どうやらこうやらしているうちに、着いたらしい。やおら甲羅を掴まれ、ぽちゃんと放り込まれた。
お早う!
早速、周囲の様子を偵察してみたが、鼻は直ぐにガラス壁に突き当たってしまう。この狭い空間のどこにも出口はない。 籠の鳥ならぬ水槽のカメ であることが判明した。
眼鏡(義兄であることは後で知ることになる)がガラス壁に鼻面を押しつけながら、僕に向かって、「カメック、カメック、カメック・・・・・・・」と叫んでいる。
何か恐ろしいものが自分の近くにいるのではないかと、内心ビクビクしながら周囲を見渡したが何もいない。どうやら、それが自分のことを言っているらしいことがだんだん分かってきた。
既に親父(義父)が僕の紹介をしてくれたようである。 しかし、読み返して見ると、偏見だらけである。折角の好意を無にするようであるが、このままでは、読者の誤解を生じかねない。
誤解を受けるとなれば、折角紹介してくれた親父としても不本意であろう。やはり、自分のことは自分ですることにしたい。
改めて、自己紹介しよう。 僕は「カメック フォン クッパ」である。
自分に何の断りもなく勝手に付けられた名前であるが、いつまでも、「カメ」とか「亀」のままでは、他のカメ(亀)と区別が付かず、これからも何かと不都合であろう。
「カメック、カメック・・・・」と繰り返し呼ばれているうちに、「そうなのかもしれない?・・・・そうなんだ!と思えてきたから不思議である。もっとも、誰が僕を呼ぼうが、尻尾を振るようなみっともないマネはしない。
さて、皆さん! カメック と名前に心当たりはありませんか。 ナイ! と言う人も、クッパ、クッパ大王は、どこかで聞いたことはありませんか。
元良い子の皆さん、元良い子のお父さんお母さん、お祖父さん、お祖母さん・・・・今更、知らんぷりをしてもダメですよ。
悪親父スーパーマリオがクッパ城へ潜入する時に、敢然と迎え撃つ勇士の名前がカメックである。
謂われを聞けば、自分の名前と同じなのは頷ける。今では、その名前を気に入ってさえいる。
クッパは一族の名前。フォンには特別な意味はない。ただ、カメック クッパではいかにも軽そうに聞こえそうないか。
なお、生き別れた妹の名前はまだ付いていなかった。もし、再び会えるようなことがあれば、ピーチと呼ぶつもりである。
我が輩は、カメック フォン クッパである。
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