子供の頃に先生から教わった、
「来年の事を言うと鬼が笑う。」
という諺が、僕にはとても恐ろしい言葉のように思えたものだった。
国際千葉駅伝の翌日のスポーツ紙には、大会のサブイベントで顔を合わせた、高橋尚子、野口みずきの「世界最強コンビ」が、
「北京に向けて“共闘”を誓う。」
との記事が掲載されていた。
「ラドクリフとヌデレバを、け落とし、北京で高橋と野口が直接対決へ-」
(サンケイスポーツ11月24日付け)
鬼が読んだら、笑うだろう。あきれて笑う事さえしないかもしれない。
3年後の「直接対決」を楽しみにしている皆様の期待に水を差すような事実を紹介する。
女子マラソンが正式種目になった'84ロス五輪から6大会が過ぎ、五輪代表になった日本人マラソンランナーは16人いる。その中で、五輪に2回、マラソンで出場したのは有森裕子さんだけである。さらに、五輪代表選考に選ばれず、4年後の選考レースで結果を出して、代表の座を掴んだ選手は、ロス代表の佐々木七恵さんと増田明美さんと有森さんを除けば、
'88ソウル代表の宮原美佐子さんと浅井えり子さん、
'96アトランタ代表の浅利純子さん、
'00シドニー代表の山口衛里さん、
そして、アテネ代表の土佐礼子の5人だけである。
バルセロナ代表の小鴨由水さんとアトランタ代表の真木和さんは、五輪代表選考レースで初マラソン初代表となったが、彼女たちと佐々木さん、宮原さん、バルセロナ代表の山下佐知子さん、シドニー代表の市橋有里と山口さんは、次回の五輪の代表選考のスタート・ラインに立つ事は無かった。
(現役選手は敬称略)
「北京で高橋と野口の直接対決」
が実現する可能性は、このデータだけで見ると、かなり低い。40%は切るだろうか。前にも書いたが、野口みずきも初マラソンはシドニーから2年後だったのだ。たとえ、金メダリストと言えども、次回のマラソン代表に選ばれるという保証はどこにもない。日本の女子が五輪でメダルを獲得する種目で、最も選手層が厚く、世代交代も激しい種目が女子マラソンなのだ。女子柔道や女子レスリングとは比較にならない。もちろん、千葉真子も土佐礼子も渋井陽子も坂本直子にも、これからの3年間は厳しい闘いが待ち受けている。ラドクリフやヌデレバと対決する前に、国内のライバル、それもまだマラソンを走っていない選手たちの中から現われるであろう若いライバルたちとしのぎを削らなくてはいけない。
こんなに層が厚くては、毎回代表選考がもめるのも当たり前の事だ。
アテネ後にマラソン・デビューしたランナーとして、先の世界選手権で6位に入賞した原裕美子がもっと脚光を浴びていなくてはいけないはずなのだ。メダルを逃した事で評価が低いのかもしれないがラドクリフに勝負を挑んだ、積極性だけでも買いたいと思う。
昨日、練習中にふと、現役の女子マラソンランナーのランキングを思いついた。単なる記録の優劣だけではない、僕の独断と偏見と身内びいき(爆)を存分に反映したランキングである。
1位 野口みずき
2位 高橋尚子
3位 土佐礼子
4位 原裕美子
5位 千葉真子
6位 渋井陽子
7位 坂本直子
8位 大南博美
9位 弘山晴美
10位 嶋原清子
特 星野芳美
今、「日本の3強」と言うと、高橋と野口に渋井を示す報道もあるが、僕が土佐を選ぶのは、「地元びいき」からだけではない。両者のレース内容、特に優勝できなかった時のレースを比較しての評価です。坂本と嶋原は、まだ「延びしろ」はある、と思う。
ベスト10内に星野さんの名前を入れようかなと思った。千葉駅伝と同じ日に、2時間35分58秒という39歳女性の日本最高記録を出した3女の母であるランナーである。
企業から何億円ものお金をもらって、日本から遠く離れたアメリカかどこかの高地(非日常的な空間)で走り続けるだけの日々を過ごしているひとたちよりも、家族の世話にパートにPTAの会合などの日常生活から作り出した時間で、誰かの為でない、自らの夢に向けて走っている彼女たち(あえて、複数形にします。東京国際女子マラソンで、テレビ放映終了直前頃からゴールに戻ってくるランナーたちが含まれます。)の方が、よっぽど、
「暗闇にいる人たちや悩んでいる人たち」や「30代や中高年の皆さん」に「24時間という誰にも平等に与えられたチャンスの時間を精一杯、充実した楽しい日にできる」ための力を与えてくれると、僕は思うのだ!
今回はもともと、次回以降に書く記事の前フリのつもりだったのだが、なんだか年末の恒例の「マラソン大賞」の女子の部のエントリー発表みたいになってしまった。メジャー大会は女子の場合、もうほとんど終わったかと思ったら、まだホノルルが残っていた。早川英里が、23~24分で優勝したら、10傑入りさせたいところだ。
「来年の事を言うと鬼が笑う。」
という諺が、僕にはとても恐ろしい言葉のように思えたものだった。
国際千葉駅伝の翌日のスポーツ紙には、大会のサブイベントで顔を合わせた、高橋尚子、野口みずきの「世界最強コンビ」が、
「北京に向けて“共闘”を誓う。」
との記事が掲載されていた。
「ラドクリフとヌデレバを、け落とし、北京で高橋と野口が直接対決へ-」
(サンケイスポーツ11月24日付け)
鬼が読んだら、笑うだろう。あきれて笑う事さえしないかもしれない。
3年後の「直接対決」を楽しみにしている皆様の期待に水を差すような事実を紹介する。
女子マラソンが正式種目になった'84ロス五輪から6大会が過ぎ、五輪代表になった日本人マラソンランナーは16人いる。その中で、五輪に2回、マラソンで出場したのは有森裕子さんだけである。さらに、五輪代表選考に選ばれず、4年後の選考レースで結果を出して、代表の座を掴んだ選手は、ロス代表の佐々木七恵さんと増田明美さんと有森さんを除けば、
'88ソウル代表の宮原美佐子さんと浅井えり子さん、
'96アトランタ代表の浅利純子さん、
'00シドニー代表の山口衛里さん、
そして、アテネ代表の土佐礼子の5人だけである。
バルセロナ代表の小鴨由水さんとアトランタ代表の真木和さんは、五輪代表選考レースで初マラソン初代表となったが、彼女たちと佐々木さん、宮原さん、バルセロナ代表の山下佐知子さん、シドニー代表の市橋有里と山口さんは、次回の五輪の代表選考のスタート・ラインに立つ事は無かった。
(現役選手は敬称略)
「北京で高橋と野口の直接対決」
が実現する可能性は、このデータだけで見ると、かなり低い。40%は切るだろうか。前にも書いたが、野口みずきも初マラソンはシドニーから2年後だったのだ。たとえ、金メダリストと言えども、次回のマラソン代表に選ばれるという保証はどこにもない。日本の女子が五輪でメダルを獲得する種目で、最も選手層が厚く、世代交代も激しい種目が女子マラソンなのだ。女子柔道や女子レスリングとは比較にならない。もちろん、千葉真子も土佐礼子も渋井陽子も坂本直子にも、これからの3年間は厳しい闘いが待ち受けている。ラドクリフやヌデレバと対決する前に、国内のライバル、それもまだマラソンを走っていない選手たちの中から現われるであろう若いライバルたちとしのぎを削らなくてはいけない。
こんなに層が厚くては、毎回代表選考がもめるのも当たり前の事だ。
アテネ後にマラソン・デビューしたランナーとして、先の世界選手権で6位に入賞した原裕美子がもっと脚光を浴びていなくてはいけないはずなのだ。メダルを逃した事で評価が低いのかもしれないがラドクリフに勝負を挑んだ、積極性だけでも買いたいと思う。
昨日、練習中にふと、現役の女子マラソンランナーのランキングを思いついた。単なる記録の優劣だけではない、僕の独断と偏見と身内びいき(爆)を存分に反映したランキングである。
1位 野口みずき
2位 高橋尚子
3位 土佐礼子
4位 原裕美子
5位 千葉真子
6位 渋井陽子
7位 坂本直子
8位 大南博美
9位 弘山晴美
10位 嶋原清子
特 星野芳美
今、「日本の3強」と言うと、高橋と野口に渋井を示す報道もあるが、僕が土佐を選ぶのは、「地元びいき」からだけではない。両者のレース内容、特に優勝できなかった時のレースを比較しての評価です。坂本と嶋原は、まだ「延びしろ」はある、と思う。
ベスト10内に星野さんの名前を入れようかなと思った。千葉駅伝と同じ日に、2時間35分58秒という39歳女性の日本最高記録を出した3女の母であるランナーである。
企業から何億円ものお金をもらって、日本から遠く離れたアメリカかどこかの高地(非日常的な空間)で走り続けるだけの日々を過ごしているひとたちよりも、家族の世話にパートにPTAの会合などの日常生活から作り出した時間で、誰かの為でない、自らの夢に向けて走っている彼女たち(あえて、複数形にします。東京国際女子マラソンで、テレビ放映終了直前頃からゴールに戻ってくるランナーたちが含まれます。)の方が、よっぽど、
「暗闇にいる人たちや悩んでいる人たち」や「30代や中高年の皆さん」に「24時間という誰にも平等に与えられたチャンスの時間を精一杯、充実した楽しい日にできる」ための力を与えてくれると、僕は思うのだ!
今回はもともと、次回以降に書く記事の前フリのつもりだったのだが、なんだか年末の恒例の「マラソン大賞」の女子の部のエントリー発表みたいになってしまった。メジャー大会は女子の場合、もうほとんど終わったかと思ったら、まだホノルルが残っていた。早川英里が、23~24分で優勝したら、10傑入りさせたいところだ。
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