Kajitama News

同志社大学法学部梶山ゼミの連絡板です。

図書館ホームページのリニューアル

2024-02-23 15:30:00 | 学習支援
2月21日に、図書館のホームページがリニューアルされました。

ホームページトップから、データベースのタブが消えているので、「ん!?!」と戸惑うかもしれません。
法学部生は、WestLawなどのデータベースをよく利用していますからね。

現在の仕様では、データベース直結のタブが見当たりませんので、
データベースにアクセスするには、
トップページでデジタルライブラリーを選び、

この説明文にある、電子資料一覧のリンクを開いてください。
そうすると、一覧が出てきます。
アルファベット順に並んでいるのですが、この中から探すのは面倒なので、

「目的で絞り込む」のところから、「判例・法令を調べる」を選びましょう。
そうすれば、いつものとおり、判例データベース等にアクセスできます。
この電子資料一覧をブックマークしておくといいですね。


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ます判例から…はやめましょう

2023-11-18 15:24:00 | 学習支援
昨日は2時間目が2年次演習。
キックオフ課題を終え、民法の事例問題に取り組んでいます。
「請求をする側」「請求を拒む側」それぞれが発表しました。

3時間目は大学院演習。
「留保所有権者の撤去義務に関する平成21年判決を素材とした修士論文を書く」という想定で、受講生2人にあれこれ調べてもらっています。
修士論文執筆作業を「体験」してもらうのが狙いです。何を調べてくるかは受講生にも考えてもらいますが、「思いつかなかった」部分は私のほうで誘導します。

そして、その後、論文指導。
ダブルディグリーのため、中国と日本で修士論文を出さなければなりませんので、このところ、テーマ選びのための作業を続けています。

昨日の3つの授業であらためて痛感したのは、「みんな、すぐ判例に飛びつくなぁ…」。

私が学生のころ、判例を調べるのは容易ではありませんでした。
データベースがありませんでしたからね。
教科書や論文で引用されている論文を手掛かりにしたり、「法律判例文献情報」や「判例体系」、その他の検索ツール(いずれも紙媒体です)を使ってリストを作り、これを一つずつ、判例集や雑誌のバックナンバーから探し出してコピーを取る…何時間もかかる作業です。

ところが、今は、データベースがありますから、キーワードを入れると、ざっと関連判例のリストが出てきます。全文もその場で読めます。
本学では、有斐閣のデータベースも使えますから、判例百選もすぐ見られます。
「◯◯白書」などの官公庁発行のものだけでなく、最近は、大学紀要もWEB公開しているものが増えましたので、そうした資料も、わざわざ図書館に行かずに読むことができます。

だからダメなんだ、もっと汗をかけ…なんて野暮なことは言いません。
便利なものは使えばいい、私も重宝しています。
ただ、便利なだけに、何を調べるにも、まず「検索」から始めがちなんですよね。
そう、だから、「判例に飛びつく」のです、いきなり。前提知識や説明なしに。

たとえば、昨日の2年ゼミのレジュメには、両班ともに、日常家事債務に関する判例を並べていました。
日常家事債務って何?なぜ、この事案でそれが問題になるの?
なんのために、そういう規定があるの?
どのような要件があれば、どんな効果が認められるの?
そうした説明は一切すっ飛ばして、似たような事案の「下級審判例」を持ってきて、「だから…」と結論づける…
もちろん、私から「ちょっと待った!」が入り、レジュメの作り直しになります。

似たような事案の判例がないと、「判例がないから、分かりません」「判例がないんですけど、何を調べたらいいですか」となるのも、データベース導入後の「法学部生あるある」です。
いや、学部生ばかりではありません。
悲しいかな、一部の大学院生にも、そうした傾向が見られます。

判例以外の参考文献はというと、「インターネットで手に入る資料」。
コンビニで売られている素材だけで、レシピもなく、調味料や調理具の使い方も知らず(かつ、調理具もそろっていない)、料理を作りましょうっていう感じですもんね。
まともな報告(料理)はできないんじゃないかな、と私は思います。

そんなわけで、昨日は、ゼミ+大学院演習等なのに、ほぼずっと「講義」をしていました。
帰宅後にぐったりしていたら、訃報や離婚、閉店、そして、本学の学長選挙の結果など、次々、「えっ、そうなの…」というニュースが飛び込んできました。
しんどい1日でした。



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最高裁の判断が示されました

2023-10-25 16:51:17 | 学習支援

性同一性障害特例法による性別変更要件としての「生殖能力をなくすこと」につき、最高裁が違憲の判断を示しました。

 

性同一性障害特例法の規定は違憲 手術無しでの性別変更めぐり 最高裁 | NHK

【NHK】性同一性障害の人が戸籍上の性別を変更するには生殖能力をなくす手術を受ける必要があるとする法律の要件について、最高裁判所大…

NHKニュース

 

特例法では、性別変更の要件を次のように規定しています(3条1項)

一 十八歳以上であること。
二 現に婚姻をしていないこと。
三 現に未成年の子がいないこと。
四 生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること。
五 その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること。

2003年の制定時には、3号が「現に子がいないこと」となっていたところ、2008年に「現に未成年の子がいないこと」と要件が緩和されました。「未成年の子がいない」要件についても、憲法違反が問題となっていますが、最高裁は、2021年11月30日、憲法に違反しない、と判断しています。
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=90733

2号の「現に婚姻していないこと」についても、2020年、最高裁は、違憲性を否定しています。
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=89311

今回は4号、5号の要件の問題です。
この点についても、2019年に、最高裁は、「本件規定は,性同一性障害者一般に対して上記手術を受けること自体を強制するものではないが、性同一性障害者によっては、上記手術まで望まないのに当該審判を受けるためやむなく上記手術を受けることもあり得るところであって、その意思に反して身体への侵襲を受けない自由を制約する面もあることは否定できない」としつつ、「現時点では」憲法に違反しないと判示していました。
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=88274
ただ、2週間前には、静岡家裁浜松支部が4号を違憲とし、卵巣摘出手術を受けずに性別変更を申し立てた人に対し、女性から男性への性別変更を認めました。
最高裁が、今回、4年前の判断を覆すかが注目されていました。

この問題については、ゼミで繰り返し取り上げており(古くは1期生・・・だから、1999年でしょうか)、4年生も「城プロ」の報告が始まる前の共通課題として、この秋、まず、この問題を検討しました。
判決を2日後に控えた月曜日、意見を聞いたところ、「手術要件は不要」という意見と「不要だとは思うのだけれど、それによる社会の混乱も心配で、正直、迷っている」という意見に分かれました。
最高裁には、現行規定維持派、改正派、双方から要望が出されていました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231005/k10014216411000.html

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231017/k10014227661000.html

お風呂はどうなるの?トイレは?この手の話になると、必ず、出てくる話です。
Tさんが「でも、それは分けて考えてもいいんじゃないかと思います」といいました。
そう、日常生活において「戸籍上の性別」を確認する機会なんて、そうあるもんじゃない。
多くは、むしろ、「見た目」で判断しているんですよね。
もちろん、「悪用されるのではないか」「女性が危険にさらされるのではないか」等の懸念はわかります。
あるいは、アスリートなら、男女別の競技での扱いが気になるかもしれません。
ただ、それは「戸籍上の性別」と必ず結びつけないとダメな話なのか・・・
そこは「分けて考えてもいいんじゃないか」というわけです。
Iさんが「LGBTQには、性別がはっきり分からないという人もいますよね」と言いました。
これまで、無理やり、「男女」に二分してきたけれど、それって必要だろうか・・・
これも重要な視点であると思います。

今日、「違憲」の文字を見て、私は、ある卒業生の顔を思い浮かべました。
男性になるため、身体にメスを入れ、卵巣を摘出した卒業生です。
自分で決めたことであり、親も理解してくれた、今は幸せに暮らしている、けど・・・
Tちゃん、つらかったよね。

(追記)今日の判決文、ホームページにでました!公衆浴場やトイレの問題にも触れられています。https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=92446


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判決が出ました

2023-07-12 11:19:59 | 学習支援

すでに報道されているとおり、ゼミで何度か取り上げてきた問題に関して、最高裁の判決が出ました。
予想どおり、ネット上にはかなり激しい反発が表明されています。
先月、すったもんだの末、関連法案が可決されたばかりですので、この判決が出たことで、また同じ議論が繰り返されるのだろうと思うのですが、賛成、反対の前に、まずは、(報道で要約されているものではなく)判決文全部に目を通してほしいと思います(昨日のうちに、裁判所HPにアップされています)。

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=92191

報道でも繰り返し強調されていますが、判決は、あくまでも「この事案での対応」が問題とされています。
一般論ではありません。ただし、議論の契機にはなるだろうと思います。


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執行官のドラマ

2023-07-04 13:27:00 | 学習支援

今日から執行官のドラマが始まるようです。

「シッコウ!!〜犬と私と執行官〜」
https://www.tv-asahi.co.jp/shikkou/

「強制執行」の世界を描くドラマ…のようです。

 
最近まで、知的財産をめぐるドラマ、「それってパクリじゃないですか?」が放送されていたので、てっきり、その枠かと思ったら違うようで…
 
今期は、債権総論2や民法概論で強制執行の話をしています。
朝ドラ「らんまん」で差押えシーンが出てくるだろうと思っていたら、なかなか出てこず、あぁ、授業に間に合わなかったなぁと残念?!に思っていたところ、執行官にスポットを当てるドラマが出てくるとは…慌てて、e-classで情報共有しました。
どんな内容かは分かりませんが、雰囲気だけは伝わるんじゃないかと期待しています。

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