さわやか易

人生も歴史もドラマとして描いております。易の法則とともに考えると現代がかかえる難問題の解決法が見えてきます。(猶興)

序卦伝(21)山沢損と風雷益

2024-07-14 | さわやか易・講座

「雷水解ようやく難問が解決した。安心して、そこに気の緩みが生じてしまった。

「緩(ゆるや)かなれば必ず失ふ所有り、故に之を受くるに損を以てす。」
心が緩やかになる時は、とかく油断してしまうものである。油断すれば、必ず間違い、失敗をしてしまう。大事なものを失うこともある。そこで、「雷水解」の次に「山沢損」が置いてある。損は失うことである。気を付けねばならない。
 
しかし、この「山沢損」は単に損をするという意味だけではなく、損得を忘れて、何かに奉仕するという意味もある。卦の形は、上の山は少男、下の沢は少女であり、少女が少男に尽くしている象である。人に限らず、何かその人にとって重要なものに尽くすこと、奉仕することである。
 
 
「損して已(や)まざれば、必ず益す、故に之を受くるに益を以てす。」
「損して得取れ」損をすると、これは大変とばかりに、気を引き締める。気が引き締まってくると、今度は益に転じて来る。商売で成功した人の多くが、損をした後に、心を入れ替え、本気になって商売に取り組んだという人たちである。何の苦労もなく、商売で成功することはないのである。損のあとに益があるのは、実に妙である。
 
又、損得を忘れて何かに奉仕する者も、必ず報われる。それは形ではなく、心の豊かさになっている場合もあるだろう。この「山沢損」の次に「風雷益」が来ることには、孔子が感心して弟子に語ったという話が残っている。

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