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さわやか易

人生も歴史もドラマとして描いております。易の法則とともに考えると現代がかかえる難問題の解決法が見えてきます。(猶興)

「離為火」(爻辞)

2025-01-03 | さわやか易・講座(上)

「離為火」の爻辞は、世代交代の騒動の中で、得ること、失うことを述べている。

「初九、履むこと錯然(さくぜん)たり。之を敬すれば咎无し。」

ここでの「履む」は、地位に就くこと。「錯然」とは、戸惑い迷う。初九は、身分は低いが、能力ある陽爻。突然、降って沸いたように、地位を与えられる。あわてることなく慎重に敬って事を処理するので、咎めはないだろう。

「六二、黄離(こうり)なり。元吉。」

六二は中徳を備えた賢人。陰位にいる陰爻。黄は中央の色。「黄離」とは、中央の地位に就くこと。六二は抜擢され、中央の位置に立つ。「元吉」大いに吉である。

「九三、日昃(かたむ)くの離なり。缶(ほとぎ)を鼓(こ)して歌はざれば、則ち大耋(だいてつ)を之れ嗟(なげ)く。凶。」

九三は陽位の陽爻で、現場責任者の地位だが中徳を備えてはいない。ここでの離は人事、左遷のようなもの。「日昃(かたむ)くの離なり」とは、日が傾くであるから窓際への人事だろう。九三は時代遅れの存在になり、窓際に追われた。缶を楽器にして叩きながら歌でも歌うしかない。「大耋(だいてつ)」とは、老人。老いを嘆くのである。英雄の末路である。凶。

「九四、突如として其れ来(らい)如たり。焚(ふん)如たり、死如たり、棄如たり。」

九四は大臣の位。中徳のない陰位にいる陽爻である。世継ぎの騒動に、じっとしていることが出来ず、突然来ては、騒ぎ立て、失敗して、殺され、棄てられる。凶の字はないが最悪である。

「六五、涕(なみだ)を出すこと沱若(たじゃく)たり。戚(うれ)へて嘆若(さじゃく)たり。吉。」

六五は、天子の位。中徳を備えた、陽位にいる陰爻。世継ぎの騒動に、悲しみに暮れている。沱若(たじゃく)」とは、涙を流す。「嘆若(さじゃく)」とは、憂い嘆く。中徳を備えているので、取り乱したりはしない。その結果、吉を得る。

「上九、王用って出でて征す。嘉(か)有り。首(かしら)を折る。獲ること其の醜(たぐい)に匪ず。咎无し。」

上九は、引退した君主の地位にいる陽爻。ここでは六五の天子と共に、争乱を鎮める役割を果たす。騒乱の時に、軍を出して反乱を起こす首謀者を打ち取る。「獲ること其の醜(たぐい)に匪ず」しかし、その部下たちに非はないので寛大な処置をする。咎めはないだろう。

「上経30卦を振り返って」


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