やんちゃでいこう

5歳の冷めた男の子の独り言

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呪いアプリー30話

2012-05-28 07:42:11 | 小説
「副所長!どーいうことですか?まだ対して捜査もしていないのに打ち切りなんて、納得いきません」

守口刑事は副所長に怒鳴り込んでいた。

赤岩は特に止めようとせずに、お茶を飲みながらそっぽを向いている。

「だから言っただろう。余所の山は解決済みだ。その山を掘り起こすなんてあり得ん!」

「余所の山なんてどーでもいいんですよ。うちの山の真相を確かめるには調べるしかないでしょう!」

「それは余所の署に調書を取り寄せれば済むことだ。お前らが動くことじゃない!!」

「なら有給ください。俺一人で調べに行きますから!」

「ならん!!お前は黙ってうちの仕事をしろ。この山には一切手を触れるな!」

「くっそ!」

守口はイスを蹴飛ばした。

副所長はそのまま去っていく。

赤岩は窓の外を見ながら言う。

「お前と同じように、納得いかないことなんて皆持ってるんだ。しかしな。一つに事件にどっぷりと浸かってる余裕なんてどこにもないんだよ。犯罪なんて次から次に起きてるんだから」

「そりゃ余所の島ならそーでしょうよ。うちなんて事件なんてこそ泥程度でしょう。だったらまともな事件ぐらい調べさせてくれてもいいんじゃないですか」

「それを我慢するのが組織ってもんだ。上の命令に背いてまで追う事件じゃないってことだ」

「そうかもしれませんけど、刑事として解決していない事件です。人として納得行くまで調べたい。」

守口は使命感に似た思いを持っている。

赤岩はそれ以上には、何も言わなかった。

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