最近感じること(ブログ版)

粕井貫次の書き下ろし個人エッセイ

大阪弁に思う

2005年09月13日 | 感じること
 先日来、大阪市立図書館において、「大阪ことば」と題して4人
の講師による講座がありました。そのうち、詩人の島田陽子さんの
「大阪ことばのうたと詩」京都外国語大学教授のポンフェイさん(
上海出身)の「外国人からみた大阪ことばと大阪人」を聞きました。
 私など、軍隊での2年間を除き、住居と商売の拠点が大阪、しか
も船場のため、常に大阪弁をごく自然にしゃべっています。
 でも、島田さんは関東出身、ポンさんは中国出身のため、大阪人
が気のつかない、わかりにくい言葉や言い回しがあるようです。
 「ぼちぼち行かな間に合いまへんで」「急いて急かへんけど」
それに「よういわんわ」とか「ようゆうわ」。「けっこうです」
は慣れない人が聞くと、必要なのか不必要かが分かりません。
 むかしこんなことがありました。東京からネクタイを売りに来た
セールスに、気に入った柄がないので「もひとつやな」と言ったの
です、すると「もう一つですか」と。
 海軍に入って大阪弁がでると、ビンタが飛んできました。これは
将校養成の学生という身分だからでした。その点陸軍は地域ごとに
部隊が編成されていたため、郷土の方言が当たり前だったかもしれ
ません。
 映画「マイフェアレディ」に出てくる言語学者は、たしかロンド
ンなら1000メートル(1マイル?)範囲でその人の出身地をい
い当てる自信があると。
 たしかに昔の大阪もそうでした。私は大阪の上町に生まれ育ちま
したが、その後商売の拠点であった船場とでは、微妙に用語や言い
回しが違っていたようです。 
 いとはん、こいさん、お家はん、ごりょうさん、だんはん、ぼん
ちゃん、とうはん、おすもじ、などはもう今では聞くこともなくな
りました。ちょっと寂しい気もします。
コメント
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