さわやか易

人生も歴史もドラマとして描いております。易の法則とともに考えると現代がかかえる難問題の解決法が見えてきます。(猶興)

序卦伝(22)沢天夬と天風姤

2024-07-16 | さわやか易・講座

「風雷益」は儲かることである。今度は儲かり過ぎた場合はどうなるか。

「益して已まざれば、必ず決す、故に之を受くるに夬(かい)を以てす。夬とは決するなり。」

河の水がどんどん増してくれば、堤防が決壊する。同じように経済も膨張し豊かになり過ぎれば、決壊する。バブルの崩壊である。経済だけではなく、人の集団や団体でも同じで、人が増え過ぎると、内部崩壊が始まる。

個人に於いても同じで、実力以上に大金持ちになれば、やがて崩壊する。外から壊される場合もあれば。自ら崩壊作用を起こすこともある。人は豊かさを求める。お金は誰でも欲しい。しかし、本人の持てる範囲というものがある。欲の力で範囲を超えた財を得ても、それは険悪であり、醜悪である。それに気がつかない人もいる。そこには貧しい以上の虚しさがある。

「決すれば必ず遇(あ)ふ所有り、故に之を受くるに姤を以てす。姤とは遇ふなり。」

いったん決裂した者たちがまた一緒になる。派閥が解散されても、またどこかで新たな派閥が出来る。人間は集団をつくるが、その集団はいつか壊れる。しかし、また集団を作る。それを繰り返している。「天風姤」はその中に一人の女性がいることを表している。「姤とは遇ふなり。」姤という女性を中心に新たな集団が出来ることを物語っている。

女性の中でも、時に歴史を変えるような大物がいる。大体はとんでもない悪女の場合が多い。例えば、毛沢東の前に現れた江青のような女がそうだ。江青は元藍蘋(らんひん)という名の女優だった。不倫問題で映画界を追われた江青は未だ政権を取る前の毛沢東と不倫関係を結ぶ。やがて妻の座に就き、文化大革命では4人組の中心として悪行の限りを尽くした。特に映画界への復讐は残酷だった。毛沢東の死後、逮捕され、獄中で自殺する。稀に見る悪女である。

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