なぜ、都知事選で脱原発とTPPがセットで語られないのだろう? 言うまでもないのか? ということは、周知の事実を私が忘れていたのか知らなかったのか、杞憂の類なのか。
TPPに加入してから脱原発すればISD条約で訴えられる可能性がある、という(この記事の最下段にアドレスなどを書きます)。
脱原発を決めたドイツを、スウェーデンの企業(ドイツのフランクフルト近郊に原発を提供)が70億ユーロの損失で訴えたのが昨年。結果は見当たりませんでした(まだ出てない? 私の探し方が下手?)。
ドイツはこの原発を建設からキャンセルしたのか? それとも、稼働中にこのスウェーデン企業に何らかの報酬を払う契約だったのか?・・・私自身がまだのみこめていない情報を書いてすみません。しかし、都知事選まで時間がありません。この曖昧な知識で続けます。
脱原発について、日本のこのこう着状態は何? 万事に強引な安倍政権が何を待っているのかよくわからない。
今の世論調査では脱原発を望む人が多数派だが時間の経過につれ減っていく・・・のを、推進派(政府など)が待っているから? 支持率高い安倍総理が、景気回復(と復古調)で更に支持者を増やすまで待つ? それとも、脱原発候補がいる都知事選を終えたら何か仕掛けるのだろうか?
自民党の候補である舛添さんは、自然エネルギーをもっと普及させてそれから脱原発というような、珍しくもない方針だ(オリンピックの選手村は自然エネルギーで、みたいなことは書いているが。その他は大量の電力が必要そうな体勢で「おもてなし」しそうな項目が並んでいる)。震災直後に民主党が言った「2030年」よりも早く、ということは望んでいないだろう。
・・・そんな程度に思ってたけど。
政府は、TPP加盟を待っているのかもしれない。加盟すれば脱原発は難しくなるのだ。
もちろん。TPP加盟後でも巨額の賠償金を払えば脱原発できる。上に書いたドイツの件の約9000億円がどこまで参考になるのか私にはわからないが・・・。
柏崎刈羽原発にはGEが主契約者に含まれる原子炉があり、まだ新しい。これが本来はあと30年稼働するはず、ということで算出するGE社の逸失利益が基準になるんだろうけど。ドイツの件の金額は日本では2014年度の国家予算の約1%相当だ。すごい・・・。燃料を買ってる3兆円よりは金額が小さいが、支出に見合うブツがあるのとただの賠償金では虚しさが違う。
しかも、アメリカ企業関連の原子炉は他にもある(例えば福島第一原発にもある)。残りの稼働年数は短くても、数があれば合計金額は巨額になるだろう。
ええと・・・。TPP加盟までに脱原発するかTPPに加盟しなければ、賠償金を払わないで済むの(「脱原発しなければこの件でISDで訴えられない」は私の選択肢にはないので)?
そうなのかなあ・・・。電力業界を加盟国に解放したら原発を使う電力会社が参入する、ってことはないのか?脱原発しそうなアメリカから来そう。先進国の煙草会社が発展途上国に市場を求めるように。
ISD条約は怖いってTPPの報道初期に聞いてたけど、私のような者には想定しきれないほどの地雷が埋まっているらしい。
(原発も放射能もTPPも、何から何まで勉強不足な自分が嫌になるが。政治家じゃない人はもっとのんびりしていられるかと思ってた・・・。)
・・・というわけで。
脱原発について、「即ゼロ」派だけではなく「そのうちゼロ」派、つまり舛添候補に共感する皆様。それはTPP加盟後に痛い目に遭う(兆単位の賠償金支払い)かもしれません。
TPPも気になりますが、とりあえず、「東京都民の有権者には脱原発を望んでいる人が多い」と明確にしておいた方がいいと思います。
ご検討のほどを。
(2月5日追記。読み返すと、いろいろとこまごまと、単語の使い方が違います(「条約」と「条項」とか、「30年」と「30(?)年」とか・・)が。意味的には大きな支障がないと思いますのでこのままで。私の文章は読み流し下記のコラムをご覧頂ければ)
ーーーーーーーーーーIWJ(インディペンデント・ウェブ・ジャーナル)のオープンコンテンツの記事へのリンクはこちら。
【IWJブログ・特別寄稿】都知事選の隠された争点! ~郭洋春著『TPP すぐそこに迫る亡国の罠』を担当した女性編集者の視点から(http://iwj.co.jp/wj/open/archives/122674)
ーーーーーーーーーー