goo blog サービス終了のお知らせ 

さわやか易

人生も歴史もドラマとして描いております。易の法則とともに考えると現代がかかえる難問題の解決法が見えてきます。(猶興)

姐さんの憲法論(25)~画期的な憲法~

2021-01-25 | 姐さんの憲法論

姐さん、今日は。ちょっとだけご無沙汰しました。

そうね、どうしたかと思っていたのよ。コロナにでもかかっちゃったんじゃないかって心配してたけど、元気そうじゃないの。

実はね、姐さんの影響で僕もすっかり憲法問題にはまってしまったものですから、この二月くらい図書館から憲法関連の本を借りて勉強してたんですよ。

あらそうなの。じゃあ、随分詳しくなったんじゃないの。聞かせてよ、あんたが何を学んだか。私も知りたいわよ。

一番面白かったのは、この憲法がどんな経緯で出来たかということですね。「日本国憲法誕生~知られざる舞台裏」というNHK番組を制作した塩田純さんの本でしたね。確かに姐さんの言う通り、GHQの主導で出来たことは事実ですけど、日本人のかかわりも大きかったということや、時代の分岐点で、世界からも注目されていた中で出来たということが解りました。

それはそうでしょう。日本が180度変わったんだからね。それで、どう思った?

はっきり言って、僕はこの憲法になって良かったと思いますよ。ただ、今まで何の改正もないというのは問題だとは思いますけど、戦後日本が生まれ変わったという意味ではこの憲法は大正解だったんじゃないでしょうか。姐さんの言う通り、9条があったから北朝鮮になめられたということも半分は認めますけど、あれは憲法だけの問題じゃないですよ。あれは絶対政府が弱腰だったからで、今の憲法でも拉致問題は充分解決出来たと思いますよ。

拉致問題は憲法問題だと私は言ったけど、肝心な時に政府がボヤボヤしていたからだとも言ったよね。だから、どんな憲法でも日本人がしっかりしなくちゃ何にもならないということだよね。他にはどんなことを感じた?

戦前の日本ですけど、天皇と国民が「君民共治」だったという話ですけど、間にあった軍隊がまるで天皇の直轄にでもあるように勘違いしてしまって暴走してしまったということは大問題だったと思いましたね。

うんうん、私が好きな人物に高橋是清がいるんだけど、知ってるよね。日露戦争の時に戦費をイギリスに渡って調達してきた話や世界大恐慌後の不況を思い切った公共事業で乗り切ったことで、日本を二度救った男と言われている人なんだよ。この大蔵大臣の高橋是清が陸軍の幹部に、「軍隊は守るだけでいい!政治には口を出すな!」と一喝したんだよね。ところが、その後、226事件で暗殺されちゃったのよ。それから軍隊にしっかりと意見が言える人がいなくなっちゃうのさ。戦前の日本は軍隊が権力を持ち過ぎていたことは大問題だったよね。

軍人というのは、最終的には戦争で解決しようとするもんでしょう。だから、どう考えたって無謀な戦争に突っ込んでしまった。戦争に負けるまでその間違いに気が付かなかった。その結果、日本は大敗北を喫してしまった。でも、そこから日本人は生まれ変わろうとしたんですね。確かに今の憲法は日本人が主体になって作り上げた憲法とは言えないけれど、主権もない時に、外圧で出来た憲法ではあるけれど、ああいう非常事態になって始めて出来ることだってあるんじゃないでしょうか。でも、「不幸中の幸い」という言葉がぴったり来るくらい、画期的な素晴らしい憲法が生まれたということも言えるんじゃないでしょうか。

画期的な素晴らしい憲法なの?意外なことを言うのね。私はとんでもない憲法だと思っていたけど、何を根拠にそんなことになる訳?GHQの押し付け憲法がそんなに良いと言うの。聞かせて貰おうじゃないの。いったい何を勉強したのよ。

僕が解ったことは、この日本国憲法はGHQと日本人の合作で出来た憲法だということです。しかも、この憲法は明治時代から民主主義を日本に実現させようとした先人たちがいて、その流れが実を結んだという一面もあるということなんです。

でも、良かったよ。そこまで、あんたが憲法に関心を持って勉強してくれたことが嬉しいじゃないの。今度はもう少し詳しく、憲法が出来た経緯を話して貰おうかしら。

解りました。やってみます。

次ページ:民主化運動


姐さんの憲法論(24)~家族制度~

2020-12-03 | 姐さんの憲法論

姐さん、この頃親の子供への虐待というニュースが多くなりましたね。困った問題ですよね。

そうなのよ。私も胸を痛めている問題よ。20年くらい前から問題になっていたけど、最近特に多くなってきたわね。

でも、この問題は憲法には関係ないですよね。戦後、今の憲法のもとで経済大国になっていたんですからね。1980年代には、「ジャパン・アズ・ナンバー1」と言われたんですよね。それからバブルが崩壊してからどんどん景気が悪くなり、少子化も進んで貧困化してきたせいですよね。

経済問題もあるとは思うけど、そればかりじゃないよね。だって、私の子供の頃はもっと貧しかったけど、親が自分の子を虐待するなんて、そんなことはなかったよ。これも日本人の意識が変わってきたからだと思うよ。前にも言ったけど、アインシュタインやチャップリンが戦前の日本を見て何より素晴らしいと感じたのは日本人の人情とその家族制度なんだよね。そういう家族制度が戦後になって、少しづつ変わってきたんだよね。

多分昔は日本は貧しかったから逆に人情があったんですよ。人情というのは経済的に豊かになると、希薄になるもんじゃないですか。

じゃあ、最近の日本は貧困化してきたから人情が豊かになるはずじゃないのよ。ますます虐待が増えているのはどういうことよ。

そうですね。じゃあ、姐さんは何が原因だとお考えなんですか?

これもね、「あるユダヤ人の懺悔、日本人に謝りたい」を読んで気付かされたことなんだけど、日本の家族制度の変化だよね。時代とともに変化しただけじゃなくて、ある勢力によって変化させられたんだね。つまりね、世界から君主制を失くそうとしたユダヤ勢力が日本の天皇制もターゲットにしたと言ったでしょ。戦前に日本を調査した時に、強固な家族制度に驚いたそうなのよ。それで、天皇制と同時に家族制度も破壊しないと、日本の弱体化は困難だと知らされたというのよ。

それで戦争を仕掛け国土を破壊した上に家族制度まで破壊したというのですか。

出来ることなら階級闘争を仕掛けて、一気に共産化しようとしたらしいんだけど、それは無理と解って時間をかけて弱体化することにしたんだそうよ。それで東京裁判によって日本人に自虐思想を植え付け、憲法によって個人主義を植え付けることにしたのよ。教育制度にも手を付けて、日教組が子供たちにちゃんとした歴史を教えないとか、君が代や国旗を揚げさせないとかしたのよ。これが、ボディブローのように少しづつ家族制度を壊して、家族の絆を弱くしてきたんじゃないかな。

そうですか。憲法9条は絶対おかしいと思いますが、家族制度まで踏み込んでいるとは気づきませんよね。

そこは憲法だからね。尤もらしく作ってあるのよ。簡単に見抜けるようなものじゃないの。知らず知らずいつの間にか核家族化が進み、家族がばらばらになるように作ってあるのよ。少子化なんかも進んでいくようになっているのよ。「ジャパン・アズ・ナンバー1」の1980年代は確かに経済大国ではあっただろうけど、あの時既に子供の学級崩壊なんかが問題になっていたんだよ。その子たちが今は親になっているのよ。家庭崩壊くらい起きてもしょうがないじゃないのよ。

憲法だけの問題じゃないとは思いますけど、先の先まで読んだ上で作られていた憲法だとすれば、恐いですね。並外れた頭脳で考え出された憲法なんでしょうね。何しろ臥薪嘗胆で鍛えた筋金入りの民族が作ったものですからね。

モーゼさんによれば、この憲法にはユダヤ人の聖典「タルムード」の思想が込められているというのよ。「タルムード」というのは、旧約聖書に続く聖典でユダヤ教の法律、慣習、医学、天文学から社会百般に及ぶユダヤの知恵が詰まっているんだって。世界を一つにしようとするユダヤ人の思想もあるというのよ。世界は知らず知らずのうちに、そういう方向に向かっているのかも知れないよ。

次ページ:画期的憲法


姐さんの憲法論(23)~拉致問題と憲法~

2020-11-27 | 姐さんの憲法論

姐さん、金丸訪朝団は大失敗でしたね。その後は訪朝団はなかったのですか?

何人かの議員による訪朝はあったようだけど、拉致事件解決が進むような会談は小泉訪朝まで10年以上なかったのよね。はっきり言えることは、金丸訪朝団の時は北朝鮮は大ピンチの状態だったから、日本が断固たる姿勢で臨めば、向こうはいくらでも折れるしかなかったと思うのよ。それが全くの北の戦略通り事が運んだものだから、それからは完全に北のペースになってしまったのよ。北は日本の外交力を見抜いたんだね。そして自信も持ったのよ。何でもそうだけど、チャンスというのは最初が肝心なの。そのチャンスを逃したら、もうダメなんだよね。

それでも、2002年に小泉総理の時に、5人の被害者が帰国出来ましたよね。小泉さんは、大したものですね。

そうね、金丸よりは何倍もマシだわね。でもね、小泉さんは政治家としての立ち回りやパフォーマンスが上手いし、メディアや世論を操ることには長けているけど、拉致事件を本当に解決しようという覚悟はなかった人だと思うよ。確かに5人は返したけど、北の方が取引は上手だったし、北のペースは崩さなかった。そもそも北は犯罪を犯しているなんて、全く考えていないからね。しかも5人を返して後は全員死亡、これで解決済みにしようと、小泉さんに約束させたんだよ。だから、その後は解決済み事件という振る舞いをするんだよね。全く北の方が1枚も2枚も役者が上なんだよ。

でも、日本だって、被害者を救出しなければ、政府は憲法違反でしょう。

そうよ、でもこんなに時間が経ってしまうと、もう外交問題になってしまうのよ。ここまで来ると、憲法9条によってがんじがらめになってしまうの。「武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」こうなると日本が出来ることは「話し合い」だけよ。北はちゃんと知っているんだよね。

可哀そうなのは拉致被害者の家族たちですよね。何とかしてやれないものでしょうか?

日本の国民が「拉致問題は憲法問題」ということを自覚して、反省することから始めないと、また何が起こるか解らない。こんな事件が起きたということに危機感を持たなきゃいけないのよ。日本は一見平和に見えるけど、本当の平和じゃないんだよね。2000年以上も続く日本の歴史で、70年以上も外国の支配下になっているのは現在の日本だけなんだよ。こんな現状に甘んじてはいけないのよ。

それでも、戦争さえなければ良いという人は多いですよ。先日、友達に「今の憲法はおかしい。」と言ったら、「お前はいつから右翼になったんだ。」と言われましたからね。

そうなのよ。今の日本じゃ、まともな事を言う人は右翼になっちゃうんだからね。私も右翼だと思われていると思うよ。でもね、ボヤボヤしてたら大変なことになる気がするのよ。北朝鮮だって、いづれは牙をむくだろうし、中国はますます拡大してくるからね。それに対して、日本を守ってくれたアメリカが衰退し始めたからね。安閑としている場合じゃないのよ。

戦前はポーランド孤児をシベリアから救出したこともあったのに、今の日本は拉致された日本人さえ助けてやれないなんて、随分落ちぶれたものですね。

こんな現実があるのに、平和憲法だからこのままで良いと本気で言う人の気が知れないよ。「それでも、日本人?」と言ってやりたくなるよね。

次ページ:家族制度

 


姐さんの憲法論(22)~日朝トップ会談~

2020-11-24 | 姐さんの憲法論

姐さん、日朝のトップ会談はどうだったんですか?

それがね、日本側の完敗だったの。完全に翻弄されたまま終わったのよ。海部総理は北朝鮮と国交が出来れば、歴史に名が残るとはりきって訪朝団を結成したの。1990年9月、日本側は金丸信副総裁を団長として、野中広務、石井一、武村正義らの自民党議員と田辺誠を代表とする社会党議員、計10名の訪朝団で平壌に向かったの。一行は平壌に着くと、2万人の市民によるマスゲームの歓迎を受ける。感動した一行に、「明朝、金主席との会談の用意が出来ました。これより妙高山へお連れします。」と言われ、3時間かけて真夜中の景勝地に到着、宮殿のような金日成の別荘に案内された。翌朝、金丸、田辺、金日成の三党トップ会談が開かれたのよ。

どんな会談だったんですか?

 

 

 

 

 

 

席上、金主席から「遠い所からようこそ、まるで旧い友達に合ったようです。」日本語の丁寧な挨拶を受ける。金丸、田辺は「金閣下とお会い出来て光栄です。」と返し、上機嫌で挨拶した。すっかり打ち解け、一行の元に戻った後、金主席を交えて記念撮影をする。午餐会でも金主席の気配りは続く。乾杯しながら各テーブルを回り親しく言葉を交わす。一行は金日成について、「恐いと思っていたが、案外優しい人だ。」「やはり人間同士腹を割って話し合えば分かり合えるものだね。」一行の印象はすこぶる良かった。一行が平壌へ戻ろうとすると、金主席の側近が慌ただしく、「金主席が金丸先生と二人だけでゆっくり話をしたいと希望しているので、是非残ってください。」と言われ、金丸は「主席からのたっての希望ならば、残らない訳にはいくまい。」と言って残ることになり、一行は平壌に戻ったのよ。(画:左・金丸、中・金日成、右・田辺)

打ち解けて話が出来て良かったじゃないですか。

最終日に、両国の実務者たちは共同宣言の作成にかかったが、既に宣言書は出来上がっていた。一行はそれを見て、青くなった。文書には、「日本は戦後45年間朝鮮人民が受けた損失について謝罪し、償うべきだと認める。」とあった。「45年間の損失とは何か、犯罪行為で損失を受けているのは日本じゃないか。」一行は固く拒絶した。すると、北朝鮮の実務者は言った。「金丸先生は認めていますよ。」まさかと思い、金丸に確かめると、「いいよ、俺が責任を取るから認めてやってくれ。」と答えた。結局、共同宣言はそのままの文書で調印することになり、償い金として約1兆円も北の要求通り支払うことになったのよ。

本当ですか?どうなっちゃってるんですか?

完全に日本側は北の思うつぼにはまっちゃったんだよね。全ては金日成の戦略だったのよ。何年も前から北は朝鮮総連を使って、周到な情報収集をしていたのよ。日本政府の謝罪外交、組織の混乱、政治家たちの性格、家族関係、趣味趣向まで調べ上げていたのよ。金丸については何もかも、とくに天皇陛下を褒めると泣いて喜ぶことまで知っていたの。だから金主席と金丸が二人きりになった時、完全に術中にはめられたのよね。気の毒なのは拉致被害者の家族だよね。訪問団全員が、家族から「何か手掛かりを、安否だけでも」と頼まれていたんだよ。それなのに、拉致の「ら」の字も言葉に出来なかった。全く、完全になめらてしまったんだよね。

何ということでしょうね。悔しいのを通り越して、腹が立ちますよね。日本の政治家のレベルはこんなものなんですか?その後はどうなったんですか?

北朝鮮はその後はピタリとドアを閉めて、音沙汰なしよ。海部総理と金丸副総理、何か責任を取ったのかしらね。大ピンチだった北朝鮮はその後核開発に精を出すことになるのよ。そのまま何もしなけりゃ北は自滅したのに、日本が助けたようなものじゃないのよ。その後、脱税事件で取り調べを受けた金丸邸からは数億円相当の金の延べ棒が出てきたというのよ。恐らく北からのお礼じゃないかと言われているらしいよ。歴史に名を残すと言った海部総理は歴史的無能総理として名を残し、金丸は売国奴として名を残したの。

次ページ:拉致問題と憲法


姐さんの憲法論(21)~拉致被害者は救えた~

2020-11-23 | 姐さんの憲法論

姐さん、憲法は国民の生命と財産を守るために有るんですよね。じゃあ、どうして拉致被害者は救出してもらえないんですか?憲法は戦争放棄を明記してますけど、国民の安全は保障していないんですか?

そんなことないのよ。ちゃんと保障しているわよ。第13条にはこう書いてあるのよ。

第13条(個人の尊重・生命・自由・幸福追求の権利の尊重)

「すべての国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で最大の尊重を必要とする。」

とあるのよ。だから、当然拉致被害に遭ったとしたら、国が責任をもって救出しなければいけないのよ。

それなのに、どうして横田めぐみさんや有本恵子さんは救出してもらえないのですか?

私が憲法に対しても、政府に対しても、国民に対しても、許せない程腹が立つのはそこなのよ。先ず政府に対する不満は救出出来る時にボヤボヤしていたから、時期を逸してしまったことなのよ。そして、メディアや国民がもっと重大なこととして絶対に救出しようという世論を持たなかったことなのよ。

いったい、どうなっているんですか?政府は何をやっていたんですか?

あのね、めぐみさんたちが拉致をされたのは、1977年(昭和52年)のことなのよ。最初は拉致とは解らず、行方不明事件だったのよ。それが、徐々に情報が集まってきて、どうも北朝鮮による拉致の可能性が高くなってきた訳よ。それでも、証拠という証拠はなかったのと、北朝鮮とは国交がないので確かめる手立てもなかったんだよ。ところがね、事件から10年が経った1987年になって大韓航空機が北朝鮮によって爆破されるという大事故が起こったんだ。その実行犯だった北の工作員・金賢姫(キムヒョンヒ)という女性が逮捕されたのよ。

大韓航空機爆破事件の遺族ら 金賢姫元死刑囚を告訴へ

 

 

 

 

 

覚えていますよ。服毒自殺を計ったけど生き残ったんですよね。

その金賢姫の証言で拉致事件が疑いようもなく、はっきりと実証されたんだよね。問題はその後の日本政府の対応だよね。証拠がない間はともかく、事実が判明したんだから、さっそく救出活動に入らなきゃいけないでしょう。国交があるとか無いの問題じゃないよね。断固とした態度で臨むべきでしょう。交渉で済まなければ、自衛隊特殊部隊を使っても救出するべきじゃないの。

当然ですよね。でも、憲法9条が邪魔をしたんですか?

それもあるけどね。でも、9条とは関係ないのよ。救出活動は戦争じゃないし、国民の命を守るための行動だから、やらなきゃいけないのよ。それをしないことは憲法違反になるのよ。憲法は国民の生命と財産を守るために出来ているんだからね。ところが、1987年当時、日本はバブル景気で浮かれていたんだね。そこにリクルート事件というのが明るみになるのよ。当時の有力政治家たちが軒並み贈賄の被疑者となるんだね。だから政府は大混乱、すっかり拉致事件は棚上げ状態になってしまったのよ。

総理大臣は誰だったんですか?

竹下登よ。でも総理大臣もリクルート事件の被疑者だったから、間もなく辞任するの。その後宇野、海部と続くんだけど、選挙では大敗し自民党時代がすっかり衰退してしまうのよ。何しろ大物政治家はみんなリクルートの被疑者だから、残りは小物ばかりなんだよね。そんな時世だったから、拉致問題どころじゃなかったんだよね。せっかく北朝鮮の犯行が明らかになったのに、何の手も打てなかったんだよ。

どうしようもないですね。ところで、北朝鮮の方はどうだったんですか?

実は北朝鮮にとってはその頃、建国以来の大ピンチだったんだよ。80年代の後半からソ連が行き詰ってきて、経済支援が全く途絶えてしまうのさ。国民に餓死者が次々出ていたのよ。だから、喉から手が出る程、お金が欲しかったのよ。そして、北朝鮮の方から日本にトップ会談をしようと申し出てきたのよ。日本にとっては最大のチャンス到来が向こうから来たのよ。

次ページ:日朝トップ会談