の「ヘレ」は、大阪では「ヒレ」です。

単行本『マークスの山』での合田さんの迷言

「豆腐とがんもどきを取り違えるような男の話は、私なら信用しません」

の「がんもどき」は、大阪では「ひろうす」と言います。


合田さんから受けた衝撃を、このようにどうでもいいことで紛らわす(苦笑)


「我らが少女A」 第1章 14~16 (連載第14~16回)

2017-08-16 22:24:58 | 我らが少女A 雑感
先程、13~15回の分を切り抜いて、A3用紙に貼り付けました。これで5枚目。

上田朱美を殺害した男の名前が、未だに出ませんね。 どうしてなのかな? 何かあるのかな? ある、と思いたい。

事件が発覚したばかりなので、あまり感想がないのだよね。

そこが新聞小説の辛いところ。先に進みたくても、続きがないから進めない。
だけど良いところもあって、内容を知るのは、皆さんほぼ同時。 不本意なネタバレに遭遇しなくて良い。


10日ぶりに合田さん登場。
ふむふむふむふむ、こうなってああなって、合田さんに繋がるのか。

かつての同僚でいまは池袋署刑事課の課長代理をしている男

私たちの知っている人かなあ?

それにしても合田さん、この日はありとあらゆる出来事がどっと降ってきて、自己処理できるのかなあ?
プライヴェートでは加納さんのこと。 仕事では前に関わった殺害事件のこと。

いくら合田さんとはいえ、年齢的に記憶力が薄れつつあるのでは・・・?