多分
世界で誰も待ち望んでないと思いますが
貼り付けます
第六話「レッドの武器、醤油サーベル」
「死ねファシャアアーー!」
「ちょっと待て!」
五醜星の一人、悪臭のファッシャーの臭激により、早くもピンチに陥ってしまったラーメンジャー、しかし、須宇から渡された武器らしきものを使い応戦を試みるラーメンレッド、果たしてこの武器は戦況を変える程の力があるのだろうか。
「ふぁしぇふぉいっふぇ、ふぁふふぁふぁふぁふぃふふぁ!(待てと言われて、待つ馬鹿がいるか!)」
「っち、仕方ねえ、ぶっつけ本番だ!」
包みを開ける、そこにはラーメンを伸ばす為の棒があった。
「くそ!これでどう戦えって言うんだよ!」
「ふん、そんふぁものふぇ、おれふぁまをふぁふぉふぇふふぁふぁ!(ふん、そんなもので、俺様を倒せるかな)」
仕方なく棒を構える格好になったレッド、だがその棒が突然光りだした。その姿は最早ただの棒とは言えない、剣のような形になっていた。
「ふぁふぃ!?」
「なんだこれ・・・すげえ」
その頃、包みの中に入っていた説明書をアプリコットが読んでいた。
「うーん、なになに・・・ラーメンが好きな気持ちに触れると剣の形になる、その時ずっと気力を持ち続けないと武器としての形状を失う・・・・なんかざっくりした説明だね」
「これって自分達が使ったら剣にならないって事すか?」
「いや、多分変わると思うよ、ただ武器の特徴が久志君に合ってるんじゃないかな」
「なるほど、あの熱血馬鹿向きってことですね」
「まあ、彼の身体能力は俺達の中では一番高いし、後の武器もきっと個人個人合ったものを作ってくれるんじゃないかな」
「っち、せっかくのチャンスだが、俺達が出て行ってもアイツの足手まといになっちまうのか、歯がゆいぜ」
「ま、自分達は見守るしかないな」
「だね、でもただ見ているだけじゃダメだ、攻略法を探そう」
四人は話し合った、剣というオーソドックスな武器では使用者の技術が出てしまう、動きを見ても剣を振り回しているだけのように見える。ただそれだけでは勝てないと思ったグリーンは発言した。
「もしかしたらなんだけど」
「なんだい?」
「あの武器って、隠れた能力があるんじゃないかな」
「どういう意味だ」
龍谷が質問する。
「この場合アニメだと、隠れた能力がある筈なんだ、そうじゃないと専用武器として渡された意味がないからね、久志君にしか使えない何かがあるんだと思う」
「いや、でもアニメじゃねえしな」
「そんな事どうだっていいんだ、早くこの戦いを終わらせて、家でアニメを見たいんだよ」
「なんでそんなに戦いに無関心なんだよ!」
「まあまあ・・・」
だが、棒がラーメン好きの心に呼応して剣の形になるという性質にアプリコットが発言した。
「もしかしたらだけど、彼の気持ちが武器の形状を変えるんじゃないか?」
「どういう意味ですか?」
「普通の武器として作ったなら最初から剣の形にすればいいと思う、しかし、最初は棒だった、それが彼の闘志に反応して形状を変えたと考える」
「でもそれだと、なんで最初から強い武器にならなかったんだろ、もしかしてあの形状が最強形態なのかな」
「これも予測だけど、彼はこの武器の使い方に迷いがあるんだ、だから武器が実力を出し切れてないと考えてみるのはどうだろう」
「なるほど、それなら自分も納得できます」
「その事を彼に知らせないとね」
「で、誰が言う?」
「それはもう声の大きい内海君が適任だと思うな」
「自分もそう思う」
「俺もー」
「なんか皆って、自主性ないよね」
「そういう訳じゃないんだけどね」
「やっぱり適材適所っていうの?」
「自分よりも、お前の方が良いと思って推してるんだ」
「わかったよ・・・・」
その頃、ファッシャーの臭い攻撃により、うまく攻め込めない久志がいた。
「ふぁふぁふぁふぁしゃー!」
「くそっ、くせーーーー!」
「レッド、聞いてくれ!」
「なにっ!?」
「なにふぁ、ふぁふふぁんふぇふふぁ!(なにか、たくらんでるな)」
ファッシャーはラーメンジャー達の行動に気づいたらしく妨害をした。
「うぁああ、くせええええええ!」
「その武器はお前の闘志に反応するらしい、頼むから思いっきり戦ってくれ!」
「なに!?」
「だから!その武器は!」
「ふぉしゃしゃしゃ!くらふぇすめるふぁふぁっふ!(ははは、食らえ、スメルアタック!」
「うぉおおお、目にも染みる、腹の底からくせぇえええ!」
「駄目だよ、声の大きさ云々じゃなくて聞こえないっぽい」
「そうだな・・・・プラカードに書いて見せるっていうのはどうかい?」
「それだ!」
内海達は何か書けるものを探した、近くに文具店があったが、店主がいないようなので代金だけ置き勝手に品物を使う。
「おーい!これを見てくれ!」
「悪い、後にしてくれ、さっさとコイツを倒すからよ・・・・」
臭いだけではない強敵に手こずる久志、このままではジリ貧だった。
「くそっ、アイツ俺の話なんて聞いてくんねえ」
「まあまあ、敵の強さも尋常じゃないしね」
「早く帰ってアニメみたいな・・・」
「いや、それは自重した方がいいべ」
「えー・・・」
四人はまたもや考えた。久志もいっぱいいっぱいなのだ、気持ちに余裕を持たないことにはこの戦況は変わらないと。
「でも、自分達が戦いに加わった所で邪魔なだけだべ」
「いや、たった一瞬で良いと思う、皆で隙を作るんだ」
「でも、それじゃあ危なくない?」
「だからって俺は指をくわえるだけってのは嫌だぜ!」
ブルーは飛び出した、久志とは喧嘩ばかりだったが、考えてみたら腹の底から喧嘩が出来る相手だという事だ、口は悪いが心は素直なアイツは俺達の代表として戦っているはずだ、なのに俺達が全く戦わないのはいけない。
そう思ったブルーは押され始めたレッドとファッシャーの間に入り込んだ。
「ふぉ?ふぉふぇ!(おん?どけ!)」
「相変わらず何言ってるかわかんねーけど、俺だって諦めたわけじゃない」
「てめぇ・・・このブルー野郎、邪魔だからどいてろ」
「ふざけんな、俺だったらこんな奴、武器なんてなくてもすぐ倒してやるよ」
そう言い相手に突っ込む、強引に殴るがダメージがない。
「いって・・・ふぁふぁあああ!ふぉくふぉ!!!(痛いです、このおおおおお!よくもお!)」
ラーメンブルーこと内海が戦いに参加した、だが以前戦ったときとはくらべものにならないほどのパワーだった。
「くそっ、全然ダメージなさそうだ」
「テメー、いいから下がってろ、俺がやる」
「駄目だ、俺達全員でチームじゃねえか」
必死に戦っているのだが、完全に足手まといになってしまっている、その状況にブルーは焦っていた。
「無駄に前に出過ぎてるね」
「やばくね?」
「うぁ、死亡フラグだ」
三人はブルーに下がるように言葉をかけようとした、その時だった。
「めふぁふぁふぃふぁふぃふぇ!(目障りだ死ね!)」
「!!!」
悪臭を圧縮して作った強烈な悪臭を浴びせる。
「ぐああああああ」
「ブルー!!」
レッドが急いでかけよるが、残り香で最早気絶しそうな程である。
「くそっ、近づけない」
「ふぁふぁふぁふぁふぁ!」
「て、テメーよくも!」
「ふぁふぇふっふふぁふぁふぁふふぃんふぁ!(たてつくから悪いんだ)」
「やっぱり何言ってるかわかんねえ、ゆるせねえ!」
レッドは前にもまして激しい攻撃を続けた。
「ふぉ?ふぁかふぁかふぁふふぁ!(ほう?なかなかやるな)」
「うるせえ!ハッキリしゃべりやがれ!」
その言葉にファッシャーが切れた。
「ふぉおおおお!!」
「うぁ、何だこの野郎・・・」
ファッシャーはスイーツ脳に入る前、苛められていた。理由は滑舌の悪さだった、小学校までは悪ふざけで済んでいたが、中学、高校といじめがひどくなり、学校を休むようになってしまった。
その時にインターネットを見ていると、自分の思う通りの世界を作るという触れ込みのサイトを見つけて、そこをよく観覧するようになる、それはスイーツ脳が作ったHPだった、彼等はネット上の甘い考えを持つ者を集め軍勢を作っている悪の集団なのだった。
「ふぉふぁふぇみふぁいふぁふぁふふにふぁふぃふぁふぁふぁふ!(おまえみたいなやつに何がわかる!)」
「うるせえ!」
取りあえず会話にはなっていないものの、適当なやり取りは行われているようだ。
「うぉおおお!」
レッドは何を言われているかわからないストレスで前よりも激しく攻撃を繰り返す、その事が功を奏したのだろう、武器の形状がだんだん変わってきた。
「ふあ?(なに?)」
「なんだこれ、どうして・・・・いや、勝機!」
レッドは全身全霊をつぎ込んでファッシャーに攻撃をする、武器はどんどん大きくなっていった。
「ふぁぁぅつ・・・・よく・・も・・・」
五醜星のファッシャーは巨大な剣で貫かれている。
「お前、強かったぜ、せっかくそんなに強いのに、なんでこんなことをするんだ」
「・・・・・・」
ファッシャーはてっきり罵声を浴びせられるのかと思っていた、だが、目の前にいる敵は自分の事を称賛した。
「お・・・れふぁ、ただ・・・いじふぇが、にくふぁ・・った・・」
「ようやく何ってるかわかるようになったじゃねえか」
「・・・・そう・・ふぁ、おれが・・・よわいふぁら、いじめら・・・れふぁ」
「違うな、お前のせいだけじゃない、だがお前もはっきりと発言する事で、危害を加える事なく相手に訴える事も出来た筈だ」
「目がさめふぁ・・・、おまえのおかふぇ・・・ふぁ」
ファッシャーの体は解け始めた、まるで霧のように消えていく。
「さいふぉに、おまえふぉ・・ふぁふぁかえて、うれしふぁった、ありが・・・とう」
「ああ、俺もお前の意見聞けて良かったぜ」
ファッシャーは消えた、彼の苛められたくないという怨念は消え去った、それはレッドの体当たりの言葉が心に届いたからだった。
「そうだ、ブルー!」
戦いが終わり、皆で内海の所に駆け寄る。もう臭いはないものの、内海が動く気配もない。
「・・・・・」
「くそっ、無茶しやがって・・・」
「柚居店長になんて説明をしたらいいんだろう」
「自分、信じねえ」
「あ、アニメだったらふ、復活するんだけどさ」
そんな都合のいい話はない、そう思っていた。
「う・・・ううん」
「あれ?」
「ん?」
内海が寝返りをうつ、その時の顔はとても幸せそうだった。
「おい、起きろ!」
「ん・・・?あれ、ここは?」
「戦いは終わったんだ」
「ああ、あまりの臭さで死ぬかと思ったら気絶してたのか・・・」
「なんだよ」
とりあえず生きていた内海を起こした。
「よし、強敵も倒した事だし、皆で飲みにいこうか」
「内海も生きてたしな」
「え、でも俺はこれからアニメを・・・」
「おめーもくんだよ!」
「そんなぁ」
悪の幹部、ファッシャーを倒した、だが敵の幹部はまだ四体残っている事を彼等はまだ知らなった。
次回予告
久志「だりぃ、こんなのがまだ四体もいるのかよ」
東「確かにね、今回はかなり苦戦したし」
龍谷「ありえねえ」
基樹「はぁ、帰ってゲームしたい」
内海「え、なんでそんなにネガティブなの?」
次回 「ラーメンの命」
柚居「ちなみに次回はギャグ回だ」
内海「え?」