Kajitama News

同志社大学法学部梶山ゼミの連絡板です。

親族法の講演会

2020-11-24 09:48:00 | Kajitamaの近況・つぶやき
昨日、世間は祝日ですが、大学は授業日。
秋学期の月曜日は授業が4つ入っていて、3つは対面+リアルタイムのオンライン(ゼミ、リレー講義)、1つはオンデマンド(親族法)です。

秋学期の授業形態を考えていた8月末ごろ、オンデマンドのオンライン授業でも、15回のうち、1回ぐらい対面で実施できたらよいなぁと思いました。
けれど、1回だけの対面で何をするのか…せっかくの対面なら、対面ならではの内容にしたいと思うものの、残り14回がオンデマンドなら、その時間、たとえリアルタイムオンラインであっても参加できない学生がいるかもしれず、そうだとすれば、録画のオンデマンド配信は必要です。

ふと「去年のような講演会にしてしまおうか」と思いつきました。
去年の親族法の授業では、私の高校同級生である小国綾子さん(毎日新聞記者)を招いて、夫婦別姓の話をしてもらいました。
いざとなったら、オンラインに切り替えてもらうなど柔軟な対応をしてもらう必要がありますので、そういうことが頼みやすい人で、学生に刺激を与えてくれそうな人…1人しかいませんでした。
11期生の「天ちゃん」です。天ちゃんは、学部卒業後、性別変更をしました。今は結婚して、お子さんもおられます。

親族法の授業でも、担当するたびに(民法は2年ごとで他の科目にまわるのが原則なので、親族法は去年から担当しましたが、6年ぶりでした)、従来の「家族」像とは異なる家族形態に関する説明の比率が増えています。たとえば、同性婚・同性パートナーシップ、里親に関する説明が加わりましたし、夫婦別姓、養子、生殖医療の話も分量が格段に増えました。
11月23日なら休日だし、来てくれるかもしれない…と頼んでみたら、快諾してくれました。

受講生やゼミ生がどのように受けとめているかは分かりませんが、こんな話を聴く機会はほとんどありません。
LGBT当事者が周りにいないから…ではありません。それを明らかにし、話してくれる人があまりいないからです。
プライベートな話を、全くの他人に話す…聞き手に悪意があれば、どのような不利益が生じるか分かりません。配慮のない質問に傷つくかもしれない…不特定多数の前で話すのは、とても危険なことです。
LGBTへの理解を広めるための活動に関わっていることは知っていましたが、正直、受けてくれるかなぁと不安でした。でも、天ちゃんはすぐ引き受けてくれました。感謝しかありません。

昨日、天ちゃんが、写真を見せながら、「こうして見ると、普通の家族と変わらないでしょう。それは、自分が法制度に合わせたから、でもある」という話をしていたのが印象的でした。
多様なニーズに対応しきれていない法制度のもとで、「普通の暮らし」を手に入れるためには、法制度に合わせていかなければならない…
淡々とした語りでしたが、どれだけの葛藤を乗り越えてきたか、言葉の端々から伝わってきました。
迫力のある、素晴らしい講演でした。
そして、学生からの質問も素晴らしく…先陣を切ってくれた2年ゼミのNくん、ありがとうございました。

法学部や他学部の先生方も聞いてくださって(一部質問もしてくださいました)、感動した、勉強になった、と感想を寄せてくださいました。
ZOOMで同時配信していたのですが(昨日は、次年度に向け、講義の同時配信の実験でもありました笑)、講演終了後、チャットで一気にコメントが寄せられ…「切ろうと思ったら、コメントがいっぱい入ってきてるので」と係長がパソコンごと前に持ってきてくれました。
「新しい授業スタイルかもしれませんね」と係長。
チャットで届いた質問もありましたし、対面+リアルタイム配信の授業もあり得るかもしれません。

今回は法職講座でもあったので、受講生でなくても、法学部生は月末まで動画が見られます。
リアルタイムで聞けなかった人は、ぜひ…



この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 冬が来る前に… | トップ | EVEです »

Kajitamaの近況・つぶやき」カテゴリの最新記事