退院した翌々日、早速外来に行くことになりました。
退院しても、いまひとつホッとしなかったのは…まだ病理検査の結果が出ていないからでした。
退院の日の診察の時に先生が、『病理検査の結果が来ていないので、外来で来ていただくことになります。』ってこの日を指定してきたわけですが。
そのときに先生…外来の内線に電話をかけ『外来の予約を入れてください。ええ。そうです。遅い時間がいいですね。病理結果が出て説明に時間のかかりそうな患者さんなんで。』なんて言うんですよ!本人の目の前で!!ちょっとそれどういうこと??
わたしゃ悪いの?そんなに悪いの?じっくり時間掛けて告知ってか!!!!
カッチーンと来たので電話を切った先生に『すいません!私そんなに悪いんでしょうかね?』と聞いたらば、厳かに『…顕微鏡レベルの話なんで、入院前にもお話したとおり浸潤の具合によっては子宮の摘出であるとか卵巣などの摘出もありえますね。』なんて言うんですぅ。
でもさ!今はまだわかんないんじゃん!その説明は確かに聞いたけど、見た目の病巣の顔も悪いのかもしれないけど、言葉はもっと選ぼうよ。
ただでさえガンだガンだ言われてナーバスになってんだからさ。
なんかねぇ…本質はいい人なのかもなぁって気がして、嫌いになれないんだけど、どうもこの人の言動に違和感があって、しっくり来ない。
よっぽど悪くて転院するのでなければ、これから検診や治療で長いお付き合いをするはずのこの先生なんだけど、どうもうまくかみ合わないんだよね。
まぁまぁ、そんなこんなで覚悟もしつつ行ったわけですけど…予約して行っているのにまたまた待つわけですよ。本当に長い!待ち時間が長い~。
文庫本1冊読み切ってもまだ呼ばれない。
緊張と覚悟と諦めと期待とが交じり合ってドロドロになりながら待ちましたよ。
見た目はどんなだったかわかりませんが、中身はもう本当にドロドロのヘトヘト。
呼ばれて部屋の中に。
『どうですか…その後出血のほうは…。』聞いてくる先生の声にすぐ反応できないくらい混乱していたみたいで『あぁ…緊張しちゃってる?』なんて言われました
。
『はい…。』声もかすれちゃって…そりゃそうでしょ。また容赦なく告知が飛んでくると思えば緊張もします。。。
『術後の病理診断の結果なんですが…』電子カルテに入力しながら先生が話し出しました。
『やっぱり、ガンでした。ガンは出たんですが…』もちろん電子カルテの画面をガン見しながら聞いてた私。cisって打ってる…cis…上皮内ガン!0期だ!!
『ガンは0期で、ええと皮膚の上っ面のところだけにとどまっているということです。前にお話したような何ミリ浸潤というようなこともなくて、切除した断面も陰性でした。』
さらに得意の産婦人科学会の本を見せながら説明しだす先生。
『子宮頸ガンには扁平上皮ガンと腺ガンというのがあって、あなたの場合はよくあるタイプの扁平上皮ガンでした。』
『不幸中の幸いで、ガンにはなってしまってましたが、円錐切除で取りきれたということになります。』
いつになく雄弁に語り続ける先生。
0期なので、転移はほぼ考えられないということ。
再発の可能性は2%から4%だということ。
ただガンというのはアメーバのように毛細血管に潜んでいたりするものなので、絶対はないんだということ。たとえばそれは源氏と平家の戦いの落ち武者のようなもので落ち延びてどこかに…とかはじめて冗談らしきものを口にしてみたり。
歴史が好きなのかしらこの人…とチラッと思う私。
私がこれまで接した人の中で、かなり珍しいタイプの人なので…まぁ要するに絡みづらいっていうんだろうな。こういうの。でも、嫌い、ではないんだけど。
子どもをもう望まないのであれば、子宮を取ることも考えたほうがいい。取るならば早いほうがいい。
でも、手術となるとリスクも伴うのでじっくり考えて決めてくださいなんて言う。
切りたくないよ。予防のためになんて。
子ども…もっと欲しかった。3人の子どもの母になりたかったなぁ。
経済的なことで断念したから病気は関係ないけど。
大事な子どもを宿してくれた子宮を簡単に取ったりしたくない。
生命にかかわるというのだったら、今いる子どもたちのために迷わず切るけど。
でも私の細胞。私の体。ガンを作ったのも私…。
これから、ガンをまた作らないように、体を心を変えていくのも私。
とにかく先生の説明もどこか上の空で聞き、ふわふわとした足取りで診察室を出た私でした。
会計を済ませ、病院の外へ。
子どもたちを見に自宅に来てくれていた母の携帯に電話する。
『もしもし!どうだった?』
『…0期だった…』
『もしもし何?聞こえない。何き?』
『0期だったの。0期!!もう手術しなくていいの。』
『!!!…良かった!良かった!』母、半泣き。
客観的に考えて、ガンって言われて喜んでる親子って微妙ですよね(笑)
でもこの病気をした人なら、きっと同じ気持ちになると思います。
本当にありがたかった。考えていた中で、最良の結果が出てきたわけですから。
まれに細胞診でⅤとかが出たのに異形成ってこともあるみたいだけど、Ⅳが出てるからにはやっぱり上皮内ガン以上の結果が出るだろうって思ってましたから。
電話を切って駅まで歩きながら、気がつくと涙がボロボロ出てきて止まりませんでした。思えばきちんと泣いたのははじめてだったな。
初診のときからずっと緊張していて、怖くて怖くて泣けなかった私でした。
細胞診でⅣが出てしまったときから、過呼吸のようになってしまって毎日息苦しい感じがしていましたが、やっとこのとき深呼吸出来たのでした。
体と心ってつながっているんだ…って本当に思った。
この日のこと、生涯忘れないと思います。
退院しても、いまひとつホッとしなかったのは…まだ病理検査の結果が出ていないからでした。
退院の日の診察の時に先生が、『病理検査の結果が来ていないので、外来で来ていただくことになります。』ってこの日を指定してきたわけですが。
そのときに先生…外来の内線に電話をかけ『外来の予約を入れてください。ええ。そうです。遅い時間がいいですね。病理結果が出て説明に時間のかかりそうな患者さんなんで。』なんて言うんですよ!本人の目の前で!!ちょっとそれどういうこと??
わたしゃ悪いの?そんなに悪いの?じっくり時間掛けて告知ってか!!!!
カッチーンと来たので電話を切った先生に『すいません!私そんなに悪いんでしょうかね?』と聞いたらば、厳かに『…顕微鏡レベルの話なんで、入院前にもお話したとおり浸潤の具合によっては子宮の摘出であるとか卵巣などの摘出もありえますね。』なんて言うんですぅ。
でもさ!今はまだわかんないんじゃん!その説明は確かに聞いたけど、見た目の病巣の顔も悪いのかもしれないけど、言葉はもっと選ぼうよ。
ただでさえガンだガンだ言われてナーバスになってんだからさ。
なんかねぇ…本質はいい人なのかもなぁって気がして、嫌いになれないんだけど、どうもこの人の言動に違和感があって、しっくり来ない。
よっぽど悪くて転院するのでなければ、これから検診や治療で長いお付き合いをするはずのこの先生なんだけど、どうもうまくかみ合わないんだよね。
まぁまぁ、そんなこんなで覚悟もしつつ行ったわけですけど…予約して行っているのにまたまた待つわけですよ。本当に長い!待ち時間が長い~。
文庫本1冊読み切ってもまだ呼ばれない。
緊張と覚悟と諦めと期待とが交じり合ってドロドロになりながら待ちましたよ。
見た目はどんなだったかわかりませんが、中身はもう本当にドロドロのヘトヘト。
呼ばれて部屋の中に。
『どうですか…その後出血のほうは…。』聞いてくる先生の声にすぐ反応できないくらい混乱していたみたいで『あぁ…緊張しちゃってる?』なんて言われました
。
『はい…。』声もかすれちゃって…そりゃそうでしょ。また容赦なく告知が飛んでくると思えば緊張もします。。。
『術後の病理診断の結果なんですが…』電子カルテに入力しながら先生が話し出しました。
『やっぱり、ガンでした。ガンは出たんですが…』もちろん電子カルテの画面をガン見しながら聞いてた私。cisって打ってる…cis…上皮内ガン!0期だ!!
『ガンは0期で、ええと皮膚の上っ面のところだけにとどまっているということです。前にお話したような何ミリ浸潤というようなこともなくて、切除した断面も陰性でした。』
さらに得意の産婦人科学会の本を見せながら説明しだす先生。
『子宮頸ガンには扁平上皮ガンと腺ガンというのがあって、あなたの場合はよくあるタイプの扁平上皮ガンでした。』
『不幸中の幸いで、ガンにはなってしまってましたが、円錐切除で取りきれたということになります。』
いつになく雄弁に語り続ける先生。
0期なので、転移はほぼ考えられないということ。
再発の可能性は2%から4%だということ。
ただガンというのはアメーバのように毛細血管に潜んでいたりするものなので、絶対はないんだということ。たとえばそれは源氏と平家の戦いの落ち武者のようなもので落ち延びてどこかに…とかはじめて冗談らしきものを口にしてみたり。
歴史が好きなのかしらこの人…とチラッと思う私。
私がこれまで接した人の中で、かなり珍しいタイプの人なので…まぁ要するに絡みづらいっていうんだろうな。こういうの。でも、嫌い、ではないんだけど。
子どもをもう望まないのであれば、子宮を取ることも考えたほうがいい。取るならば早いほうがいい。
でも、手術となるとリスクも伴うのでじっくり考えて決めてくださいなんて言う。
切りたくないよ。予防のためになんて。
子ども…もっと欲しかった。3人の子どもの母になりたかったなぁ。
経済的なことで断念したから病気は関係ないけど。
大事な子どもを宿してくれた子宮を簡単に取ったりしたくない。
生命にかかわるというのだったら、今いる子どもたちのために迷わず切るけど。
でも私の細胞。私の体。ガンを作ったのも私…。
これから、ガンをまた作らないように、体を心を変えていくのも私。
とにかく先生の説明もどこか上の空で聞き、ふわふわとした足取りで診察室を出た私でした。
会計を済ませ、病院の外へ。
子どもたちを見に自宅に来てくれていた母の携帯に電話する。
『もしもし!どうだった?』
『…0期だった…』
『もしもし何?聞こえない。何き?』
『0期だったの。0期!!もう手術しなくていいの。』
『!!!…良かった!良かった!』母、半泣き。
客観的に考えて、ガンって言われて喜んでる親子って微妙ですよね(笑)
でもこの病気をした人なら、きっと同じ気持ちになると思います。
本当にありがたかった。考えていた中で、最良の結果が出てきたわけですから。
まれに細胞診でⅤとかが出たのに異形成ってこともあるみたいだけど、Ⅳが出てるからにはやっぱり上皮内ガン以上の結果が出るだろうって思ってましたから。
電話を切って駅まで歩きながら、気がつくと涙がボロボロ出てきて止まりませんでした。思えばきちんと泣いたのははじめてだったな。
初診のときからずっと緊張していて、怖くて怖くて泣けなかった私でした。
細胞診でⅣが出てしまったときから、過呼吸のようになってしまって毎日息苦しい感じがしていましたが、やっとこのとき深呼吸出来たのでした。
体と心ってつながっているんだ…って本当に思った。
この日のこと、生涯忘れないと思います。