やんちゃでいこう

5歳の冷めた男の子の独り言

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呪いアプリー31話

2012-05-29 07:15:08 | 小説
安易に赤岩がそれ以上に言わなかったのは、自分にもあった若い頃の経験だ。

その頃交通課にいた赤岩は、執拗にひき逃げ犯を追っていた。

先輩警官の制止も聞かずに深追いして、あわや大惨事になるところだった。

保育園児の列をかすめ、犯人は川に車ごと飛込み、骨を数本折る怪我をした。

その程度で済んだからよかったが、もし保育園児を轢いていたら・・・。

考えるとぞっとする。

そういう経験を経て、あえて強制的に止めることをしなかった。

若い者を力ずくで静止しても、頭に血が上っている状態では無理だ。

少し冷静さを取り戻した時に、違う方法を教えてやる。

その時は聞く耳も持っているだろう。


その頃、頭前記者は既に豊岡北分署の事件をかぎつけていた。

ただこの事件の違いは、頭部を破損した死亡ではないだろうということ。

しかし死んだのが頭前が知る人物。

本橋だ。

どう考えても、一連の事件としか考えようがない。

すぐさま兵庫県に向かいたいが、本橋の足取りを追いかけることにした。

いろいろな情報を地元紙から取り寄せる。

頭部が無かった。

頭部の損傷による死亡ではないらしいが、死んだ後からでも頭部になんらかの問題があったことには違いない。

本橋と電話で話したのが、、、2ヶ月ほど前だ。

あれから。。。

何があったのか。

遺体は腐敗が進んでいたと聞いている。

短時間で身元も判断できないぐらいに進んでいると言うことは、かなり前だ。

つまり電話の直後に死んだと考えるべきだろう。

2ヶ月前。

電話してきたのは、東京の自宅だ。






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