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ALTEC 620B(国産箱)

2021-02-27 05:11:58 | オーディオ
〜〜〜 長〜い前置き 〜〜〜

元記事は2011年。再編集中

我が家に来て、早25年位になります。
10数年前、小音量しか出せないマンションの6畳からそれなりの音量が出せる戸建て8畳にアップグレード移住しました。
20畳位の広さは欲しいものです。
周囲のオーディオ装置は様変わりすれど、新参SPが来ても追い出されもせず、今も居座り続けています。
ガラクタ部屋(カメック爺の遊び部屋)の主(あるじ)とも言える存在です。
動かない、動かせない。
上に載っている友人製作の全段差動300Bプッシュプルアンプとセットで100kgを優に超える。不動の存在です。

◯一寸寄り道 パート1
SPボックスは国産箱であることが分かりましたので、名称を620Bから620Jに変更しました。
620Jを再調査したところ、当時最新のSPユニット604−8KS(フェライトマグネット)を搭載していることが分かりました。
箱の寸法、内容積は620Bと同じです。
620B:SPボックスの名称。A B C・・・・ 型番を表す。二番目?
SPユニットを表すものではありません。
自分は620D、E・・・・と言う型番を知りません。
唐突にJが出てくる。
Jは連番を表すものでなく、JAPANの頭文字ではないか。
日本向けに作られてもの、日本で組み上げられたものと推測しています。

◯一寸と寄り道 パート2
SPボックスの大きさは、理想と現実との妥協の産物。
剛性、重さ、扱い易さ等のトレード・オフの関係で決まる。

SPボックスの形式が密閉箱である場合、内容積は大きいほど低域が伸びる。余裕のある低音が出る。
基本、SPボックスの内容積が大きい方が望ましい。SPユニットの素が出る。
が、しかし、箱の補強が難しくなる。
箱鳴りを含んだ設計になる。

現代設計のSPユニットは小型SPボックスに入れることが前提にして設計されている。
背圧が掛かることを前提にした設計になっている。
丈夫にしなければならない。つまり、重い振動板にせざるをえない。
能率は必然的に落ちることになる。

ボックスの形式がバスレフの場合、低域はポート(空気穴)の大きさと奥行きで調整する。
共振現象を利用し聴感上の音量は増やせるが、再生低域を伸ばせる訳ではありません。

ALTECの同軸SPで人気の高いのはスタジオモニター「銀箱」です。
620Bよ比べてりやや小型、つまり、内容積は小さい。
銀箱は620Bより中域が張り出し気味でしょう。低域はキレが良い。ジャズ向き?

寄り道終了

自分のSPは「ALTEC 620B(国産箱) 内蔵ユニット 604−8H」

ALTEC 620B(オリジナル)は604−8Hを積んでいる。

オリジナルを大切にする方も多い。

ALTEC 620B(国産箱)とします。

○ALTEC 620B  現用SPシステムです。
同軸2WAYのSPユニット604-8H内蔵

保護用サランネットがマジックテープ4点留め

これがオリジナル箱ではなく国産箱の証拠となりました。
スピーカーボックスの大きさ、内蔵SPユニットは620Bと変わりありません。
SPボックスの材質は不明ですが、板の断面からパーティクルボードのようです。

 
マンタレイホーンはウーファー(515B相当品)と面一

布製フィックスエッジ ビスコースオイルが垂れている。

これを防ぐには、上下180度ひっくり返すのが良いと考えます。重いので諦めています。

SPへの配線 ネットワーク調整摘みの位置

SPユニットへの配線端子はボックス裏側にありますが、端子はバネ式で信頼性が不安なのでネットワーク基盤にSPケーブルはハンダ付けにしています。

ネットワークは2WAY?or3WAY? の切り替えが可能です。
低・中域を担うのは直径15インチ(38cm)コーンスピーカー、高域を担うのは金属振動板のホーンスピーカー。2WAYのスピーカーシステムです。
クロスオーバー周波数は1500hzです。
通常であれば、1500hz以上の音量を調整するボリューム摘みがひとつあれば良い。
実際、前型の604−8Gまでのネットワークのボリューム摘みは一つです。

高域部の超高域部を調整できるようにしているものと推察しています。
自分は3WAY 方式?で使っています。
中・高域は絞り気味(ボリューム位置11時)、超高域は上げ気味(13時)に調整しています。
加齢により高域が聞き取れにくくなっている所為もあるでしょう。

調整摘みの位置は固定ではなく、気分によって変えています。
可変抵抗の摺動部を動かすのは接点部のガリ防止になります。
2WAY?or3WAY? の切り替えプッシュボタンも時々動かします。

◯ALTEC 620B:参考HP http://homepage1.nifty.com/ModernJazzNavigator/audio/a4.htm">http://homepage1.nifty.com/ModernJazzNavigator/audio/a4.htm

同軸2WAYのSPユニット604-8Hを米マツ(パーティクルボード)の大型バスレフ箱に組み込んだSPシステムです。

◯導入の経緯
集合住宅の狭い部屋住まい。次第に聴くジャンルが定まって来ます。小編成のジャズ、特に女性ボーカルが多くなっていました。

我流JBLシステムの低音には不満がありました。GAUSS等のウーファーも試しましたが、大きな改善は見られず、根本的な見直しを考えざるをえませんでした。

鳴りっぷりの良い ALTEC A7(or A5)に興味を持っていました。
これらALTECのSPシステムは映画館等での大ホール用です。
開発当時は管球式アンプで出力は精々数十Wの時代でした。大型ホール用SPシステムに求められた絶対条件は高能率であることでした。
フロントロードホーンになっているのは能率を高めるためでしょう。指向性を高め、遠くまで届けることに設計されたのかもしれません。

現代設計のSPと比べれば、ウーファーは軽量で重低域は出ない。高域も不足気味です。
これらの欠点を補って余りあるものがある。高能率SP特有の生き生きとした躍動感を感じさせます。
この構造のSPシステムでは音像は大きくならざるをえない。美人歌手の口が大きくなるのは興醒めです。
6畳の狭い部屋には置けません。

音源を小さくまとめるなら小型SPが向いています。しかし、こちらが求める低音は望めません。
低音を無理なく自然に出すには、大口径のウーファーが不可欠と考えています。

音源は小さく、低域も欲しい。
この相反する要求に応えるのが複合SPユニットです。
低域、中域、高域の3つのSPユニットを組み合わせたものもありました。各社が競作したのは、低域用と中・高域の2つSPユニットを組み合わせるものでした。 この代表メーカーがALTECとTANNOYの二社でした。

ALTECはウーファーと中高域用のドライバーがそれぞれの専用磁気回路を持ち、ホーンの音道も独立しています。無骨な外観です。アメリカらしい合理性追型。

TANNOYはウーファーと中高域用のドライバー磁気回路は共通です。ショートホーンの延長をウーファーのコーンカーブにつなげて、実質的なホーン長を伸ばしています。外観は優美です。家具としても違和感がない。英国らしい。

剛のALTEC、柔のTANNOY。

アメリカ生まれのALTECはジャズ向き、英国生まれのTANNOYはクラシック向きと言う評価が多いようです。
JBL、UREI?、GAUSS等もALTEC型のSPユニットを出していました。

自分が選んだのはALTEC 620B(同軸SPユニット604-8H内蔵)でした。

◯決定理由

1970年代、次第にステレオが普及し、半導体アンプが主流となりました。
JBLプロフェッショナルシリーズが登場します。
オーディオ界に与えた影響は大きかった。
SPシステムは広帯域化が進みます。

保守的傾向の強いALTECも対応せざるを得なかった。
当時のALTECの同軸SPは604-8G。ホーン形状はセクトラルホーンでした。

ALTECも対応せざるを得なかった。
604-8Hは高域特性を改善(高域を伸ばす、指向特性を広げる)をするため、ホーンの形状とドライバー・スロートのスリットを変えました。
ホーンは小型マンタレイ(魚のエイ)ホーンになりました。

小型マンタレイホーンの形状はややひ弱な印象です。
中古市場では604-8G以前のSPユニットの人気が高いようです。

SPユニットの磁気回路はアルニコマグネットからフェライトマグネットに急速に変わっていった時代でした。
アルニコには希少金属コバルトが使われています。軍需産業には不可欠の金属らしい。
結果、フェライト磁石に置き換わらずを得ず、磁気回路形式も内磁形から外磁形に変わらざるを得ませんでした。
フェライト磁気回路がアルニコ磁気回路に劣るとは言いません。しかし、内磁形SPユニットはスマートです。

604-8Hはアルニコマグネットを使う最後のSPユニットとなりました。
発売期間は短かった。その後、このコンセンサスを元に他社から改良版が出ますが、フェライト磁気回路です。

604シリーズのウーファー部は、ALTEC A5に搭載されている強力ウーファー515B相当品です。
620BはSPボックスを含めた呼称。ALTECの箱としては比較的大型です。

スタジオモニターは設置の容易さを重視するため、小型ボックスである愛称「銀箱」に納めて使われることが多いようです。
中域の厚みがよく出るALTECらしさを求めるには良いでしょう。

自分はクラシックも聴く。低音域は犠牲にできない。大型SPボックス620Bを選びました。

同軸型SPの最大の特徴は点音源であることです。
ALTEC同軸型SPはスタジオのモニターSPとして求められたのは、近接して聞いても音像が大きくならない点が評価されたからではないでしょうか。

大口径ウーファー+ショートホーンの組み合わせは元々無理があります。
604-8Hのクロスオーバー周波数は1500hzです。 大口径ウーファーの受け持ち部分が広すぎるし、シュートホーンで1500hzは非常に苦しい。
クロスオーバー付近の歪みは相当大きいと想像します。 それが破綻に至る一歩前で踏みとどまっている。
ネットワークにはさぞやノウハウが詰まっているものと考えます。

2WAYなのにネットワークの調整用摘みは3WAY並に2つあります。中域、高域と別々に調整が可能ですが、中・高域だけのシンプルな調整もできるように切り替えボタンが付いています。

この箱から604-8Hを外し、代わりにウーファー515Bを入れ、その上にドライバー + ホーン 、ホーン型ツィター を使う方もいます。2WAYでは難しいと考えているのでしょう。

振動板の位置を含め、位相管理をしていると考えますので、完成品は下手に弄るべきではないと考えます。

同軸型SPは、リニアリスニングでボーカルを聴くと言う条件下では、他の幾多の欠点に目をつぶっても、ピンポイント音源としての優位性が高いと考えます。

620Bはほとんど何もせずに、我が家にポンと置いただけで、自分の欲していた低音(ベースの胴鳴りを上手く演出する)があっさりと出たのには驚きました。515Bと大型SPボックスの相性が良いのでしょう。

我流JBLシステムの苦労は何だったのかな~と拍子抜けした記憶があります。

無骨な外観とは裏腹に女性ボーカルは実に艶っぽい。組み合わせている管球アンプが合っているのかもしれません。
理屈重視の現代設計では決して顧みられないスピーカーです。

最近(2010年頃)になって、バイアンプ駆動(既存のネットワークを生かしながらも、ウーファーとホーンを別々のアンプで駆動)とするため、ネットワークを少し弄りましたが、バランスを崩してしまいました。

現代設計の新参トールボーイ型SP Westlake Audio LC265.1V が来ましたので、ご機嫌を損ねているのかもしれません。

2019年、従来のオリジナルネットワークの戻して、復活しました。

◯ALTEC 620B 自分の環境下での評価

オーディオと言う自己完結的な道楽。良いか悪いかだけではなく、好きか嫌いか。100%自己判断。
同年輩のオーディオ仲間が増えました。時々は行ったり来たりします。
以前はこんなことはなかった。いや、敢えて避けてきました。
オーディオ再開は自分流の終活の一つ。
新たな出会いを求める良い機会になっているようです。

ジャズと言う共通点はあるものの、嗜好はかなり異なる。アプローチも違う。
是々非々と自分の意見は言うけれど、程々にしています。

オーディオ装置、特にSPの設置はその空間で大きく左右されます。
自分の環境「約8畳の普通の洋室」で女性ボーカルを聴くなら、JBL4343、4344、ALTEC A7ではなく、620Bが適している。
今更、「じゃないと困る」が本音です。


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