最近感じること(ブログ版)

粕井貫次の書き下ろし個人エッセイ

中国事情をきく

2005年09月11日 | 感じること
 一昨日はお世話役をさせて頂いている「21世紀の金曜会」で、
合田實さんから中国事情について、興味深深のお話を聞くことが
できました。
 合田さんは25年前に刺繍の加工場を深せんでスタート、加工
した製品は主にアメリカへ輸出。今日まで様々な難関を乗り越え
ビジネスを軌道に乗せることに成功されました。
 このたび、「CHINAビジネス奮闘記」を清風堂書店からも
出版。そこで感じた要点を・・・。
1・日本の変化も激しいですが、中国は政治・経済などの変化が
 もっと激しい。
2・営業許可に期限があり、深せんの工場は期限到来を期に撤退
 をしたこと。(蘇州、青島には別に工場があり)
3・アメリカは世界各地の有望な地域でもの作りや、購買先を選
 んでおり、ビジネスのやり方は正にグローバルである。
4・海外進出をするとき、みな入口のことは考えるが、出口つま
 り撤退の時にはどうなるか、殆ど考えない。(インドは外資の
 投資を歓迎しているが、撤退のとき投資した資金を国外に持ち
 出せない)
5・従業員に不満があると、集団になり、時にはストライキなど
 で要求を通そうとする。役所は仲裁役となるときも。
6・企業側に法律違反などがあり、事件となって罰金が科せられ
 ると、その10%を通告者がもらえる制度がある。
7・労働事情も最近では地域によってかなり人手不足のところも
 おこりつつある。
8・蘇州工場の6割くらいは中国の国内向けの生産である。
9・電力事情はかなり悪く、週に4日間も停電というときもあり、
 今後の石油価格の高騰がどのように影響するか心配。
10・総じて日本における経営に比べ、かなりリスクが高い。
以上の詳しいことは、上記の著書をお読み下さい。
 いずれにせよ、1985年のプラザ合意によって、急速な円高
になったとはいえ、思いきって工場の中国への移転を決断され、
これを軌道に乗せられた勇気、才覚、忍耐に大いに敬意を払いた
いと思いました。
コメント
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