2年ゼミは先週から、事例問題に取り組んでいます。
…といっても、2年生だから、そんなに複雑な事例ではありませんし、論点も明らか。
「取得時効と登記」の話です。
他ゼミのことはよく分かりませんが、
報告→討論方式なら、1回で終わってもおかしくない課題です。
でも、まぁ、そこはうちのゼミですから(笑)、私が「これってどうなん?」などと揺すぶって、少し掘り下げてもらいます。
揺すぶっても、教科書や授業レジュメ、今なら、ネット情報を読み上げるだけで終わってしまう学年もありますが、面白がり、「火がついた」状態になってあれこれ自然に展開する学年もあります。
昔は(…なんて言葉を使うとダメなんですが笑、それでも敢えて「昔は」といいます)、わりと、後者が多かったんですが、いつの頃からか、前者が増えました。
火がつかないなら、つかないなりに、通常の「講義科目」のように、淡々と必要なことを学べばよいだけです。
最初の頃はなかなか火がつかなくても、急に火がついて…という展開もあります。
ま、稀に、その逆もあって、それはもう、私の運営のまずさを反省するしかないんですが…
さて…
火がつくかどうか、あちこち展開するかどうかは、学生たちの成績と直接関係があるわけではありません。
ただ、その問題に関する基礎知識がある、つまり、「準備」してきていることは前提で、かつ、「意欲」には大いに関係があります。
成績が抜群によくても、試験に必要な知識を効率よく身につけたい、教員の仕事は「答え」を教えることだと思っている人は、調べること、議論すること、判例や有力学説以外を知ることに意欲がありません。むしろ、「答え」のない問題を提示されることに、不満を持つでしょう。
「そんなことやって、意味あるんですか?試験に役立つんですか?」
ま、そうやよね笑…
と、ダラダラ書きましたが、今年の2年生、28期生は、少し揺すぶると、いろんな意見が湧いてきます。
昨日は、たまりかねて、ホワイトボード前に出てきて説明する人と、「ホワイトボードがよく見えない」という理由で前に出てきた人が2人で議論し、なぜだか2人は「合意」したんだけど、他の人たちが納得できず…とまぁ、にぎやかで、90分があっという間に終わってしまいます。
各班に論客がいるという、あの「班わけ」効果もあるのかもしれませんねぇ。
ゼミが終わり、教室を出たところで、「あんなこと、よく思いつくよなぁ…」などとゼミ生同士が話していました。
彼らは、にぎやかなやりとりを見ていた側なんですが、毎回刺激を受けるらしく、「すごく面白いです」。
そりゃ、よかった…
学生が持ち寄った「点」の知識をつなげて「線」や「面」にしていくのが、教員の役割だと思っています。
何度か紹介していますが、私の理想の授業はこれ。
せっかくついた火を不用意に消してしまわないよう、見守ります。