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「アルニコ磁石を使ったスピーカーは音が良い」は都市伝説か 書き殴り中

2021-04-11 19:13:06 | オーディオ
自分にも若い時がありました。
1960〜70年代当時の若者の流行は、車、スキー、オーディオだったと思います。
自分はオーディオでした。
薄給ですので、高額商品は買えない。
仕方ないので、週末はオーディオ専門店で店員紛いのことをしながら遊んでいました。
山水の特約店、JBL製品が多かった。
JBLの往年の名ユニットD130、375、075で構成されたバックロードホーン、フロントロードホーンから出る爆音は懐かしい。
その後、空前の大ヒットとなったプロフェッショナルシリーズが登場します。
一番有名なのは「4343」でしょう。音は大人しくなった。綺麗になった。クラシックも聴けるようになった。
手の届かない高嶺の花。見るだけ、試聴するだけに終わりました。
その後、改良版として「4343B」が登場します。
どこが違うかと言うと、磁気回路がアルニコマグネットからフライトマグネットに変わったことです。
オーディオ評論家の評判は良くても、ユーザーの評判はイマイチでした。
自分はユーザーではありませんが、店員紛いなので、その違いを実感していました。
やはり、アルニコマグネットと言う気持ちが強まりました。
懐具合に合わせて、アルニコ磁石のスピーカーユニット「2220A(130A)」、「375」、「2405」を一つ一つ買い集め、
マルチアンプシステムに組むと言う格闘を始めます。
その経緯は別稿に走り書きしています。

「4343」と「4343B」は今でも中古市場に出回っています。
中・低域のスピーカーユニットのエッジはウレタン。
今では経年劣化が進み、ボロボロになっています。
入手した後、エッジを張り替えるか、既に張り替え済みのものを買うことになります。

中古市場に出てくる数は「4343B」が多い印象があります。
値段は「4343」より安い。
販売数はどちらが多かったか分かりませんが、「4343」を手放す人が少ないのもその理由の一つではないかと推測しています。

自分は「4343」と「4343B」を新品でリアルに聴き比べています。
自分がマルチアンプスピーカー用に選んだのはJBLのアルニコ内磁型スピーカーユニットでした。
現在、メインスピーカーとして使っているのはアルテックの620B。搭載されているスピーカーユニット604ー8Hは2ウエイ・アルニコ内磁型スピーカーユニットです。

アルニコマグネット信仰はノスタルジアなのか、それとも、ないものネダリなのか。
少なくとも自分は現行品、準現行品をリアルに聞き比べて選びました。

アルニコマグネットを選んだのは自分の感覚です。
感覚は理屈以前のモノ。本人にとってはそれが全てです。

しかし、その一方、屁理屈でも良いから、自分なりの納得をしたいとの気持ちは強かった。

話は戻って、
何故、スピーカーのマグネットはアルニコからフェライトに変わったのか。
音を良くするために変えたのか。そうなのかもしれない。
実は別の理由があるのです。
アルニコの組成はアルミニューム、ニッケル、コバルトです。
コバルトは希土類に分類されます。そのコバルトが高騰し、その合金であるアルニコは民生用品としては採算が合わなくなったためです。

フェライトマグネットはアルニコマグネットと比べると磁束密度が低い。
低ければ量を増やし、総磁束量を同じにすれば良いと言うのも理屈です。
当時のオーディオ評論家はフライトマグネットを擁護する人も多かった。

二つのマグネットの違いは別にもある。
アルニコマグネットは鋳造品。フェライトマグネットは焼き固めたセラミック?製 物理的な構造が違う。
磁気回路の構造も違う。アルニコマグネットは内磁型なのに、フェライトマグネットは外磁型にせざるを得ないのです。

(外磁型回路は磁気が外に盛れる。当時のTVの画面はブラウン管型。悪影響を与えたようです。これは都市伝説ではありません。)

時代は進み、フェライト以外にもネオジューム等、磁束密度が高いものが出現する。これも磁気回路の構造は外磁型。
減磁特性・温度特性・・・も違うのです。
これらの違いが音に関係していると考えて良いでしょう。

アルニコマグネットの音が良い理由は他にも何かありそうですが、分からない。
悶々とした時期が長かった。

話は変わって、
励磁型スピーカーの磁気回路は電磁石です。
電磁石の電源を変えると、音が大きく変わると言う。電源で音が変わる。
信じられないのですが、そうらしい。

マグネットの種類、磁気回路の構造で音は変わるのか。

今でも、アルニコマグネットに拘る技術者(プロ)はいるのです。

その例
①グレート・プレーンズ・オーディオ(GPA)社は、1998年にAltec Lansing社から誕生した。
その最初の製品がアルテックの604ー8Hのフェライトマグネットモデル。
その後、改良があり、そのトップグレードとして、アルニコマグネット版を出しました。値段は調べていませんが、かなりの高額品でしょう。
②フォステクス
プレミアムシリーズ発売。W160A-HR、T250A 合わせて約30万円(一台分) フェライトマグネット品と比べれば、かなりの高額商品です。

こんなもの売れる筈はない。売れても数が出ない。商売にならないでしょう。
でも、技術者は作りたいんのでしょう。
メーカーとしては企業イメージ向上になるからでしょうか。

(ヤリスとGRヤリス、ヤリスはヤリスで同じ。性能と価格は別物。GRヤリスはトヨタのイメージカー的な要素を多分に持っているでしょう。)

オーディオ技術者がアルニコに拘る理由はどこにあるのか。
そんな思いで、ネット検索していたら、見つけました。

「クリプトン渡邊氏がスピーカー開発キャリアを総括。「密閉型」、「2ウエイ」にこだわる理由とは  PHILE WEB
『アルニコマグネットが音質において優れている理由』 
https://www.phileweb.com/interview/article/201602/03/341.html

ボイスコイルの振幅により逆起電力が生じる。その処理についてはアンプ側で処理する。インパーダンスを下げて吸収すると言う面で論議されることが多いのですが、実は磁気回路でもあったと言うことです。
励磁式スピーカーの電源で大きく変わる。管球電源では使用球で音が変わると言うのも少し分かるような気がしてきました。


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1 コメント

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Unknown (FIXIT)
2023-11-12 06:21:31
アルニコマグネットは磁気回復特性が速い。 
ヒステリシス現象や磁区は知ってますか?
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